御話のお話 其の弐


プロローグ


 どうもー、こちら前回に引き続いての過酷な文章でございます。
 何をするかと言えば至って単純、「今までの御話を振り返る」です!
 あのね、もう一回説明するのも面倒だし、まあ大して気の利いたことも思いつかなかったから、一回こっちを読んでみてください。


はい、読んでくれましたね。そしたらもう、とっとと本題に入っちゃいましょう。
 いっけー!

「黒松という男」 2022年2月15日


 大熊が妄想する架空芸人の真骨頂・黒松シリーズの記念すべき一作目!
 多分これもネタ合わせの時の勢いでなんとなく作り上げたキャラだったんですよね。
 関東出身だけど大学で関西に行き、似非関西弁を使うようになった芸人、みたいなふわっとした設定でふざけてて、それで、もう書いちゃえ!、って。
 三人ともフィクションにしようかとも思ったんですが、うちの南コントテラーが北コントテラーというそっくりさんを演じてもらうことで、なんか親近感を持ってもらえればなと思い、この文章を認めました。
 そしてハンマーに誰を演じてもらおうかと思って考え付いたのが、キャラピン芸人・ビギンマンです。
 これは、なかなかのアイデアでしたね。しかもビギンマンに関してはネタのあらましまで考えて、やってもらって、ビギンマンがまるで目の前にいるかのようでした……なんて、クリエーターらしいことを言ってみたり。
 今ある賞レースを勝手に言い換えてみるのも楽しいもんで、本当はかどりますね。


「神様の試験」 2022年4月15日


 元ネタは養成所時代に組んでいたトリオ(今とは全く別です)で三分ネタをやることになってこのコントを書いたんですよね。
 はじめはコントだったんでもう少しお笑い要素を入れ、短めにしましたが、まああっさり解散しましたし、それならこれもコントにしてしまえ、ということで書きました。
 自分は映画とか海外ドラマが好きな方なのですが(好きですと断言すると色々言われそうなのでぼやかします)、中でも学生時代から特に好きだったのが「スーパーナチュラル」という海外ドラマでした。
 イケメン兄弟が幽霊やら天使やら悪魔やらと戦うお話なんですが、そこでエノク語という言葉が出てきて、これやりたい!、って思ったんですよね。
 それだけで書いたコントなのでコントとしてはどうにもな出来でしたが、割と好きな設定なのでこういう風に着地できてよかったです。


「大熊は生きづらい。」 2022年6月15日


 これは今のトリオになる前、まだハンマーとコンビだったころの最後の方に書いていたネタがモチーフですね。
 基本的にその頃は大熊が主張を書いて、そこにハンマーがボケを入れてくれる、という形でやっていたのでこの文章自体にボケはありません。
 ありませんが、大熊の思う面白いはある意味表現されていると思うので、読んでいて抱けたら幸いです。
 とりあえず何が言いたいかと言えば、今更左利きくらいで盛り上がるなよ?


「一番好きな食べ物はなんですか?」 2022年9月15日


 これは前回の「大熊は生きづらい。」と違って、大熊が主張した割にネタとして成立しなくて没にしたやつですね。
 一応毎週日曜日に更新している臀物語という方では割と初期のころに触れたことがあったテーマです。
 まあ芸人やりたいなんて人間ですからね、残念ながら天才じゃありませんが、これくらい曲がって世の中を見てたりはするみたいです。
 これはネタにもならなかったし、臀物語で少し触れた程度だったので、供養もかねて上げたんだと思います。
 皆さんが読んでくださることで成仏すると思いますので、是非是非。


「語り部の人生 酒渡塔一郎編」 2022年11月15日


 これといって特出した才能はないけれども、昔から一風変わった人と出会う機会が多い主人公が、これまで出会った変わった人について語るのはどうだろうと思い、「語り部の人生」というシリーズを考え付きました。
 他にも何人か変わってる人の設定??を考えたんですが、まだこの一本しか卸すには至ってません。
 意外と難しいんですよね。最低限存在する変な人じゃないといけなくて、科学的に変な能力とかを出すわけにはいかないんですよ。
 でもある程度は変じゃないと、なかなか語れないし、ここの線引きが難しいです。
 これを読んでくださる方の中には自分は面白みのない人間だと思う方がいるかもしれませんが、周りから見たら意外と面白いところがあるもので、自分では気づけないものなんです。
 きっと、この主人公だって、自分は語り部だと卑下しますが、面白みがあるんですよね。


「一派、爆誕」 2022年12月15日


 皆様待望の黒松最新作です。待望といっても、相方二人しか喜んでくれませんが。
 今回は芸人あるあるの一つ、軍団に焦点を当て、黒松軍団、いや黒松一派を作るという会にしました。
 正直、超最高です。これはいいもんができましたよ。
 思慮の浅い芸人が徒党を組み、自分たちなら何でもできるとSNSを始めようとする。最高な、クソな流れです。
 やっぱりね、考えないと。いやもちろん見切りでもなんでも発車させることは大事ですけど、そればかりじゃどうにもなりません。
 でも自分も売れない芸人、なんとかして世に知られたいという気持ちはとても分かります。はあ……


「現代病」 2023年3月15日


 元々は普通のコント用に考えた設定でした。
 それこそレンタルビデオ屋さんのアルバイトの面接に行ったら、サブスク中毒の人が犬になってた、みたいな。
 それで一応考えてたんですけど、僕たちはトリオなのにもっぱら漫才しかやらないので全然練る機会もなくて、最終的にもう御話にして「揃いも揃って真面目そう」でやっちゃえ!、ってことでこんな風に落ち着きました。
 個人的にとても好きで秀逸な設定だ、と勝手に思っているので、どうにかしてそれなりに魅せられる尺のコントにしたいですよね。
 ちなみに撮影中、「サブスクの犬」という言葉を「パブロフの犬」みたいにいうところでツボってしまい、何回も撮り直しをしました。
 今となってはそれもいい思い出です。


「存在の定義」 2023年6月15日


 危なく盗作疑惑が上がるところだったこちらの御話。初めに断りを入れてますのでそちらも込みで読んでみてください。
 でも改めて思ったのが、これって決して明るい話じゃないというか、ちょっと気持ち悪い話じゃないですか。こういうのって根本に好きの気持ちがあるから書くと思うんですけど、そういう意味で僕とニシカワくんは似てるのかもしれません。
 ニシカワくんのあのネタを見て、ええ、と引く人もいるかもしれないのに、僕は、面白いなあ、と思って心のどこかで眠ってたわけで、そう考えると仲良くなるのも自然です。
 類は友を呼ぶ、僕の周りには僕みたいな人間が集まるのか、悲しい。
 僕は僕が好きですが、僕は僕みたいなやつは意味わかんないんで苦手です。


「謝罪の定義」 2023年7月15日


 昔から疑問なんですよね、なんで謝罪するのか。
 とんでもない重罪を犯したところで、謝るべきは被害者やその親族であって、世間ではないんですよ。
 世間の皆様をお騒がせして、って、勝手に騒いだのは世間の方ですからね。
 まあこうやって今から言っておくことで、将来売れて何か危機に直面した際の免罪符にしたいです。
 まあそれは半分冗談ってことにしておいて、でもみんなも芸能人に謝罪を求めるときに一旦考えてみよう。
 子供のころに言われませんでした?なんで謝ってるかわかる?、って。
 それをしっかり考えたうえで理由がわからないような相手には、謝罪せんでよろしい!


「まぶし」 2023年8月15日


 完全なまぶし回です。箸休めとかそんなレベルではなく、完全まぶしです。
 今回に関してはこれ以上何も言えませんので、読んでそっと閉じてください。


「売り込むこと水の如し」 2023年9月15日


 これまで何度も、そしておそらくこれからも何度も出てくるであろう、コントの小説化ですね。
 まあこれも冒頭に色々書いてるのでそれを読んでもらえれば全部わかると思います。 
 訪問販売とか押し売り電話とか玄関での勧誘って、怪しいだけで絶対契約しないだろ、って思うんですけど、多分100件1000件とやると「はい」、って言っちゃう人がいるんでしょうね。
 以前僕もクロだとは言いませんが、ライティングのバイトで似たような目にあい、ええ?、って思ったんですが、まあ何件やろうと一人でも捕まればこっちのもんですもんね。
 中には間違った判断をしてしまう人がいて、それで食べていける人がいるんだなあ。
 いついかなる時でも、僕は大丈夫、ではなく、次は自分かも、の危機管理能力を持っていきたいと思います。


「人間口コミ」 2023年10月15日


 入り口はいつも通り気持ち悪く、でも出口は珍しくハッピーにしてみました。  
 もちろんこれも劇チックにできるかなと思って書き始めたんですが、意外と三人目を出すのが難しくて、無理して出しました。
 ここに書いてあるほどのことはさすがにフィクションですが、それでも今や名前を調べれば簡単にヒットしてしまうこの時代。
 ネットリテラシーなるものを本当に気を付けないと、一発退場にもなりかねませんよ。はあ、怖い怖い。
 自分は気を付けてても周りが明かしちゃうこともありますからね、こればかりは一人一人がしっかりとした意識をもって生きていかないとです。
 そして、真偽を見極める力も。
この御話に出てくるサイトの場合は真偽までしっかり見極められてますが、実際は色んな事実がさまよい、独り歩きしてます。
鵜呑みにするバカには、なりたくないねえ。


「黒松寄席」 2023年11月15日

 今ある黒松シリーズの最新作です。ちなみにこれ以降の続きはまだ考えてません。
 今回は大熊の欲望を解放すべく、オリジナル芸人をたくさん登場(名前だけですが)させちゃいました!
 こうやってバンバン生んでるときは何も考えないでいいんで楽しいんですが、いざ動かそう、命を吹き込もうとすると大変なもので、みんな言うこと聞いてくれないんですよ。
 でもこういうのも続けてくうちにキャラクターが自分から話すようになる、なんて話も聞きますからね。
 ちなみに臀物語の方は、結構やって来たからか、するする進むときがあります。
 これは本当、嬉しいもんです。



「親切講座」 2023年12月15日

URL

 これも昔書いた「小さな親切、大きなお世話」っていう漫才がベースですね。
 改めてネタにならないかなって二人に投げたんですけどなかなか難しくて、結局僕が好きな形で調理しちゃいました。
 まあ今回はそれでもコントを意識してお笑い要素はいつもより多めに書いたんですけど、全然お笑いではないですね。
 ちなみに僕が一番好きなのは唐揚げのくだりです。小さな親切が大きなお世話、を通り越して、普通の迷惑になってる感じがいいですよね。
 こういうのも結局大喜利なんで、もしもう少し自分の腕が上がってここに挑みなおそうと思えたその暁には、いい形に持っていければと思います。



エピローグ


 はい、というわけでこれにて先月から始まった長い長い戦いもついに終わりです。
 いやあ、意外や意外、激戦でしたね。
 過去の自分の書いた御話を読んで、感想を言って、バックボーンを言い出して、やっぱり自分って面白いな、と好きになる反面、本当に毎月書いてたんでもう少し短い頻度でやらないと爆発するな、って思いました。
 ということで、この企画が続いてる限りは、年内最後の御話はその年の総括でお茶を濁したいと思います。
 今更にはなってしまいますが、今後ともよろしくお願いいたします。

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