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【J2リーグ】惜しい負け【ロアッソ熊本対清水エスパルス】

こんばんは、遅くなりましたが今回もロアッソ熊本の試合レビューを書いていきたいと思います。


今回は過去に2度対戦して2度とも負けてしまっている、これまた相性の悪い清水との対戦となりました。
J2としては破格のスカッドを備えるも決定力不足に陥っている清水ですが、ここを熊本が上手く突けるのか、注目の一戦となります。

両チームのスタメンとシステム、得点者は以下の通りです。

得点者
81分 カルリーニョスJr.(清水)

◼️前半
暑くなった熊本での一戦ですが、熊本は元気よくハイプレスで試合の主導権を握りに掛かります。
可変したりすることなく、比較的オーソドックスな4-4-2で攻める清水を早い時間で封じてしまおうという思惑があったのでしょう。

実際、清水は攻撃となったらCBやGKの権田から出るロングボールを2トップが収める→中盤の宮本、ホナウドが拾って展開、という攻撃戦術を取っていました。
特にロングボールをアンカーの上村周辺に落ちるように蹴っており、2トップがアンカーの脇を使うようにしてボールを収めようと動いていました。

清水のロングボール使った前進

勿論、熊本のCBも競りに行くのですが長身の2トップですから収められてしまうこともあります。
ですがそこは熊本も織り込み済み。
GKの権田はともかくとして、CBはハイプレスでなるべくオープンな体勢では蹴らせない、収められてしまっても中盤の竹本、大本、上村で囲んで清水からボールを奪回する、といった形で応戦していました。

ロングボール作戦が落ち着くと、今度は熊本のターンです。
中盤で回収したボール、縦にコースがあるなら縦1本で速い展開を狙いますし、コースが無ければ島村、平川が下りてきてレイオフ。
プレスが緩ければCBが持ち上がって中盤での数的優位を作る。
清水が前からハメに来なかったこと、ある程度前進されても水際で止めれればそれでよしと割りきったのか、熊本が上記のやり方でペースを握り始めます。
特にポゼッションする上で有効だったのが、島村の左右のハーフレーンを使っての『+1』の動きでした。

島村の+1の動き

左サイドでは竹本→松岡のラインに新しいパスコースを作ったりドリブルで持ち込んでSB裏を使うパスを出す、右サイドでは大本の単独突破を援護するポジショニングやパスを出すことでサイドの活性化を促していました。

ここに平川が関わってくることで更にパスコースやコンビネーションのパターンが増えていきます。
また、平川はポケット攻略の動きも見せますので松岡や大本が突破出来なくてもサイドの深い場所を攻略出来るようになります。
実際、清水は最終ラインからの運ぶドリブル→平川、島村の動きからSB裏のスペースやポケット攻略の動きを水際でしか止めれず、何度も突破を許していました。

清水も何とか反攻に転じようとしていましたが、熊本の前からハメるハイプレスでボールを前に運ぶのも苦しい状態。

熊本のオールコートマンマーク!

しかも熊本はただのマンマークではなく、ポジションチェンジやオーバーラップしてきた相手も自分のゾーンに来たら掴むゾーン寄りのマンマークになっていました。
この中では特に危機察知能力の高い上村と黒木は対面のマークだけでなくマークしきれなかった相手のカバーまでこなすタスクの多さ…頭が下がります。。

清水はマンマーク+黒木、上村のカバーの前にチャンスを作れず、熊本もチャンスは作るものの決めきれず、お互い焦れたまま時間が過ぎハーフタイムに入ります。

◼️後半
後半は両チーム共に交代無しでスタート。
前半と同じような状態にすぐ持ち込まれた清水は53分に神谷に代えて中山を投入します。
意図としてはサイドで起点を作れていなかったのと、ドリブルで前進してくる大西を警戒しての交代と思われます。

それと同時にビルドアップに変化が。
それまでCBも広げず、リスク管理第一で動いていたように見える最終ラインを広げ、セントラルMFをサリーダさせてボール回しに関わらせるように。
これでGKとCBでボールが回るようになり、ビルドアップが少し滑らかになっていきました。
サリーダしたMFには平川がマークについてきていたので、完全にフリーで捌くことは出来ていませんでしたが、それでも十分。

そこから更に吉田↔岸本、オセフン↔北川の交代で勢いを増していきます。
ここから北川をセカンドトップに据えた4-2-3-1気味の布陣に。
同時に北川をアンカーの上村番にして、チアゴサンタナの回りを衛星のように動き回らせることで熊本の守備を撹乱させようとする狙いもあったのでしょう。

ここからSBのオーバーラップも活発になり、熊本が押し込まれる部分も目立つようになっていきました。

そこで熊本もドリブル突破を得意とする東山、前線からのプレスと前線の競り合いが得意な大崎を投入。
左足でのフィードを得意とする田辺も投入して、カウンターを仕掛けようとします。
しかし得点は清水から、しかも東山の対面の北爪から生まれてしまいます。
81分、北爪からのクロスをキレイにカルリーニョスJr.が頭で捉えるも田代が弾き、混戦の中で再度カルリーニョスJr.が先にさわって、遂にゴールが生まれてしまいました。

ここから熊本も粘り強く攻撃を続け、清水ゴール前に迫りましたが清水も竹内と西澤を投入、逃げきりを図りタイムアップ。
熊本は連勝とはいきませんでした。

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