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フードコーディネーターのYukieです。 外国の料理や、プロの料理を簡単にご家庭で作れ…

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フードコーディネーターのYukieです。 外国の料理や、プロの料理を簡単にご家庭で作れるよう、過程を簡単にしたり、スパイスを絞ったレシピを作ります。 お菓子やパンを作ることが好きで、日々レシピの研鑽に励んでおります。 美味しいものにまつわる話や、歴史を調べるのも大好きです。

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  • 鎌倉食べて応援し隊

最近の記事

分かりやすさを忘れずに

飲食店業界に長くいたりすると、業界の人なら当たり前に知っているけれど、そうでない人にはわからないことを失念してしまいがちです。 外国の名前の料理や、料理法を書いても、お客様には何のことかわからないことが多いのです。皮の表紙に挟まれたメニューを持ってくるホールの方が、すべて説明してくれるような高級店なら、特別なメニューという感じでもいいでしょうね。ここで、ご自分の店が、どういうお店なのか、きちんと見極めるのは大切です。 会社帰りにちょっと立ち寄って、気軽な値段で飲食してもら

    • 居抜きの是非について

      飲食店を安く始める方法として、居抜きというのがあります。以前の飲食店の厨房設備を含む造作をそのまま譲り受けるというものです。売る側としては、賃貸物件を大家に返す時の、現状復帰が必要でなくなり、食器やその他の処分もいらなくなり、その分ある程度の金額を得ることができるというメリットがあります。 買う側としては、飲食店を始める時の初期投資として、一番お金のかかる厨房設備が中古で安く手に入るということです。もう営業していた店のものですから、一式揃っているので、すぐ商売に使えます。食

      • 作る過程を見せる、ということ

        最近随分春めいてきましたが、朝晩冷え込む時は、お燗を漬けたお酒が飲みたいかな、というような気持ちになりますね。 昨年、海老名の泉橋酒造さんを訪ねる機会がありました。行きつけの和酒を扱うお店が引率するミニツアーでした。自社の田んぼで作ったお米で(委託して栽培してもらっている分もあります)お酒を造っているのです。 お米を精米するときは、4段階に分けて精米し、一番外側の糠からは油を搾り、次の糠は家畜の飼料にし、その次の糠は田んぼに蒔いて雑草を生えにくくし、最後の糠はほぼ白米の粉

        • 客か、お客様か

          最近はコロナの影響もあり、閉店したり、規模を縮小したりする飲食店は多いですね。飲食店の売り上げが落ちて、スーパーやデパートの食品が売れたというのが、営業自粛や不要不急の外出を控えた結果です。 自粛期間が過ぎ、顧客が戻ってきた店舗もあれば、客足の落ちたまま撤退を余儀なくされた店舗もあります。飲食店チェーンであれば、本社の営業戦略と言った面もありますから、店舗の従業員の責任を問うのは酷でしょう。ですが、個人営業のお店でしたら、オーナーの責任は否定できません。 ここ一年ほどの間

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        記事

          サメと自己紹介

          今回から少し、自分の仕事の話を書くことにいたします。食べ物についていろいろこだわりの人、というのは、仕事柄なのです。いえ、そういうこだわりがあるから、今の仕事というのが正しいかもしれません。私の名刺には、フードコンサルタントと書いてあります。主に飲食店の新規開店サポート、既存店のメニュー分析からのメニューチェンジなどを提案したり仕事です。 私は子供の頃、魚屋にサメが並んでいるのを見たことがありませんでした。実家は宮城ですから、三陸沖の漁場の海の恵みが、魚屋にはありましたので

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          短編小説のようなチョコレート

          毎年、バレンタイン商戦として、デパートが有名ショコレラティエを招いて行うチョコレートイベントは、我が家では参加必須のイベントです。 この日の為に、年末年始も慎ましく過ごし、(いただき物の米沢牛やフグ鍋は有難く頂戴していましたが)、ガイドブックを購入して、購入予定をピックアップしていました。 一番魅力を感じるのは、伊勢丹で行われた「サロンドショコラ」。欧州の名だたるショコラティエの銘品が買えるし、運が良ければご本人にも合えるのです。コロナ前は試食もさせていただけて、好みのもの

          短編小説のようなチョコレート

          ハモを食べて、考えたこと

          所用で、大阪に行くことになり、そういえば、京都が近いからと、そちらにも足を伸ばすことにしました。祇園祭も終わったころだし、少しは空いているかもしれません。それに何より、旬のハモが食べたかったのです。 実家は宮城ですから、新鮮な海の幸がふんだんに手に入ります。ただ、関西や九州の魚というのは、あまり出回っていませんでした。ハモを初めて食べたのは、上京してからだったと記憶しています。関西方面に出張の多い友人から、玉ねぎとハモの鍋の作り方を教わり、なかなか美味しいものだとは思ってい

          ハモを食べて、考えたこと

          茄子の季節には

          ナスは、まあ一年中八百屋さんにはあるけれど、本当は夏野菜。地方によって、色々な品種があるから、面白いと思います。 郷里の名物の仙台長茄子漬は、ちっとも長くなくて、10cmくらいの茄子なのをずっと不思議に思っていました。なんと、これは仙台長(せんだいちょう)という品種のなすだったのです。長さではなくて、名前だったのです。文字にしてしまうと、長ーいナスを連想してしまい、運んでくる間に、どこかでナガナスズケなんて名前になってしまったのでしょうか。本当はセンダイチョウナスズケだった

          茄子の季節には

          カツオと日本と

          「目に青葉、山ほととぎす、初ガツオ」という句は、ここ鎌倉で詠まれたものです。だいたい、五月頃の句のようで、本当に空が広々と青く広がるような感じのする鎌倉の初夏の様子が、よくでています。作者の山口素堂は、松尾芭蕉とも親交のあったと言われている、江戸時代の俳人です。のびやかで、爽やかな句は、一度聞いたら忘れませんね。 鎌倉は日本のナショナルトラストが始まったところですから、緑地保全の運動も盛んです。都心からくると、緑が多く感じます。山にずっと住んでいるホトトギスが、恋の季節に備

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          花山椒の季節

          もう関東では桜の花も散り、葉桜になってしまいました。 庭の樹木も、一雨ごとに緑色が鮮やかになっています。 冬には、すっかり枯れたように見えた山椒も、きれいな葉をつけています。 先日知ったのですが、山椒の花の鍋というのがあるのです。ほんの2週間位しかない花の季節にだけ、提供される鍋です。麻布のお店が考案者だそうですが、京都のほうの料亭では、季節限定の売り物にしているお店もあるようです。鶏や牛肉の鍋に、こんもりと花山椒を盛り上げて煮るものだそうです。 ほほう、風流ですね。です

          花山椒の季節

          山椒は日本の味

          そろそろ八百屋さんの店頭に筍が並ぶ季節です。たけのこご飯の上に、山椒の葉が飾ってあると、ちょっとランクアップした印象があります。味もアクセントがついて、いい感じですね。 山椒は、英語でジャパニーズペッパーと言う位ですから、日本のもの、と認識されているようです。縄文時代の遺跡から、山椒が発掘される位ですから、日本人は昔から山椒の風味を愉しんできたのですね。 どこのスーパーで売られている瓶づめの粉山椒、季節になると八百屋の店頭にきちんとラップされて売られている山椒の若葉、高級

          山椒は日本の味

          桜を目と口で堪能する

          そろそろ、関東では桜のつぼみが膨らみ、場所によっては咲き始めました。梅や桃など春を告げる花は他にもありますが、テレビや新聞で毎年報道されるのは、桜です。 日本人にとって、桜は花を愛でるだけの存在ではありません。葉を塩漬けにして、和菓子に使い、花を塩漬けにして桜茶を作り、花を愛でる品種とは違いますが、サクランボも食べます。 桜の存在を身近に感じたいのか、桜の皮で茶たくや、茶さじ、茶筒を作ったりもしています。私達日本人からすると、普通の事ですが、外国の方からすると「そんなに、

          桜を目と口で堪能する

          オランジェットの日々

          バレンタインに、毎年作るチョコレートが2種類あります。それが、オランジェットとアマンドショコラ。他のチョコレートは、その時の作りたい気持ちで変わるのですが、この2つは必ず作ります。作ったものは、姉の所や、娘の友人に送るので、無駄にはなりません。 アマンドショコラは、アーモンドをキャラメリゼして、チョコがけしたもの。アマンドキャラメリゼが大好きなので、つい多めに作ってしまいます。娘が、我が家のが一番美味しいといってくれるから、張り切ってしまうのもあります。 そして、オランジ

          オランジェットの日々

          お米グルメになろう

          「豊芦原みずほの国の」というのを枕詞にして、「米を粗末にしないように」と、学校の先生に教わったと、戦中派の母が言っていました。日本の主食は米!!と言う時代だったのです。 私の学生時代のお弁当も、米が主食でした。育ち盛り、食べ盛りの私には「パンだと夜までもたないから」という感じがしましたので、「お弁当箱が横向きになっても、ご飯が偏らない位、ぎっちり詰めてね」とリクエストして。戦中派の両親は、夕食の主食も米、という主義だったのか、夕飯の主食も米でした。 小学校と中学校で学校給

          お米グルメになろう

          チョコレートが包む世界

          もうすぐ、バレンタインデー。駅のポップアップショップもチョコレートだし、スーパーやデパートのチラシもチョコレートが顔を利かせています。 チョコレート大好きですから、普段見かけない高級チョコレートを見かけると、つい手が伸びてしまいます。今は、先日サロンドショコラで買い込んできたのがあるから、少し自制心が働いています。(多分?) 去年氣に入ったユミコ・サイムラは、他の種類も買いました。金色の包み紙(写真の真ん中のものです)に包まれた小さいチョコを口にして「ウイスキー飲もう!!

          チョコレートが包む世界

          背景が見える食べ物

          土曜日の朝が楽しみ。無農薬野菜を育て、かつ家庭菜園を始めたい人の為に、サポート付きレンタル農園のような活動をしている方々の、産直市場があるから。出勤前に顔を出して、目についた野菜を一通り買い、「どうやって食べると美味しい?」というような話をするのも愉しい。 鎌倉には若宮大路ぞいにレンバイと言う、農家の方の持ち寄り市場もある。季節の普通の野菜の他、イタリアンやフレンチのシェフに依頼されて作った野菜の、余剰分を売ったりしているそうで、バラエティー豊か。ただ、職場からは遠いのと、

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