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向ヶ丘遊園|ルグラン|地域に愛される老舗喫茶店


こんにちは。CONOMACHI STORIES編集部です。

定期的に小田急沿線の「この街」スポットを紹介していくレポート。

今回は向ヶ丘遊園駅の老舗喫茶店「ルグラン」さんにお邪魔して、店主の信元様からお店を開業された経緯や地域とのつながりについて、お伺いしました。

ルグラン:2004年に向ヶ丘遊園にオープン。どこか懐かしさを感じるスパゲッティやカレーのメニューにホッとする。小田急線の車窓からも「ルグラン」のかわいらしいネオン看板が見える街の喫茶店。
住所:神奈川県川崎市多摩区登戸2977-1

受け継いだルグランという名

お店に入ると、ホットコーヒーを淹れてくださいました。
この日は真冬の寒さでしたので、熱いコーヒーが身体の芯まで染みわたります。
お店は、常連さんと思しき方で満席。
夕方の落ち着いた時間にのんびりと過ごす、喫茶店の醍醐味です。
夜の宴会準備の中、快くお話ししてくださったのは、あたたかく柔らかい印象の信元(のぶもと)マスター。

(編集部)2004年にお店をオープンされたと伺いましたが、どのような経緯でしたのでしょうか?

(マスター)小田急に入って初めて仕事をしたのが、山のホテルを運営する国際観光(現:株式会社小田急リゾーツ)。それから小田急レストランシステムに移りました。当時ルグランという名前のカフェを新宿や、経堂、向ケ丘遊園、町田など8店舗ほど運営していたのですが、撤退することに。

(編集部)ルグランという店名はそこから取ったものだったんですね。

(マスター)ルグランという名前はすごく愛着があって、定年前の57歳の時に独立しようと思ったときに、会社からルグランという名前をいただけることがわかり、何かの縁だと思い引き継がせてもらうことにしました。ルグランは長く続いている名前だし、継続しようと思って、必死でしたよ。

(編集部)そのようないきさつがあってお店をオープンされたのですね。

なるほど、ルグランは2つの歴史を持つお店ということでしたか。
2004年オープンとは思えない老舗の佇まいは、ルグランという名前がもつ力が成せるわざだったようです。

地域の方々に喜んでもらいたいから

(編集部)お店にはどのようなお客様がいらっしゃるのですか?

(マスター)保育園の子供たちから、老人会の方々まで、幅広くご利用いただいていますね。365日ご利用いただくことを目標にしています。向ケ丘遊園の周辺には大きな大学がたくさんありますので、ゼミや体育会の方向けのコースも用意しています。体育会系の人たちはよく食べるんで、ちょっと高めに設定して。笑

(編集部)学生さんたちが喫茶店で宴会だなんて、ドラマの世界のようですね!

(マスター)高校生や中学生のコースというのも用意しています。こちらはソフトドリンクのみで提供。お店は宴会で使っていただくことが多いので、カラオケやミラーボールも用意しています。すべてサービスです。バースデーパーティーの時は、ほとんど原価でホールケーキを用意して、スタッフ総出でバースデーソングを歌ったり、クラッカーやくす玉などを用意してお祝いをしています。

(編集部)イベントを盛り上げる舞台がすべて無料とはすごいですね。手ごろな料金でカラオケまでできる、これは人気にならないはずがありませんね。

(編集部)お店のオススメのメニューは何でしょうか?

(マスター)当店のイチオシはサラダバーです。

(編集部)え、サラダバーですか?

(マスター)他のお店でこんなことを言う人はいないと思いますが、当店では仕込みに一番時間をかけています。お昼休みが1時間しかない中で、お客様を待たせてしまうのはよくない。ただ、ランチタイムはたくさん人が来るのですぐに料理を提供できない。そこで、お客様をお待たせしないためにもサラダバーを充実して、皆さんに喜んでいただくことに力を注ぎました。サラダは25種類以上、ドレッシングも20種類以上と充実させています。

(編集部)サラダとドレッシング、それぞれ20種類以上ですか!? そんなにご用意されているとは驚きです!

(マスター)ええ。あとサラダバーのおかげで、人件費を抑えることができます。そのぶん原材料にかけることができるので、良い循環が回っているのではないかと思っています。おかげでお客様からは「この値段で、こんな料理を出していいの?」と、よく驚かれますよ。

(編集部)確かに待たせられるよりもいいし、サラダバーが充実していたら嬉しいのでイチオシというのも納得ですね。野菜が高騰している昨今に、このサービス精神はとてもありがたいですね。長年地域を見てきたマスターだからこそ、お客様がなにを求めているのかわかるのでしょう。

(編集部)マスターからみて、向ケ丘遊園にはどのような方が多いですか?

(マスター)人情味のある方々が多いですかね。地域の老人会の方々にはずっとご利用いただいています。また、サカナクションさんが有名になる前、向ケ丘遊園に住んでいて、よくうちに来てくれていました。お茶を飲んだりカレーを食べたりして。カラオケがあるので、いろんな曲を流したりして。初めての武道館ライブの時には招待してくださって、とても嬉しかったですね。向ケ丘遊園を故郷って言ってくれて、テレビ番組でも取材に来てくださいました。


(編集部)それは、親のような心境で嬉しいですね。この場所で青春を過ごした方が、今後も色々な場所で活躍されるんでしょうね。

笑いに包まれる一日限りの特別講演──るぐらん寄席

(編集部)落語会を開催されているとうかがいました。なぜ、始めることにしたのでしょうか?

(マスター)今まで地域の皆様へ恩返しをしたい、あとは自分自身、落語が好きということもあって、土曜日を一日つぶしてお店の中で落語を開催しています。寄席はもう20回になりますが、おかげさまで新聞に取り上げられたり、口コミで広がっていったりして、「寄席のルグラン」というように知られるようになって逆に助けられるようになりました。

(編集部)お客様がお客様を呼ぶような状態ですね。落語家さんはどのような反応でしょうか?

(マスター)社会情勢的に落語をやりたくてもできない状態が続いたので、それならうちでその機会を提供しようという想いもありました。特に大学の落研などは活動ができなかったようで、こうした場ができることに喜んでいただきました。

(編集部)確かにそうですよね。今は学園祭なども中止になる学校も多いと聞きます。せっかく練習した落語を披露する場がないのはさみしいことです。

(マスター)最近は、落語がきっかけで観光協会の方とつながったり、さらに別の地域で落語を開催しようという話にもなっています。落語が縁でつながりが出てきているのはありがたいですね。

そう言うと、マスターは―落語会の度に作るという、オリジナルのワインラベルを見せてくださいました。

(マスター)毎回記念に作るんだけど、みんな結構よろこんでくれて。開催してよかったなという気持ちになります。

(編集部)今後の展望などがあればお聞かせいただけますか?

(マスター)地域に愛されて、今のままやっていけるだけで幸せなんです。これ以上を望んだらバチが当たってしまうな、という感じです。とはいえ、もっともっとお客さんを増やして、落語会やイベントなど精力的に開催していけたらいいなと思っています。「人が集まる場所」を目指して頑張りますよ。

信元様、スタッフの皆様、ありがとうございました!

多世代にわたり交流が育まれ、地域の方々に愛されているルグランさん。今度はぜひ、イチオシのサラダバーを食べにお伺いさせてください。

今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。