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「黒鉄の魚影」とオタク男性高齢化社会

ゴールデンウイークはオンコールやらで遠くには出ませんでした。
というか、出かけないことに慣れすぎてしまいました。
でも映画くらいは見たいなと思い、近所の映画館に行きました。

映画 名探偵コナン「黒鉄の魚影」です。やっとです。やっと見れました!

3回目ですけど。

僕が初めてコナンを見たのは高校生の時でしょうか。
しばらく見ていましたが、大学受験で見なくなってから離れていきました。
ですがここ数年、「純黒の悪夢」からでしょうか。ブームが再燃し、毎年見るようになりました。
近年は何でか分かりませんが、オタクスイッチが再活性化し、コンスタントに3回見ています。
カナダで行われた研究によれば、結核菌の喀痰からの検出率は回数ごとに増えていき、3回目と4回目はそんなに変わらないそうです1)。だから3回は見なければなりません。3連鑑。
何度も見ることで映画の解像度を上げ、しっかり味わうのが僕の作法です。

●1回目の感想
あれ、僕は有給をとって幻を見ていたのかな?おかしいな。
気がつくとツイッターのアイコンがシュノーケル仕様になっていました。

●2回目
終盤の尊さに意識を消失しました。
「どうして、、あなたはいつも、、そんな顔ができるの?
 ・・わたしたち、k」
♰昇天♰

3回目でやっと映画が見れた気がします。というより、言語化できるまともな記憶がそれまでありませんでした。

今回の映画は、灰原哀が主役と言っても良いでしょう。シェリーとして生きていた彼女が組織を抜け出し、子供の姿になって身を隠していました。
「いつ死んでもいい」といった悲観的な彼女が、色々な人たちに触れていくうちに、少しずつ変わっていったのが分かる作品でした。

彼女はコナンの仕事を支える相棒ですよね。いやー、あらゆるシーンで、コナンと灰原の息はぴったりでしたよね。夫婦?夫婦かな?
「あなたはいったい何者なの?」「江戸川コナン・・・」「探偵よ!(ニコッ)」
・・・・No Kicking!(TOHOシネマズ)

あーもうやっぱダメ。後半から終盤にかけてもうなんていうかダメ。俺が。
今までは恋愛は匂わせレベルでしたが、ここまで恋愛モードにぶっこんだのは今回が初めてなんじゃないでしょうか。生きてて良かったです。生きてて良かったです!
青山GOSHOは灰原ENDを考えるべきなのではないかと思います。何なら僕が閣議決定したいくらいです。もう、幼馴染と結ばれるだけの世界観は昭和だけでいいんだよと思います。
コナン×灰原哀(通称コ哀)原理主義者にとってはまさに人間讃歌としか言い様がない映画でした。人間讃歌は勇気の讃歌!

そうやって結局語彙を無くして、「終盤にかけ意識を失った」以外の感想が見当たらないあたり、40代になり脳みそが退化してきたことがよくわかります。


今回の映画の感想を考えているうちに、思い悩むことが増えました。

いつまでこうやって萌え豚は映画を見ていられるのでしょうか?

コ哀と書いているものの、コナンに対して全く記述しない僕はそう、
灰原哀の大ファンです。もうね、好き。ほんと好き。
こういう影のある女、負けヒロイン大好きなの。そんな思いを10代から隠し持って生きてきました。

灰原哀はいくら設定が18歳とは言え、子供の姿です。思春期だった僕はロリコンって言われるのが嫌で、気持ちを表出することはありませんでした。
そして月日は流れていきました。
その一方で、アニメのキャラは年をとりません。だから、自分の年齢が上がるにつれ、登場キャラクターと年齢が離れていき、この問題は深刻になっていきました。

40代の中年おじさんが一人コナンは今でも気持ちよくアウトです。
このままコナンが続き、完結せず時は流れていくと
今度は僕の加齢による健康問題が深刻になっていきます。
特に、オタク男性は健康オタクにでもならない限り、健康には無関心です。生きていても面白いことなんて漫画とアニメとゲームしかないんで、あとは適当でいいんです。

しかし、医療が進化をするにつれ、オタクも長生きできるようになってきました。そうすると、60代には前立腺肥大を抱えて、頻尿と戦っているかもしれません。映画を途中退場したくないので、尿道バルーンを入れて映画鑑賞をしなければいけません。

コナンだけではなく、おじさんのすべてのオタ活動に年齢が付きまといます。未来が見えない。オタクおじさんには未来が見えない。
いつかは足腰が悪くなり、映画館も行けなくなります。動けなくなり、家でアニメをずっと見ているうちに、褥瘡ができたり横紋筋融解を起こして入院するかもしれません。
病棟では、看護師さんに荷物から哀ちゃんのグッズとか見つかって、きんもー☆とか思われるじゃん。
看護のプロブレムリストに #萌え豚  とか書かれるかもしれないし。いやそれはないですけど。
患者さんの趣味に耳を傾け、尊重して寄り添っていく みたいな看護記録書かれてたらどうしよう・・・
生きるのハード過ぎるでしょ。

萌え豚が、オタクの終活を考えつつ、2023年G/Wはしんみりと終わるのでした。今日はガンダム見よう。

1) Al Zahrani K, Al Jahdali H, Poirier L, René P, Menzies D. Yield of smear, culture and amplification tests from repeated sputum induction for the diagnosis of pulmonary tuberculosis. Int J Tuberc Lung Dis. 2001 Sep;5(9):855-60. PMID: 11573898.

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