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人の立場を汲むことと自分をあやすこと

なんだか気分が晴れない日、閉じこもっていてはダメだと海辺に散歩に出かけた。
初めて入った店でテイクアウトしたコーヒーは、紙のカップと蓋に、その店の揚げ物油の匂いが沁みついていた。コーヒーのアロマどころではなかった。
いいことないなあ。
人気のない場所のマンションの前にベンチがあった。
私有地であることは分かっていたが、誰も利用していない。通る人もいない。
座っていたら、管理人らしき男性に注意された。すいません、と言って素直に立ち去った。

自分があの場所に座っていたからといって、実質的に誰かに迷惑が掛かるわけではないと思う。
ちょっと座るくらいいいじゃないかと正直思う。
だけど、管理人さんはそれを注意しないと、職務怠慢と言われてしまうから、立場上仕方がないんだろうなと思う。

自分はこういうとき、先に相手の立場を想像して「仕方がない」で片付けようとしがちなんだけど、本来はそれより先に、些細な事で注意されて気持ちが沈んだ自分のことを、十分に感じるべきなんだと思う。
順序を間違えるとそれは抑圧となって、癒されないまま溜まっていくから。

昔カウンセラーに言われた。
「そのときどういう気持ちでした?」とカウンセラーに聞かれると、私は「本当はこうあるべきなんだと思うんですけど」と回答しがちだと。
まず、どういう気持ちだったかを自覚するのが先で、どうすべきかはその後だ。
忘れないようにしたい。

ああ、それにしても、ルールを破っても「子どもだから」で許されていた時代に戻りたいなあ。
ばぶーっていいたい。よしよしされたい。
大人の身体は取り回しづらい。

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