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最初の一歩を踏み出した。やっと。

北川恵海さんの「ちょっと今から仕事辞めてくる」を読みました。
まあまだ社会人にもなってませんが、大学時代に、社会人ほどではないけどいろんな責任を負わなければならない立場を経験する機会があって、その重圧に押し潰されていました。
今考えてみればそんなに重く考えることでもなかったのかなって思うけど、そんなこと言われたってじゃあどうしたらいいんだよっていうのがやっぱり当時の本音だし、どうしたらよかったのか、今でも分からない。早めに逃げるべきだったと思う一方で、ガクチカというか、経験や成長が欲しかったのもまた本音。
もっと周りに相談して良いんだよ、頼って良いんだよ、分からなかったら分からないって言えばいいんだよ、楽しむことが一番だよ、合わなかったら、楽しめなかったら辞めてもいいんだよ、そういう潔い人間とも出会ったよって言ってあげたい。私に。
いろいろあったけど、これはこれで大きな学びです。社会人になっても忘れないようにしよう。
とにかく当時はそのことを考えるだけで動悸がするような状態で、
自分ってなんだろうな。働く意味ってなんだろうな。生きる理由ってなんだろうな、なんて重くて暗いことをぐるぐると考えていました。
就活をきっかけにその責任から解放されましたが、もちろん待っていたのは気持ち悪くて嫌悪感しかない就職活動。
自己分析をやってもなかなか素直になれず、(だって「大学時代の経験から学んだこと」に「合わないことは早めに辞める」なんて書けないじゃないですか)
二週間だけ真面目に勉強して、地元の市役所の筆記試験に合格するも面接で落ちる。
筆記試験に合格できたのは高校時代の受験勉強の残り香のおかげだったと思うし、思ってもないことをあたかも本心のように話さなければいけない面接は自分に嘘をついている感じがずっと気持ち悪くてきつかった。
8月9月はクソ暑い中でスーツを着るのが嫌で、秋採用が始まるのをひたすら待った。というより涼しくなるのを待った。(でも9月は「もしかしてもう秋??」という焦りはあった。けどやらなかった。ちなみに久しぶりに読書にハマってた。)
9月も後半になると流石に今年ももう3ヶ月しかないという現実が見えてきて、なんかもう一人じゃ無理だという気持ちになってメールボックスにあった新卒エージェントに連絡。
とりあえず話を聞いてもらうだけでいいやと思ってたけどいろいろ紹介してくれて興味が持てたところの選考に進んだ。
もうどうにでもなれという気持ちで面接を受け、バイトで培った接客スキルが活かせるし新しい知識も得られる会社だと思ったので内定後すぐ承諾した。これが10月中旬。
簡単に会社決めすぎって思われるかもしれませんが、公務員の選考に進んでる時と違って志望動機も面接も、自分に嘘をつくことなく自然体で答えられたのは事実なんです。

が、やっぱり一つ、どうしても抑えられない気持ちがある。
美術に関わりたいのです。
大学時代、いろいろ悩んでいた時に道標になってくれたのは小説の中の言葉だった。
いろんな小説に救われましたが、原田マハさんの「たゆたえども沈まず」を読んだときはいろんな意味で衝撃を受けました。
美術の楽しさ、美術史の奥深さ、人間の面白さに気付きました。
それから印象派にハマり、写実的なやつもいいなってなり、なんで自分がこんなに西洋美術に惹かれるのか言語化したくて美術関連の本を読み始めました。
楽しい.......面白い.........もっと勉強したい........
学芸員資格が取れる大学に行けばよかったなあというのが正直な気持ちですが、
高校時代は学芸員と言われてもどういう仕事なのかよく分からなかったし、とにかく世界を広げたい!いろいろ勉強したい!経験したい!みたいな感じで大学を探していました。
第一志望の大学には行けなかったけど、今ではこの大学に来て良かったな、この土地も結構好きだなという気持ちです。
「こんな大人になりたい」と思える、尊敬できる方々との出会いは本当に財産だなと思っています。
だから大学時代に悔いは無い。
けどやっぱり学芸員資格欲しいし美術関連の勉強したいしあわよくば美術館で働きたいなあというのが最近考えていることです。
最初に戻りますが、そんなことを考えている時に読んだ「ちょっと今から仕事辞めてくる」だったので、社会人じゃないけどしっかり響きました。

でも、そんな僕でもひとつだけ変えられるものがあります。それが、自分の人生なんです。
北川恵海「ちょっと今から仕事辞めてくる」

シンプルだけど、話の後半の大詰めのところで主人公が放ったセリフなのでめっちゃ刺さった。
上司に散々無能だの馬鹿だの言われて自分に自信がない心情描写は共感し過ぎて痛いくらいだった。
だからこそ“そんな僕でも”って立ち上がってくれて嬉しかった。

この時期に内定をもらった会社を蹴るわけにはいかないし、この会社で学びたいこともあるし、ていうかまだ始まってすらいないので、今から美術関連の仕事に向けて就活をやり直すことはしないけど、
けど、やっぱり学芸員資格は取りたいなということで社会人大学で学芸員資格が取れるところを調べて資料請求しました。はじめのいっぽ!
なんか嬉しいですね。
小さい頃から将来の夢なんかなくて、聞かれたら適当に保育士とか本屋さんとか言って、
いつの間にか将来の夢も聞かれなくなって、「何がやりたいの?」「どういう働き方がしたいの?」って聞かれても分からなくて、
“夢”とか“希望”とか“理想”という言葉が嫌いになってたけど、
22歳になってやっと、大学卒業を控えたこの時期に、人生の大きな目標というか、夢みたいなものが見つかりました。
とりあえず今は新社会人を頑張る、乗り切るというのが一つの目標だけど、
美術に関わりたいという気持ちは途絶えさせないように、地道にコツコツやっていきたい。やっていくぞ。
目標が定まると今までのこだわりもどうでもよくなりますね。美術に関われるんだったら地元じゃなくてもいいかも。(これは親と喧嘩しそう)
もう22歳だと思ってたけど、まだ22歳。
思い立った時が一番早い。22歳で一つ大きな目標を見つけられたのは運が良かったと思います。
もう周りの目も気にならない。
人間関係は物理的に離れれば嫌でも切れるものだと気付いた。
もちろん卒業後も会いたいし話したいこともあるけど、それはたぶん、人間関係というより「交流」なんだと思う。
卒業後にどういう道を選んでどう歩んでいくかっていうのは自分が決める。ていうか自分と自分を本気で心配してくれる人しか決めちゃいけない。
良い本に、良いタイミングで出会えたなあ。

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