今年一年の折り返し
夏至の前後だったろうか・・・
「仕事でボストンに行く」とある知人が話していた。

その時は、ただ
「いいなあ。ボストンかあ・・・」
「ボストンならボストン美術館があるもんなあ」

と、ノンキかつ
ただただ、うらやましい気持ちで
聴いていたのだが・・・

しかし、それからずっと
私のココロの奥の方から、
かすかに聞こえる
ボストン美術館に行きたい！
行きたい！ボストン美術館！！

WHY NOT?

行きたいなら
行けばいいじゃん・・・

とはいっても・・・
世の中、円安は真っただ中だし・・
帯状疱疹に、
コロナ陽性！？を経て
体力が落ちてる
８８歳の父も心配だし

昨今になく低収入の私が今、
貯金つかってしまっていいの？

そんな
いわゆるまともな、
大人の声が
かき消してくる。

そりゃ、そうだ。
そうだよね・・・・

ひとり暮らしの娘にだって
わずかだけど生活費
送らなくちゃいけないしね。

そりゃ、そうだ。
そうだよね・・・・
とオトナの声に耳を傾けつつ・・・

たまたま開いた方眼ノートの
ページタイトルは
「２０２３年にやりたいこと」
その最初のマスに
一番行きたい海外
ボストン・ニューヨーク
と書いてあるではないか！

わたしは驚いた。
あるある話だが
年初に書いたことなんて
正直すっかり、忘れていたのである。

しかし、しかし、しかし
バリでも、パリでも、ロンドンでもない
バルセロナでも、シンガポールでも
ハワイでもない。

なんと
私が行きたい海外の都市
一番最初に書いてあったのは
ボストン、ニューヨーク！！！！

ここで、
心拍数はピコーンとあがった。

そうだよ。
そうだよ。
そうだよ、私、行きたかったんじゃん。

せめてさ、
行くか行かないかはともかく・・・
せめて
航空券を調べてみたっていいよね？
と、さっそく
JALのボストンまでの直行便、
ニューヨークまでの直行便
両方しらべて、一瞬で撃沈。

この時の自分は
いくらくらいを想定していたのだろう？
思い出せないけれど、リアルの数字をみて、
再び、私の中の何かが、ピタリと止まる。

そうだよね。
そりゃ、高いよね。
そうだよ。
燃料だって、高いんだもん。
そうだよね・・・

でも・・・でも・・・・でも・・・
友人に誘われて
地元長野美術館で開催されていた
北斎展を訪れたとき、
メイン展示の
岩松院の八方睨みの鳳凰図を
説明する資料映像の中で、
北斎の鳳凰図屏風が
ボストン美術館にあることを知った。
これはもう、
呼ばれてる！！
私はもう
いてもたってもいられなくなった・・・

自分の中の予算と期間をきめて
それ以上ならあきらめる、
と行く前提で、探しはじめると
乗り継ぎが多少不安だが
デルタ航空の良心的価格を発見！

「いつか　いきたい」を

「今年、行く」に決めた瞬間だった。

まだ　家族のだれにも話していなかったが
良いではないか！
私、一人で行くのだ。


すっと、みぞおちに落ちていった。