1歳の誕生日の記憶
こたつの上に、山盛りのプレゼントが置いてある。
その山を見あげる。
右端の方に、カラフルなレゴブロックの箱があった。ワクワクした。
でも、気づいたときにはどこを探してもなかった。
保育園に行ってる5年間、ずっと探し続けたのに、どこにもなかった。
小学校に上がってから、母親に聞いてみた。レゴブロックがあったはずなのにないんだ、と。
母の談で、親せきだか誰だかが、男の子だと思ってレゴブロックをくれたけれど、あとで女の子だと分かって、どうしても違うものに替えたいと言って、レゴブロックは引き取られたと知った。
同じく母から、同じ頃、スカートをくれた親せきの目の前で、そのスカートをゴミ箱に投げ捨てた前科(?)を聞かされた。
そう。1歳になる頃からずっと、違和感しかなかったんだ。性別に。絶望感しかなかった。
だから、生きることに執着できないんだ。投げやり選手権で上位に入れそうなくらい。
何度も思い出しているから、もう記憶がいびつになっているかもしれないけれど。
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