【留学日記】野良犬に追われてマッサージスクール初日
1月29日(月)
ホテルのシャワーはお湯が出なかった。「お湯を……お湯を出すんだ……!」というシャワーの気概だけは伝わり、かろうじて真夏のプールくらいに温まった水が出る。一方で水圧のやる気は凄まじく、結果ぬるい滝行のようなシャワータイムとなった。チェンマイが温暖で本当によかった。
ホテルに隣接したパブや夜市は夜更けまでにぎわい、ドゥンドゥンと腹に響く重低音でなかなか寝付けない。ようやく入眠できたと思ったら、次は蚊にかまれて痒くて寝付けない。ムヒを塗って再び入眠、と思ったら早朝も早朝に「ヒィヨォウ!ヒィヨォウ!!ヒィヨォウ!!!ヒィヨォォォウ!!!!」と初めて聞くタイプの凄まじい鳴き声で起床。あとで聞いたがオニカッコウという鳥らしい。確かにいろんな意味でオニの所業だった。
今日からマッサージスクールがスタートする。セブンイレブンで鮭おにぎりとバナナを買い、道すがらおにぎりを食べていると野良犬にしばらく後をつけられて結構こわかった。「タイでは野良犬に注意、狂犬病の恐れアリ」である。
マッサージスクールに到着。パッと見だとアメリカやヨーロッパ系の生徒が多いようで、人の多さとテンションの高さに陰キャのハートが縮んだ。
わたしの同日に同レベルのクラスからスタートする日本人女性がいてホッと安心。「マッサージスクールはここで3校目なんですけど、真面目にまともにマッサージを習いたいなら絶対ココ!って他でおすすめされたんです」とのことで、ケチらず良い学校を選んで正解だったと早々に自分を褒めた。
まずは校庭に全生徒が集合し、タイ古式マッサージ創始者やマッサージを受ける患者さんに向けたお祈り(マントラ)を復唱する。そのあとは別室に移動して約30分のヨガ。
終わって教室を出ると、授業前のブレイクタイムとしてコーヒーやココア、さらに大量のバナナが用意されていた。明日からの朝食はこのバナナに確定した。
そして、いよいよマッサージの授業がスタート。タイ古式マッサージの起源などを座学でざっと学び、レベル1のフットマッサージをレクチャーしてもらう。
わたしの足首が固すぎて先生が「かった!ムツミさんの足首かった!!」と連呼し、以降は事あるごとに「ムツミさんは足首が固いですからね~笑」と言われ、なんならその後に股関節の固さもプラスされた。毎晩欠かさず30分ストレッチしてるのに何故……
「力は入れず体重をかけて圧を入れる」という感覚をつかむのが、部位によってはかなり難しい。特に足ツボに苦戦したのだが、先生のアドバイスで体制や相手の足の位置を変えると「!!!!!」と一気に腑に落ちた。先生も「いまムツミさんは急激にレベルアップしましたね……(ニヤリ)」と褒めてくれ、この歳になっても学校という場で成功体験を積めることにちょっと感動した。
午後4時になり、最後に大きな教室でみんなでマントラを唱えて授業終了。
チェンマイではマッサージを受けられる寺院(!)が点在しており、せっかくの留学、ふつうのお店じゃなく寺院でマッサージされたい!と思って旧市街地の「ワット・パン・ウェーン」という寺院に足を運んだ。
学校から歩くこと約45分。
疲れた。マッサージの受け入れ態勢は万全である。
大人なので結論から申し上げると、満員で受け入れ不可でした。つら。
別のお店に行くこともできたけど、それより腹の限界がきた。安価なタイ料理屋さんを旧市街地内でウロウロ探す。外食やむなしのチェンマイ生活、価格が安いのは大変助かる一方、意識しないと確実に野菜不足の塩分&脂質過多な食生活になるので、この日はぜったいに生野菜を食べようと心に決めていた。
タイにおける野菜不足の解決策、それは生春巻きである。(個人の見解です)
お腹が空きすぎて、ついでに春雨と野菜を炒めたメニューも注文。合わせて200BTH(約800円)と思いのほか高くついてしまった。ランチは学校近くのローカル食堂で50BTH(約200円)だったのに。留学中は金に糸目をつけない心づもりでいるが食費は別、節約節制節カロリーでいきたい所存である。
19時半に帰ってきて日記を書こうと思ったのに痛恨の寝落ち、起きたら21時半で時空が歪んだ。日本を発ってからの疲れと睡眠不足がここにきて爆発したらしい。
さくっとシャワーを浴びてストレッチをして就寝。相変わらず夜市の重低音がうるさかったが、それすら子守唄になるレベルの睡魔でバッチリ8時間睡眠を決め込んだ。
読んでくださってありがとうございます◎