孤独につける薬(金沢遠征記)
保険適用の低用量ピルを処方してもらって、自分よりも明らかに若い患者を尻目に、清潔なクリニックを後にする。入口には一年ほど前から「新型コロナウイルス感染症対策のため、同伴の方の同席はご遠慮ください」の貼り紙がされていて、ここが未来ある女性のための医療機関であることをまざまざと思い知らされる。薬さえあれば日常生活に差し支えない程度の症状とはいえ、男性社会で壮年期を生き抜くうえでこの病気は重い足枷となる。降りられるものならこの戦いを降りたい。閉経なんて、案外あっという間かもしれな