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ターゲット設定は社会から見た属性ではなく、人のニーズから決める

「文章を書くとき、ターゲット設定をしていますか?」とご質問を受けました。

よく文章の教室や本では「誰か一人、具体的な人の顔を思い浮かべて書きましょう」と言われたり「特定のターゲット層に刺さるように文章を書くとバズる!」などと言われています。

私はこのnoteを書くとき、ターゲット設定はしていません。

私がこのnoteを書いているのは「読みに来てくださった方の心をほぐすような場所にする」という目的のためなので、特定の誰かに向けてというよりは、どんな人の心にも普遍的に響くように書いています。

ですが文章教室の集客文章などを書くときは「人を集める」という目的があるので、どんな人に来てほしいかを考えながら書いています。
以前コピーライターの先生に習ったのが属性ではなくニーズからターゲットを考えるという書き方でした。

例えば今の広告業界では「女性が真冬の風呂上がりに飲むビール」といったターゲット設定はダメだそうです。
まず「女性」とした時点でターゲットが人口の半分になり「冬」で売る機会が4分の1に、さらに「風呂上り」という1日の中でも限定された時間帯になってしまい、売上が見込めないから、とのこと。

私は以前「産後のお母さんのための料理教室」に、一人で突撃したことがあります。赤ちゃんや小さい子連れのお母さんたちに囲まれて、20代・独身・未経産婦の私は当然浮いていました。

この教室では15分ほどで体に優しい和食をパパッと作るやり方を教えてくれるのが売りでした。このとき習ったレシピは今でも重宝しているのですが、先生はあまり私には話しかけず、他のお母さん参加者と積極的におしゃべりをしているような場だったので、次第に足が遠のいてしまいました。

もし「産後のお母さんにしかきて欲しくない」という明確なターゲットがあるのならば、そのターゲット層に向けて書けばいいと思います。
しかしあの料理教室で教えていた料理は、きっと健康志向で美味しいものが好きな全ての人に喜ばれただろうなあとも思うのです。

私が文章教室の集客文章を書くときは「文章が苦手な10代の男性」とかではなく「読み手の心に届く文章を書けるようになりたい人」全てに向けて書くようにしています。
その人の社会的な属性に向けてではなく、こういう願い(ニーズ)がある人に、と書くことで年齢層や職業はバラバラだけど、同じ願いを持った人たちが集まってきてくれます。

バラバラな人たちが集まる場より、同じような属性の人たちが集まった方が楽じゃない?と言われたこともありますが、私としては同じ属性の人たちが集まるよりも、幅広い人たちが集まった方が豊かな場になって好きです。

少し飛躍してしまいましたが「文章を書くときにターゲット設定をするか?」という問いについては「その文章の目的による」、そしてターゲット設定をするときは「属性ではなくニーズから」というのが私のアンサーになります。

誰の心にも届く文章を書きたい、ということでしたら私の過去記事に一通り書いてありますので、ぜひご覧くださいませ。


文章と料理をテーマにしている過去記事が多くて、我ながら笑ってしまいました。。どうやら私は食べることが相当好きみたいです。