先日出演させていただいたテレビ番組について。

先日、アーステレビ系列で放送された、
「過去があるから未来がある 人生探求番組 掘り興し!」をご覧いただいた皆様、誠にありがとうございました。
お陰様で多くの反響をいただき、一時はSNSにて僕の名前がトレンド入りしたというお話も耳にしました。これもひとえに、日々応援してくださるファンの皆様のおかげです。
 
しかし、今回こちらのブログを書かせていただいたのは決してこのようなポジティブな理由からではありません。むしろ、ネガティブな理由からです。
ですので、自らブログを更新しておきながら大変身勝手なお願いにはなるのですが、ここから先の部分を読むかどうかは皆様の自己判断にお任せします。もちろんお読みいただいた上でのご意見、ご感想は真摯に受け止める所存です。
ここから先は、俳優・ナルオカユウカンではなく、一個人である成岡優漢としてお話させていただきます。
 
 
 
まず初めに、「掘り興し!」(以下、そう呼ばせていただきます)をご覧になってない方や、ご存じない方に向けてこの番組について簡単にご説明させていただきます。
「掘り興し!」は、毎回一人の方をゲストを迎え、そのゲストの方のこれまでの人生にスポットライトを当てて掘り下げていく番組です。
具体的には、当時の周りの方々の証言をもとに再現ドラマを作ったり、ルーツとなった場所を巡ったり、場合によっては周りの方々を直接招いて話してもらったり、そのようにしてゲストの方の今に至るまでの軌跡を辿っていきます。
 
今回、「掘り興し!」の出演オファーをいただいた際、僕自身以前から拝見していた番組に呼んでもらえるということで、とても光栄に思いました。
自分の時はどんな再現ドラマが流れて、どんな人が話してくれるのだろう、とワクワクしていた半面、一つだけ懸念すべき点がありました。父の存在です。
「掘り興し!」を見ていただいた方や、それ以前からご存じだった方もいるかもしれませんが、ここで少しだけ両親について話させていただきたいと思います。
 
 
 
自分の母は昔から素行が悪かったらしく、地元でも札付きの悪だったそうです。
中学校に上がって不良グループに入ってからは学校にもほとんど行かなくなり、夜な夜なその不良グループの仲間とつるんでいました。。
毎日深夜になるまで帰らず、たまに学校に行ったかと思えばすぐに問題を起こして呼び出しを受けるという有様。母はどんどん(僕にとっては祖父母にあたる)両親と仲が悪くなったそうです。
 
中学を卒業すると母は不良グループ御用達の、近所でも有名な不良高校に進学しました。その高校で出会ったのが父でした。
当時高校三年生で暴走族に入っていた父は母に一目ぼれし、すぐに交際をスタート。秋を迎える頃には母の妊娠が発覚しました。その時身ごもったのが僕でした。
中絶も考えたそうですが、それでも産むことを決意した母は不良グループから抜けました。
そして父とお互い学生同士での結婚を決意。高校を休学して僕を出産したそうです。そして僕に、優しい漢になってほしいという思いを込めて「優漢(ユウカン)」と名付けました。
非常に難産だったそうですが無事出産すると、母は高校をやめて働こうとしました。しかし、高校は卒業すべきだという両親の助言や教師からの応援もあり、昼は働きながら夜は定時制高校に通うことになりました。
僕を身ごもったことをきっかけに両親としっかり向き合うことにした母は、それから時間をかけて両親との仲を修復していったそうです。自分が物心ついた頃には完全に修復しており、母が仕事から帰ってくるのを祖父母と待っていたのを今でも覚えています。
 
一方父はと言うと、母の妊娠が発覚した当初は、これからは真面目に生きるんだといい、高校を卒業して地元の工場に就職しましたが工場長ともめてすぐにクビに。それからは家庭を顧みることなく暴走族に戻り、仲間の家に入り浸っていたそうです。
そんな父に嫌気がさした母は、父との離婚を決意。父は、それで縁が切れるならと二つ返事で快諾したそうです。
それから父とは全く連絡を取らなくなりました。
 
 
 
祖父母がいてくれたおかげで父親がいない寂しさというのはあまり感じたことがありませんでしたが、僕を育てるために人一倍頑張っている母の姿を見て、いつか母に楽をさせてあげたいと幼いながらにいつも思っていました。
転機が訪れたのは高校生の時でした。友達と渋谷で遊んでいたところを今の事務所の人にスカウトされたのです。
始めは葛藤もありましたが、もしかしたら母に楽をさせてあげられるかもしれないと思い、この世界に飛び込むことを決意しました。母や祖父母が、やりたいことがあるならやるべきだ、と背中を押してくれたのも大きかったと思います。
そして、今までの「成岡優漢」ではなく、新たな「ナルオカユウカン」として挑むことにしました。
 
ありがたいことに事務所に入ってすぐの頃から役者としてのお仕事をさせていただき、二年目に入ってすぐに映画の仕事をいただきました。
その作品こそ、雨相月士さん原作の「リンゴノマチ」です。僕自身とても思い出深い作品の一つなので、是非見ていただけたらと思います。
この作品をきっかけにさらにたくさんのお仕事をいただけるようになりましたが、その裏で一つ問題が発生しました。メディアへの出演が増えてきた僕を見て、父が接触を図ってきたのです。
結局、事務所の方々が間に入ってくれたおかげで大ごとにはならずに済みましたが、それまで全く意識していなった父の存在を意識せざるを得なくなりました。
 
後で聞いた話によると、母と離婚してからの父はさらに荒れていき、脅迫や暴行などで警察のお世話になったことも何度かあったそうです。そのたびに父は困窮したそうですが、母は離婚する際に周り(特に僕の祖父)からの助言をうけてしっかりと弁護士を立てたので父が尋ねてくるようなことはなかったそうです。しかしいよいよ後がなくなった父は、ついに僕に接触を図ろうとしました。
それが数年前に起きたことの全貌です。
 
 
 
そして、今回の「掘り興し!」についての話に戻ります。
僕のルーツをたどるという番組なので父に関する話も多少は出てきましたが、事務所から話がいっていたこともあったのか深く掘り下げられるようなことはありませんでした。
しかし、番組ももう終盤というところで事件は起きました。
ちなみにここから先は放送されていない内容になります。僕自身、この話をする必要性はないようにも思えましたが、皆さんに真実を知ってもらいたいと思い、公表することにしました。
 
番組ももう終盤、そのタイミングで、ここでシークレットゲストの登場です、という僕が渡された台本にはなかったカンペをスタッフが出したのです。
嫌な予感がしました。ふと収録を見ていたマネージャーの方を見てみると怪訝そうな顔をしていました。
そして登場したのは、おそらく僕の父でした。というのも、僕は父の顔を全く知らないため、出てきた男性が父だと一瞬分からなかったのですが、その男性の顔を見てすぐに、この男性が僕の父親なんだ、と確信しました。
 
止めに入ろうとするマネージャーを僕は目で制止し、そのまま収録を続けました。
父だという男性は、これまでの非礼を浴び、これから関係を修復していきたいと言ってきました。僕は俳優の「ナルオカユウカン」として、久しぶりに再会した父と関係を修復しようとする青年を演じ、「はい。」と笑顔で答えました。
なので父だという男性とは収録後は一切話しませんでしたし、事務所の方とも話して、また改めて弁護士を立ててもらうことにしました。
 
収録終了後、番組制作サイドと事務所による話し合いの場が設けられました。
放送内容に関してというより、今後のうちの事務所とアーステレビさんとの関わり方についてです。ですので詳しい内容についてはここでは控えさせていただきます。
 
僕自身、「掘り興し!」という番組が好きだっただけに、今回の件は非常に残念でなりません。
そもそも「掘り興し!」という番組は、ゲストと関わりのある人に話を聞いたりして軌跡を辿っていくというのが番組コンセプトのはずです。
 
もちろん、父がいなければ僕がこの世に生を受けることはありませんでした。
しかし生まれた後に関しては、父は何ら関係がありません。父は僕の人生にとって、いてもいなくても関係のない、路上の石のような存在なのです。いやむしろ、通行の妨げになる石かもしれません。
妨げになるという意味ではもしかしたら僕の人生に影響があるのかもしれませんが、それは番組冒頭での触れ具合で済む話です。
この点についてはまだ僕自身、収めどころが見つかっていません。
 
 
 
長くなってしまいましたが、収録からはそれなりに時間が経っているのですが、先日の放送を見て改めていろいろと思うことがあったので今回こちらのブログを書かせていただきました。
勢いのまま書いてしまっている部分もあるので読みにくいところなどあるかもしれません。
またこのブログを受けて、様々なご意見、ご感想もあると思います。そちらについては真摯に受け止めようと思います。
 
最後になりますが、僕は俳優という仕事が好きです。その気持ちだけは昔も今も決して変わりません。
死ぬその時まで俳優として生きていたいと思っておりますので、これからも「ナルオカユウカン」をよろしくお願いします。
 
ナルオカ ユウカン




※この作品はフィクションであり、実在する人物、団体とは一切関係ありません。

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