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カゲロウ


夜半からの雨に蒸されて立ちのぼる「あいしている」がカゲロウに成る

あめつちに同化できずに饐えていく行く宛のないカタチナキモノ


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朝一で開けた窓から入り込んできた熱気
まとわりつくような湿気


地にもとどまれず、空にものぼれず
行き場のない雨が夜のすべてを抱え込んだまま足掻いている

空に行くには陽が足りず
地はとどまれるほどの広さを持たず

発酵と腐敗のあいだをどうやって過ごそうかと

いろんなモノが漂っている

豪雨明けの朝

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