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滞った生活の現状、失われた希望と周期的な吐き気

生活は周期的に滞る。定められた僅かな使命さえまっとうできず、惰眠を貪り、いつのまにかすごい速さで生活は腐敗していく。やりたいことをやって、着たい服を着て、好きな場所に住んで、人に恵まれているような未来がまるで想像できない。

眠れない日にはスマートフォンに残っている過去のか記録を見て懐かしむ。数年前の自分は今よりずっと楽観的で、僅かな希望を手繰り寄せるように、今の自分から見れば危険な選択をしながら、未来を想像していた。その未来の渦中にある私は過去の自分への嫉妬で苦しめられている。

どうしてそんなに、世界へ希望を持つことができたのか。週5日1日8時間の自宅軟禁生活を続けると、ほんのちょっと外部へ接触することにさえ躊躇する。人と深い交友を持つことなんて、とうに諦めてしまった。本を読んだり映画を観たりすることができないほど抜け殻になって、部屋の天井を眺めて、散らかった部屋とだらしない自分の身体を撫でては絶望の実体に突きつけられる。

戻らない関係も、かつては自分が選んで築いてきたものだった。永遠なんて存在しないことはわかっていても、永遠なんてどうでもよくなるくらい没頭してしまっていたから、唐突で破滅的な終わりを受け止められないまま、俺だけあの頃に取り残されたままだ。それでも生きていくしかない。どうせたいしたものも与えられなければ、受け取った大事なものを失うのであれば、さっさと命を絶ってしまったほうが随分マシなはずだ。

家にある食器のいくつかは錆びており、家具は汚れ、部屋に染み付いた煙草の匂いは吐き気を催す。堕落した生活の終わりは見えず、正気を失い、感性は鈍り、体調は悪化し、薬は効かない。

自分を取り戻すために観る映画がいくつかありました。ガタカ、ビフォアサンライズ、グッドウィルハンティング等、今はもう観れません。疲れてしまったから。疲れると人間は日々のルーティンから最も刺激の少ない快楽に頼るのです。

高尚な、自分らしい、流行を追った生活は難しい。同じ時間を過ごした旧友や恋人は新しい人生を進んでいる。生活はいつも俺だけが取り残される。

自炊は面倒くさいのでしない。コンビニでディストピアみたいな飯を買う。人の温もりがない飯。これが俺の身体を作っていくのだと思うと、皮肉なことにお似合いだと思う。

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