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0歳での予防接種の基本

0歳のときには受けられる予防接種が多くあって, それぞれの予防接種毎に受けられる時期や回数が異なります. それぞれの予防接種毎でみると結構情報が多く複雑に見えますが, 順調にいけば比較的シンプルに考えることができます. そんな予防接種について, 生まれたあとからの時期毎で書いてみようと思います.

生後6週

生後6週になるとロタウイルスワクチンが受けられるようになります. ロタウイルスワクチンは任意接種であるため, 接種には料金がかかります.
ワクチンが有料だから効果が低い・ないというわけではありません. ロタウイルスワクチンの効果については世界中の複数の国での様々な研究をまとめた研究でロタウイルス胃腸炎による入院を減らしたことや, 救急外来への受診を減らしたことが示されています.1)

ワクチンは基本的には早いうちに導入したほうがよいのですが, ロタウイルスワクチンを生後6週ですぐに接種すると, 約2週後から接種できるヒブ・肺炎球菌ワクチンがすぐに接種できなくなります*. ヒブ・肺炎球菌ワクチンで予防できる疾患・効果も考慮すると, ヒブ・肺炎球菌ワクチンをなるべく早めに導入した方がよいと考えられますので, ロタウイルスワクチン接種はおすすめしますが, 生後2か月になってから他のワクチンと一緒に接種するほうがよりおすすめです(ヒブ・肺炎球菌ワクチンと一緒に接種). 実際のところもそのように実施しているところが多いとは思います.
ただし, 接種が少し遅くなることがデメリットであるとする報告はありません.
また, ロタウイルスワクチンはロタリックス®とロタリックス®の2種類がありますが, どちらが明らかに良いということは示されていないため, どちらでも接種できる方を接種すれば大丈夫です.
* ロタウイルスワクチンは生ワクチンであるため, 接種後4週間はワクチン接種ができないためです.

生後2か月・生後3か月・生後4か月

生後2か月になるとヒブワクチン, 肺炎球菌ワクチン, B型肝炎ワクチンが定期接種で接種できるようになります. 既に述べたロタウイルスワクチンと一緒に接種することをおすすめします.

それから4週間以上たつと2回目のヒブワクチン, 肺炎球菌ワクチン, B型肝炎ワクチン, ロタウイルスワクチンの接種ができますが, 生後3か月になっていれば一緒に四種混合ワクチンも接種できるようになります.

さらに4週間以上たつとヒブワクチン, 肺炎球菌ワクチン, 四種混合ワクチンの接種ができます. またロタテック®を接種している場合には接種. またロタテック®を接種している場合にはロタウイルスワクチンも接種します.

生後5か月

2回目の四種混合ワクチンを接種してから3週間以上経ったら3回目の四種混合ワクチンを接種します.
またBCGを病院で接種する場合にはこのときの四種混合ワクチンと同時に接種することが多いという印象はあります.
BCGを別で接種する場合には四種混合ワクチン接種後1週間以上経過すれば接種できます(1歳になるまで)

生後7か月

1回目B型肝炎ワクチンを接種してから20-24週後に3回目のB型肝炎ワクチンを接種します.
だいたい1回目接種から5か月経ったら接種すると考えるとおよそ間違いはないと思います.
ここだけはほかの予防接種とスケジュールがやや離れていて忘れやすいため注意が必要です.

ここまでが順調にいった場合での0歳のときのワクチン接種の基本です. また別の機会では, それ以外でのワクチン接種などについて書いてみようかとは思っています.


参考文献
1) Global Impact of Rotavirus Vaccination on Childhood Hospitalizations and Mortality From Diarrhea. J Infect Dis. 2017; 215(11): 1666-72

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