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『ポルシェ太郎』羽田圭介

「ポルシェが買いたくなるよ」と言われて、友人から貸してもらった本。めちゃくちゃおもしろい上に、本当にポルシェ買おうかなと思わせる魔力があります。(買おうと思ってたところで買えないけど)

著者(羽田さん)の実体験が描かれてる!?

1985年生まれの羽田さんは、当時 33歳。主人公(35歳)とほぼ同い年ということで、実際にこんな生活しているんだろうなぁというシーンがけっこうあります。間違いなくポルシェは乗っているはずで、乗り心地の記述が具体的だったりすることで、ぐいぐい引き込まれる魅力があります。

背伸びして見えるのは自分の未熟さ

無理してポルシェを買い、自分がひとつ上のランクに上がったかのように調子に乗る主人公の様子は正直見ていてイタい感じだ。読んでいてイタいなぁと感じるのは、まさに自分自身が同じように社会や周りの人を見ているから。画面の割れたままのiPhoneをつかっている女性を見て、蔑む様子はたしかに自分もそう思うことがあると共感してしまった。

BMWでも、LEXUSでもなく、ポルシェだから見えること

一言でこの本をまとめると、「35歳のベンチャー社長がポルシェを買ってから手放すまで」の物語である。改めて振り返るとこの本は、BMWやLEXUSといった他のどの高級車ブランドでも成り立たない本であったと感じる。これはうまく言語化できない感覚的な価値観が多分に含まれているのだけれども、それを一つの物語にまとめてしまった羽田さん!


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