見出し画像

ドキュメントと文学のハザマ「ありえない仕事術 正しい“正義”の使い方」

GW積読解消2冊目。

そもそも著者の上出遼平が好きで、ハイパーハードボイルドグルメリポートは何度も見、そして番組グッズの充電器を愛用している。そろそろ寿命だ。

なによりこの人はとても文章がいい。惚れ惚れする。率直でいて雅な修辞がある。
本の方のハイパーハードボイルドグルメリポートはその年で最も綺麗だと思える文章だった

「ありえない仕事術 正しい“正義”の使い方」の感想を書くにおいて、どこまで書くべきなのかすごく迷う。
喫茶店で大半を一気読みして、アテられてしまったままいろいろな感想を見たが構造についての感想は少な目だった。そこを感想とするのも野暮だという意識が共有されているのかもしれない。ハイパー(略)が好きで、上出遼平が好きでという人はアンテナがセンシティブなのでそういう配慮がありそうだ。


モキュメンタリーという表現をよく見かけるようになった。それもごく少数の人が仕掛けているものではあるが。
少々騒がれるそのモキュメンタリーは正直あまり好きではなかった。好きなお笑い芸人がメインに据えられていても、ツイッターがどれだけ賑わっていても。ドキュメンタリーから徐々に様子がおかしくなっていくところが、あからさま過ぎるように感じていた。

その点、この「ありえない仕事術」は見事だった。
小説は主人公の一人称視点で語られることも多いが、それはドキュメンタリーとは言われない。「ダレン・シャン」の作者がダレン・シャンでも、分類はフィクションにあてられる。
マジックリアリズムも、それは好きだ。自分の好きなものを知ることも難しい。ジャンルでみているのではなく個々のコンテンツでみているのだと推測すればたしかにそうだが、これから出会うコンテンツの自分の中のヒット打率は上げていきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?