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追憶 (映画 1973)

なんとも複雑な映画だ。
学生時代に憎からず思っていた相手との再会から始まるラブロマンスかと思いきや...。

メインキャスト2人の立ち位置や思想を強調するために、政治的主張や赤狩りの話題をスパイス的に使っているのだろう。が、そのような歴史的背景を熟知していなくても、何とか見てはいられる。

ロバート・レッドフォードがあんなに美しい青年だったとは!というのが一番の感想。
当時既に三十路後半のようだが、白い制服姿が何ともまぶしい。あの歳で学生スポーツのヒーローってのは無理があるが、それっぽい雰囲気は出ていた。
だから尚更、この作品で演じたハベルというキャラクターの外道ぶりは最悪。「素敵なルックスに中途半端な優しさ」は、女の敵であると改めて認識させられた。

主役ケイティの真面目で融通の効かないエキセントリックな性格。バーバラ・ストライサンドはとてもうまく演じていた。
友達付き合いも遠慮したいくらい強烈なケイティに、ハベルは良く付いて行ったと思う。そういう頑張りを考えると、ハベルの浮気も仕方ないのかな。

良い人なんだけど、今ひとつワキが甘く頼りないハベルにとって、信じたものに突き進むケイティは正反対だからこそ魅力的に映ったのだろう。
しかし、共に過ごす日々には生活があり、安らぎや妥協などある程度の緩さも必要になる。緊張と緩和のバランスは、物事を継続するために不可欠なのだ。

なんて事を思う一作だった。

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