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第17節 FC東京vs横浜F・マリノス 2019.06.29(完全マリノス視点)

スタメンはこちら。

◼️横浜F・マリノスの攻撃

FC東京の守備は良くできていて、ビルドアップでマリノスの最終ラインが3人になり両端のどちらか(例えば和田)にボールが入ると、東京SHが1列上がりその裏のスペースが空くが、周りのカバーリングが巧く機能しており、簡単には使わせてもらえない。CBを釣り出しても、守備ブロックが横にコンパクトな為カバーリングが効き、ハーフスペースも簡単には空かない。またこの横にコンパクトな守備ブロックは、インサイドへのパスも簡単には通さない。焦れたマルコスが、ライン間(2列目~3列目の間)から降りて来ることも少なくなかった。

(面倒だし早くお酒飲みたいのでfootballtacticsによる図解は省略する)

とは言っても崩せなかったわけではない。釣り出した東京SH裏のスペースを使えたこともあったし、チャンネル(CB-SB間)も攻略できていたし、GKと最終ラインの間に何度もグラウンダー性のクロスを放り込めていた。

sofascoreで見ると、今節は
・枠内シュートは「7本」
・ビッグチャンスは「5回」
・エリア内シュートは「13本」

と、今までの試合と比較しても、むしろ勝ってなきゃおかしいような数字だ。低く見積もっても、一定のクオリティで攻撃は機能していたと言える。

ということで、マリノスが問題を抱えていたのは「攻撃ではなく守備」ではないかということが推測できる。

◼️FC東京の攻撃(1)

FC東京の攻撃は、自らの長所でマリノスの弱点を徹底的に突っつく攻撃だった。これがウイイレやFIFAだったら、間違いなくコントローラーを叩きつけている。

マリノスのSB裏を東京2トップが狙えば、マリノスCBとのデュエルを避けることができる。有効なCB脇のスペースを狙いつつ、マリノスの守備とのミスマッチも狙う一石二鳥な作戦だ。実際に4失点中3失点(1失点目の高萩と和田の空中戦まで含めれば全失点)で、高さ、フィジカル、スピードのミスマッチが起きている。

2失点目:ナサンホvs和田/永井vs渓太
3失点目:ディエゴvs天野
4失点目:永井vs和田

◼️FC東京の攻撃(2)

攻撃(1)を活かした縦ポンだ。これがウイイレやFIFAだったら、迷いなくコントローラーを叩きつけたあと、人差し指でプレステの電源を落としている。

1失点目:GK→高萩→足速い奴
2失点目の直前:GK→高萩→足速い奴
2失点目:GK→高萩→足速い奴
3失点目:ボール奪取→高萩→足速い奴

飛田給のターフで快足を意のままに操る高萩は、もはや「飛田給の武豊」と言っても過言ではない。さしずめ永井は飛田給のディープインパクト、ナサンホは飛田給のスペシャルウィーク、ディエゴオリヴェイラは飛田給のクロフネと言ったところか。東府中駅まであと3駅である。

◼️FC東京の攻撃は防げたのか?

2失点目で気になったのが、武豊(高萩)と対峙したティーラトンの立ち位置。リトリートで微妙な間を空けてしまい、高萩に「利き足で」「考えて」「足速い奴に蹴る」ことのできるスペースと時間を与えてしまった。ここは中を切るべきだったのではないかと考える。縦に抜けられても喜田が対応できるし、喜田がいなかったとしても、高萩相手ならティーラトンが完全に振り切られる可能性も低いのではないか。何も考えずにとにかくプレスに行くだけでも違ったかもしれない。

とは言っても、「攻撃面での貢献」と「守備面」の差し引きでプラスと見込まれてのティーラトン起用なので、ティーラトンばかりを責めても仕方がない。(同様に「ビルドアップ面での貢献」と「守備面」の差し引きでプラスと見込まれて起用されているパギばかりを責めても仕方がない)

そこでお勧めしたいのが、個人的に年初からしつこく主張している畠中左SB起用だ。(現状はCB不足で実現できないが)

左SB畠中を最終ラインに残した3バックであれば、和田残しの3バックよりも守備力は格段に高いし、天野を1列上げ両SBを内に絞らせるお馴染みの形でもいい。ディープインパクト永井については考えるのも面倒なので、チアゴが付きっ切りでいい。

そうすることにより「スペシャルウィーク(ナサンホ)のスピードどうするよ」くらいまでは悩みの種を減らせると考えるのは楽観的過ぎるだろうか。どちらにせよ、今までの采配から鑑みるにポステコグルーはこういった選手起用はやらないだろう。

◼️結論

優勝争いをするには、こういうチームに勝てないとね。マリノスの攻撃は高いレベルで安定していると思われるので、リーグ後半戦はゲーゲンプレスの徹底と各種カウンター対策、怪我人の復帰と新戦力の活躍に期待する。

To Be Continued
(大分戦へつづく)

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