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「愛がなくても喰ってゆけます。」よしながふみ

昨今の若者は、というと年寄りくさい。
若者はというと年寄りくさいが、最近の風潮はというと評論家っぽくてかっこいい。

最近言われることだと下記のような感じかな?

・最近は正社員になるのも大変、だからフリーターやニートが多い
・最近の若い人は車などの高級品を購入することに対する欲求が少ない
・最近の人たちは恋愛離れしている為、恋人がいない人が多く、ましてや結婚も難しい。
・出世に興味が無い人が増えていて、生活重視で仕事にそこまで没頭しない

などなど。
なるほどなぁと感じることもあるし、本当か?と思うところもある。
とにかく世の中は変わってきているんだなと。

そんな人の考え方や世の中が変わろうとも、変わらないことがある。
それは”愛”だ!!などと言うつもりはない。
それは”食”だ!!

愛がなくても生きていけるが、食がなければ生きていけない。
愛がなかったら精神的に生きていけないかもしれないが、食がないと絶対に生きていけない。
だからみんな飯は食う、だから食い物の話をすると共感できる。
そして盛り上がる。
犬・猫が人語をしゃべることが出来たとして、きっと食の話なら盛り上がれる気がする。

そうこんな価値観が複雑化している世の中だからか、共通の話題である”食”をテーマにした作品が増えた気がする。
昔は料理がテーマだったが、最近は食べることのみもテーマになる、そんな時代なんだ。

本作の作者はよしながふみ、よしながふみといえば「きのう何食べた?」が最近ではお気に入り、その前までは「大奥」が面白くて読んでいた。
あれはもう完結したのか?
「きのう何食べた?」を読むとわかるが、この作者は”食”に対しての欲求がすごい。
特にうまいものが食べたいという気持ちが強い。
本作は、その作者が飯が美味い店を紹介する漫画だ。
作者の食への欲求、なにか自分と同じものを感じた自分としては、読まずにはいられなかった。

主人公の”YながFみ”はアシスタントの男性とルームシェアしている。
特に恋愛感情はない。
彼や仕事仲間、学生時代の先輩や恋仲の男性など、との日常がつづられるのだが、必ず話の中心には実在のお店が登場する。
この店がどれも美味そうで、地図や電話番号まで載っていて食いに行きたくなるのだ。
ただ、そこはよしながふみ、食に押されつつもきちんと人間ドラマが描かれている。
こういう情報ものは一回読んでしまえば、あとは店の情報だけを拾い読めばいいものだが、ドラマがしっかりしているので読み直してしまうのだ。

”食”の話はやはり盛り上がるな!!

ちなみに作中に出てきた、中野のイタリアンと池袋の点心の店には行きました。
美味しゅうございました。
他の店も全部行きたいよぉ!!

昔、池波正太郎の美味しい店を紹介する本を読んだ。
その本片手に掲載されているレストランに向かったのだが、その時にはもう潰れていた。。
飲食店の入れ替わりの激しさをなめていた。
今回は同じ轍を踏まないように、全部の店を制覇せねばならぬ。

誰か一緒に行こうよぉ。

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