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#推し短歌@宝塚歌劇

推し短歌企画向けに宝塚歌劇を題にいくつか作ってみたので投稿してみたい。先日、悲しい出来事があり、ファンの一人として心を痛めているが、明るい未来を願って。

黒燕尾 フゥと一息掛け声に
大階段に描く躍動

黒燕尾服での群舞は宝塚の見所の1つ。トップスターを中心に大階段を整然と降り、トップスターの独特の掛け声を合図にダイナミックに躍動する。大階段を使うことで表現が立体的となり、まるでキャンパスに絵を描くよう。

いつか来る 別れの不安振り払い
今日の輝き胸に留めん

宝塚歌劇では、ほとんどの公演が誰かにとっての退団公演。ファンも自分の贔屓のタカラジェンヌがいつか劇団を去る日が来ることをわかっている。だからこそ公演に通い、その日その日の輝きを胸に留めている。

隅っこで小芝居してる下級生
キミを見ている 人はどこかに

宝塚では70~80規模の役者が舞台に出る。スポットライトが当たるのはトップスターの他ごく一部。ほとんどの下級生は、市民とか店員とかのモブキャラとして舞台に出ている。そんな名もなき役であっても下級生たちは、役の背景やキャラクターを作り込み一生懸命に演じている。そして、宝塚のファンの中には彼らのちょっとした小芝居まで見ている人が必ずいるのだ。

ロケットの ラインダンスの手拍子を
一拍目から合わすヅカオタ

宝塚の拍手や手拍子のタイミングはある程度決まっている。ロケットやパレードの拍手のタイミングはいつも同じなので、慣れたヅカオタは手拍子の一泊目からピッタリ合わせられる。これが自分もできるようになってくると、一体感が感じられてなんとも心地良い。一種のオタ芸かな。

推し燃えて 心は千々に乱れども
明るい未来を願ってやまない
 

最後にやはり今の状況に触れずにはいられない。人が亡くなっているので、あまりに軽く使われるようになってしまった燃える、炎上するという言葉は不適切かもしれない。しかし、週刊誌の報道に、劇団のマネジメントに、そして週刊誌報道でイジメがあったとされる生徒たちに、不確かな状況のなかで、みんなが誰かを叩く様はをそこかしこで目にするようになった。私自身も何が正解かわからないし、叩いている人も自分の心が乱れ、わかりやすい正解を手に取りたくなる気持ちもわかる。それでも、軽々しく自分の気持ちを振り下ろし、他の誰かを叩く先に宝塚が理想とするものがあるとは思えない。みんなが明るい未来を願っているのは同じはず。今はただ平穏で明るい未来を願う。

#推し短歌

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