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僕は立ち止まることにした

会社を休むことにした。

新型コロナウイルスの影響で全国に緊急事態宣言が発令された2020年以降、不安定な体調に苦しめられてきた。最初は不眠症のような症状だったが、次第に不眠と過眠を繰り返すようになり、仕事にも影響が出始めた。

もとをたどれば恐らく、大学入学以降の不規則な生活リズムが身体に定着してしまっていることが原因だ。

当時は夜勤をしていたこともあり、徹夜で学校に行くのが普通だった。そのまま夜も遊んで2日間寝ないようなこともあった。数日間学校に泊まり込んで、ロクに寝ずにレポートをやっつけることもしょっちゅうだった。

学生だからどうにかなっていたが、当然ながらそんな生活で会社員としては成り立たない。上司に相談したところ、会社はほんとうによく対応してくれた。

動ける日は出社しながら、生活リズムを正していくことになった。

それからしばらくは不安定ながらもどうにかやってこれた。上司や先輩は「君のペースで少しづつやっていけばいい」と言ってくれた。

それでもなかなか体調は安定せず、いろんな人にたくさん迷惑をかけてしまった。会社にも世の中にも貢献できない自分が情けなくて、全てに絶望して塞ぎ込んでしまうこともあった。そして次第にその頻度は増えていった。

このままでは仕事も、自分のことも嫌いになってしまう。仕事から少し距離を置いて、まずは人間らしい生活をできるようになることに集中するべきだ。

そのまま辞めてしまいそうなのでできれば休職は避けたかったが、立ち止まることを決心した。 診断書を提出するために久々に会社に来たものの自分のデスクには寄る気にならず、魂が抜けたように会社周辺を歩いていると、シャッフル再生のイヤホンから就活中に聴いていた曲が流れた。

その瞬間、就活や大学生活、会社員になってからの3年間を次々と思い出して、悔しさとか悲しさが入り混じったぐちゃぐちゃな気持ちになって涙が込み上げた。

誰にも見られたくないのでとりあえずカラオケボックスに入り、真っ暗な部屋でこれまでのことやこれからのことを考えていたら、涙が止まらなくなってしまった。声を出して泣いたのはいつぶりだろう。

いろんな時間を次々と思い出した。カラオケ店員のアルバイトで割れたグラスをひたすら片付けたあの日。毎晩のように学校に泊まって課題をやっつけたあの1週間。

卒論を提出しに向かうあの清々しい朝も、4月1日にピチピチのスーツで入社式に向かう誇らしい瞬間も、すべての瞬間が今の僕をつくっている。
そして休職が決まったときの挫折感も、忘れられない記憶として刻まれ今後の僕の一部となるだろう。

この悔しさは忘れてはいけない。自分のことをいつでも誇りに思うために、この仕事を選んだはずだ。なりたい自分があるからこそ、うまく進めない自分に納得できないんだ。

立ち止まったっていい。ただ、この経験も必ず糧にしよう。ただ浪費するのじゃもったいない。ある医者がくれた「この経験が君をもっと強くする」という言葉を信じて。

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正直、このブログを公開するか迷った。

数人の親友にはすでに話したが、誰にでもするような話じゃない。このブログに訪れてくれている人もだいぶ少ないとは思うが、それでも誰でも見れるネット空間にこんな自分の弱みを晒すのもいかがなものなのか。

それでもこれは大切な記録だ。弱くてカッコ悪い自分とも、ちゃんと向き合わなくちゃいけない。隠したり誤魔化したりしてはダメだ。その決意としてここに残す。

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