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【J2リーグ】キツイ、キツイ敗け【第18節 ロアッソ熊本対モンテディオ山形】

こんにちは、今回は少し遅れましたがロアッソ熊本の試合レビューを書いていきたいと思います。

今回の試合は、熊本の強みと弱みがハッキリと出た試合となりました。
しかも今回はパスをつなぐ、つながないというだけでなくもっと根本的な弱みを突きつけられた試合となり、敗けはしましたが興味深い一戦となりました。


データ上でも拮抗していて、昨年も1勝1敗となっていただけにどうかなと思いましたが、今回は山形が試合だけでいえば熊本に付き合わなかったことが勝因かなと思われます。

それではそんな試合のスタメンとシステム、得点者は以下の通りです。

得点者
48分 チアゴアウベス(山形)
82分 野田裕喜(山形)
95分 横山塁(山形)

前半は熊本のペースでした。
いつも通り最終ラインとアンカーでゆっくりボールを回し始め、縦パスをウイングやサイドハーフに刺していきます。

独特な立ち位置ながら、5レーン全て埋めて攻撃

右サイドのウイング島村は中央に絞って右ハーフレーンに立ち、上下動しながらパスを引き出します。
右サイドハーフの大本はボールのつなぎにも多少は参加しつつ、島村やトップ下の平川にボールが入ると大外のレーンに入ってパスを引き出します。
対する左ウイングの松岡は大外レーンに立ち、3バックからの直接のパスコースを作り出します。
これを左サイドハーフの竹本がサポートしつつ、松岡の縦の突破とパスの選択肢を作り出してSBに突きつけるような形を作り出します。
これにCFの粟飯原が絡み、SB裏へのロングボールを引き出したりポスト役や裏抜け役をこなしていきます。

かなり独特な立ち位置を取る上に、ポジションチェンジも多く自由に動き回るので山形は面食らったような形で防戦一方になっていきました。
実際熊本はシュートチャンスも多く、粟飯原はフリーでクロスを受けてヘディングシュートを撃ったり、左サイドを崩してのチャンスから決定機を迎えていました。
出色の出来だったのは大本と島村で、右サイドでポジションを入れ替えながら山形の左SB小野が守るサイドを幾度となく攻略していき、クロスをあげていました。
正直得点が入るのも時間の問題かと思っていましたが、シュートが枠を外してしまうことも多く、得点を挙げることは叶わず。

逆に山形が慣れてくると熊本の独特な攻撃に対策を講じるようになります。
熊本の3バックに制限をかけるべくCFの藤本、左右サイドハーフのイサカゼインとチアゴアウベスでプレスを掛けに行き始めます。
アンカーの上村にはトップ下の國分がマークにつくことで自由を奪い、最終ラインでのパス回しと縦パスの出所を潰しにいきました。

山形の前からはめに行くプレス

これを行うことで3バックの左右、黒木と大西が前進できなくなり、低い位置からパスを出さざるを得なくなります。
幸いしたのは前からはめにいく形は出来たものの後ろが連動しきれず、パスさえ出てしまえば問題なく前進出来ていたことです。
前半は若干間延びした状態になっていたもののパスを回すことが出来ていた熊本のペースで折り返します。

後半に入ると、山形が中盤でペースを握り始めます。
選手の入れ替えはなかったものの中盤のマークがハーフタイムで整理されたのでしょう、前半のように防戦一方にはならず押し返し始めます。

中盤で捕まえに行く守備

これが効いたのか、48分には右サイドでボールを持つと左サイドへ展開→左SBの小野が縦パス→チアゴアウベスがボールを持つとワンフェイク入れてボールを持ち出し、シュート、ゴールへとつながります。

これでお尻に火が着いた熊本はボール支配を強めることで攻撃に出ます。
60分にはチャンスを逃し続けた粟飯原を代えて大崎を投入することで、高さを出してクロスを得点に結びつける形を作りに出ます。
これで両サイドからのクロス放り込み→ヘディングシュート、折返しからのシュートを狙っていこうとしました。
ただここでまたアクシデントが熊本を襲います。
大崎の交代、投入直後に松岡が負傷のため道脇と交代してしまいました。
これで左サイドが実質死んでしまったような形となり、ボールが上手く回らなくなります。
左で体勢を作れなくなり、右で勝負に出ようにも大本は山形の左SB小野がマークしており、かつチアゴアウベスがプレスバックしてくることで身動きが取れなくなりました。

これまでも交代出場してきた選手でバランスが変わることはありましたが、ここまで変わるとチームとして維持は難しくなります。
左が死んだことで右も活きなくなり、82分には山形のCB野田から恩返し(熊本出身で、熊本に特別指定で所属した経緯あり)弾を浴び、95分にはカウンターでキレイに決められ、ジエンド。
熊本としては10,000人以上を集めながら3-0で負けるという最悪な幕切れとなりました。

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