見出し画像

音楽に初級も上級もない

よくWeb上では「万年初心者」とか「雑魚ボカロP」なんて言葉を目にします。

一方で「セミプロ」とか「上級者になるために」なんて言葉もよくあります。

個人的には、音楽をやっていくのに初級も中級も上級もないんじゃないかな〜と思ってます。そう思う理由は↓

自分の表現したいことができたらそれで十分じゃないか

例えば、ピアノはバイエルという練習曲集があり、どこまで弾けるようになったかでレベルを測る教材があります。

これは音楽教育としては成長度合いを測るのに必要な基準だなと思います。なのでゲームのような感覚で「どこまで進めたか」という結果だけを求めるなら、この範疇において◯級というレベルは確かに存在します。

ただ、音楽を通して自分の作品で表現活動をしたい、ということが目的だとしたら、自分のやりたいことが出来てたらそれで必要十分だと思うんです。

ルート弾きだけで客を湧かすパンクス

昔バンドやっていた時に、あるライブハウスで「パンクをやりたい、俺は生粋のパンクスだ」なんていうベーシストの人に会った事がありますが、彼はステージ上ではひたすら8分ルートをダウンピッキングで刻むだけしかやってない人でした。

そして楽屋で僕がイヤフォン端子付きの電池駆動マルチでクリック鳴らしながらベロベロ指動かすトレーニングフレーズやスラップの基礎トレをひたすらやっていたら、それを見て「器用だね〜、俺そんなの出来ないよ」と言ってきました。

「8分ルートをダウンピッキングで刻むだけ」しか出来ません、だと、演奏技術的にはまあ世間の印象としては「上手くない人、初級者」みたいな評価になるんだろうと思います。

でも、彼はステージを所狭しと動き回り、ジャンプしたり、とにかく楽しそうにプレイしていたし、観客も楽しそうでした。(動員も多かったし、バンドとしても良かった)

つまり彼はいわゆる「上級者」になる必要なんてないんです。本人はやりたい事が出来ていて、観客はそれに満足しているんだから、ここで中途半端にテクニックを身につけて、棒立ちで超絶テクをやる人になんてなる必要ないんです。

要するに、「自分の表現に必要な技術が身についていたらそれで十分」って事です。そこに他人と比べて序列をつける必要なんてないんです。

ちなみに「ルート弾きなんて簡単だろ」とか舐められがちですが、ワンステージ通じてルート弾きを一切ミスらずに、いい音で鳴らして、さらに客席まで意識してステージパフォーマンスする、ということを全部ちゃんと出来ていたら、レベルとしては相当高いです

誰かと比べてどうではなく、お前は何を目指したいのか

初級とか中級とか上級とか、何をもって区別されるんでしょうね。

僕は、ギターを弾いて約10年、ベースを弾いて約10年ちょっと、DAWを使って制作するようになって約3年経ちますが、いまだに自分が上級なのか初級なのか全く分かりません。

僕の曲を聴いた人から「全然ダメ」とか「このくらいなら作れる人たくさんいるよね」とか言われたこともありますし、逆に「レベル高すぎて言うことないです」「プロの方ですよね?」とも言われたことあります。

音楽だけで生計立てられてるわけではないので、そういう意味ではプロじゃないんでしょうけど、周りの意見を元にしてるともはや自分の立ち位置が全く分かりません。

ただ、自分が表現したいことに対して足りないことはたくさんあるなあと言うのは痛烈に感じていて、日々勉強だなとは思います。

まとめると、相対的な基準として「◯級」って話は音楽の表現活動においては無意味です。自分の表現したいこと、作りたい作品に対して足りているのかいないのか、と言う絶対的な基準ならあります。

そんな僕はこんな音楽作ってます。ここまで読んでくれた方は3分だけ聴いていってください↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?