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雨の日におすすめしたい怪談小説2選

こんにちは、ナツキ シノブです。
前々から興味があったnote、やっとデビューできました!
以前よりTwitterで読んだ本や観た映画の感想を書いていましたが、今後はこちらで続けていこうと思い、始めてみることにしました。
Twitterもなかなか便利なんですけど、文字数制限があるので感想を上手く言い表せないのと、感想をまとめていたモーメントがモバイルで編集出来なくなったのが移行の主な原因で…(;´∀`)…あら、前者は私のスキルの問題だわ。
まあそんなわけでして、ここではTwitter以上に取り留めなく感じたことを好きなように綴っていこうかと思います。
お付き合いいただければ幸いです(*´∀`*)

さて、本題にまいりましょう。
『雨の日におすすめしたい怪談小説2選』

令和になって初の梅雨入り真っ只中です。
洗濯的にはカンベンな季節です(;^ω^)
これを書いてる今は実は梅雨の晴れ間なんですが、気温は暑くなったり寒くなったりの繰り返しでまいっております(;´∀`)

ところで私は雨の日は絶好の怪談・ホラー日和だと思ってるんですが、皆さんはいかがでしょう?
大雨や台風の日なんかは進んで怖い話を読もうとしてます(∀`*)ゞ
雰囲気がそうさせてしまうんでしょうね。暗めの空、閉塞的で独特な空間、晴れの日とは違う気温や湿度、不安を煽るような雨風の音…。ホラーを味わいたい時は自分もその雰囲気に呑まれたい派なので、雨はもってこいのシチュエーションです。
そして、やはりその雰囲気は創作にシフトされやすく、雨を題材にした怪談やホラーは決して少なくありません。

そんなわけでして今回は、雨の日に読んで是非ゾワゾワしてもらいたい、雨がメインの怪談小説を2作品、ご用意いたしました!ヾ(*´∀`*)ノキャッキャ
どちらか一つに絞ろうかとも思いましたが、どちらも怖くておすすめなので一つだけなんて無理でした!(`・ω・´)
是非、秋の夜長…いえ、これからの雨の夜長に読んでいただいて、雨の音と共にストーリーの雰囲気をリアルに感じていただければと思います。
ちなみに2作品とも30~40Pほどの短編です。結構サッと読めてしまうページ数なので、読書にまとまった時間が取れなくても安心してお読みいただけると思います。もちろんその他の短編もとっっっても怖いのでおすすめですよ!いつか機会があったら、こちらも感想を書きたいです(´∀`)

それでは前置きが長くなりましたが、今回のテーマ『雨の日におすすめしたい怪談小説』のレビューはこちら↓からとなります。
(ちなみにレビュー後にamazonのリンク貼ってありますが、アフェリエイトとかではないです。念のため…^^;)


『雨の日におすすめしたい怪談小説①』
【黄雨女】

著・三津田信三『怪談のテープ起こし』(集英社)P191~P225より。

【あらすじ】
月刊誌の編集者である主人公が、とある占い師の女性に聞いた不気味な話…。彼女が学生時代付き合っていた男性がある日、水路沿いに奇妙な女を見たという。
「雨も降っていないのに、レインコートを着て長靴を履いて、傘を持っている。しかも全身真っ黄色」
幽霊でもない、人間にしては気味が悪い、それを黄雨女…きうめ…と名付けた彼らは、やがてその得体の知れないものに静かな日常を奪われていく…。

実話風怪談小説での作風で知られる三津田信三氏の短編。
私がこれを初めて読んだ時、外は台風並みの暴風雨でした。
先程「雨が降っている時に怪談を読みたくなる」と言いましたが、これを読み終わった後に実はちょっぴり後悔したんです(;^ω^)
なぜかと言えば実際に読んでいただくしかないのですが、これはね、ずるい、ずるいですよ。最後まで読んで「こらー!gkbr」ってなりましたもん。
そこはさすが三津田先生、リアルに描写しています。
(ところで私は三津田短編怪談を「実話風」と言っていますが、三津田側では決して「風」などとは言っていません。だって「風」ということにしておかないと怖いんですよ…)
とにかくこの「黄雨女」なる存在がとても不気味で仕方ないんです。幽霊か人間かハッキリ書いてくれればよいのに、曖昧で分からない存在というのもなんだか怖い…。
人はそういった「よく分からないもの」をとても怖がります。そんな存在にジワジワと生活圏を脅かされる恐怖をぜひ味わってみてください。
そして出来るなら雨の降っている時に読むのがベストなんですが、
この小説に限っては、雨の日に読んで後悔しない方だけが読んでください。平気だという方は、ぜひ雨の激しい時分にお読みくださいませ…。



『雨の日におすすめしたい怪談小説②』
【雨の鈴】

著・小野不由美『営繕かるかや怪異譚』(角川書店)P83~P126より。

【あらすじ】
亡き祖母の遺した家に一人で暮らしている有扶子(ゆうこ)。
曲がり角の多い道に古い家々が並ぶ、そんな風景の中にその家はあった。
ある日有扶子は霧雨の振る中、チリンと寂しげな鈴の音を耳にする。見ると、前方には傘も差さず俯き加減に道をゆっくりと進む喪服の女が…。
あれはきっと、この世の者じゃない……。雨の日にだけ現れるそれを気にしつつ、有扶子は近所でかつて起こった奇妙な話を知る。
「喪服の女が現れた家には、必ず死人が出る」
女は、ただ闇雲に道を歩き家に現れるわけではない。ある決まりに則って歩いているのだ。それを察知した有扶子は、いずれその女が自分の家にやってくる恐ろしい事実に気づき戦慄する……。

『死鬼』や『残穢』、『十二国記』で有名な小野不由美先生のホラー小説。いや~小野作品良いですよね!もうね、良い!しか言えない!語彙力ー!
さて、この小説は短編で一話一話が独立した話ですが、全てにこの「かるかや」という営繕屋が出てきます。営繕とは建築物を新築または修理することです。つまりこの本は「家」にまつわる話が多いということですね。家ホラー…いいですよね!好きです!(*´∀`)
話は反れましたが、この「かるかや」は、怪異で困り果てた各話の主人公たちの救世主となり得る存在です。と言っても祈祷師やゴーストハンターといった類ではありません。ただ、家を「営繕」するだけなのです。
さてさて、この「雨の鈴」、何が怖いかと言いますと、所謂「日毎に近づいてくる系」なんですね。実は先程ご紹介した「黄雨女」も近づいてくる要素が入ってます。何なんでしょうねこの共通点は。
そしてやはり、怪異ー喪服の女ーの存在意義も謎。なぜその場所に現れるのか、理由がまったく掴めぬまま終わります。これも「黄雨女」と同等の「よく分からないものは怖い」という要素を持っています。わぁ…偶然に選んだ2冊に共通項が多々あるという奇怪な奇跡…(;´∀`)

この「雨の鈴」という話も、主人公の追い詰められ描写に結構感情移入してしまい、どうなるんだよ…どうなっちまうんだよ…とザワつきながら読んでたんですが、そこで登場する「かるかや」。そうだ!この人がいたんだ!これで助かる!となって、めちゃくちゃ安心するんですね。
そうなんです、毎回各話に登場するはずなのに話が怖すぎて「かるかや」の存在を忘れてしまうんですよ。そして忘れかけたタイミングで救いの手が差し伸べられる…。この小説の醍醐味はここにあると思うんです。
怖いまま終わらないというのはホラー小説的にどうなんだ?と思われる方もいらっしゃると思いますが、その前段階で充分恐怖を味わってますし、何より地獄で仏のホッとする感覚は結構クセになります(笑)
小野先生はそういう構成が本当に上手いんですよ。
そんなわけでして、この「雨の鈴」も是非、雨の降りしきる日にお読みいただければと思います。冒頭でも言いましたが、この『営繕かるかや怪異譚』というストーリー自体が「家ホラー」なので、家にまつわる怪異が好きな方にも是非おすすめしたい一冊です。

そしてなんと、今年の7月に「かるかや」の続編が出るらしいです!
私も今知りました~~!ヾ(*´∀`*)ノ
やったー!この夏は小野ホラーが読めるぞ~!






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