【シリーズ読書感想】マキゾエホリック
今回は、こちら。
御伽学園一年乙組のメンバーは多種多様。
みんなの幼馴染、ラノベ主人公みたいな女難、巫女に、サイケリック少女に魔法少女、ドジっ娘メイド、殺し屋、吸血鬼、勇者はもちろん、改造人間もロボットパイロットも、天使も悪魔も、変人天才博士も、人を食った猫も、モリアーティみたいな黒幕も……とにかくフィクションに出てきそうな31人が勢揃い。
で、どんな物語が始まるかといえば。
ミステリ。
ミステリなんです。
女子が主人公なんですけど、文体はコテコテの「〜だ・〜である調」。
けれど、それが重しになってるんですよね。
設定からしてぶっ飛んでるじゃないですか。
物語に出てきそうないろんな属性の持ち主を一つのクラスに集めましたっていう。
一つにまとまりそうにない、ともすればバラバラにぶっ飛んでいきそうな設定を語り口一つで読ませている。
ミステリ調だけど、『BACCANO!!』の一人称視点学園コメディ版みたいな感じというか。
一巻を読んだ限りでは、「これは面白いぞ」と。
とはいえ、打ち切りも仕方ないのかなぁというくらい、ちょっとずつ失速していくんですよね。
「次はどんな話だ!?」というワクワクが裏切られはしないけど、想像を超えてこない感じが。
しかし、ここからだと思うんですよ。
本格的に面白くなるのは。
悪魔と天使のクラスメイトの存在が示唆されて、この二人がホンモノなら神とかがいるわけで。
そうなると勇者や魔法少女が敵対勢力とドンパチ……レベルじゃない何かが起こるわけですよね。
「そして、わたし達はもう一度、創造された」みたいな展開もあり得るわけで。
「人為的にクラスメイトが集められたのでは?」という全体の謎が示されているのに打ち切りになってしまうんですね。
昨今のラノベは、もはやこの手の「シリーズ全体に関わる謎」がなくなってしまって、そもそもストーリー展開が見えないから打ち切りというパターンが多いと思っているのですが。
あっても打ち切りですか……と。
とはいえ、結構批判コメントが多いんですよね。
「マジど地雷」という感想も散見されます。
まぁ、甲田学人さんの『ノロワレ』とかも似たような感じで打ち切りですしね。
コアっコアな、固定ファンがつきそうなライトノベルを出版し続ける体力が出版社からなくなってしまった、というのが実際なんでしょうね。
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