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着任(赴任)してからすること 7 理想の学級像と学級通信

小谷ちいです!

前回のノートでは、「始業式から1週間のイメージ」について詳しく解説しました。

着任後の業務にフォーカスして、シリーズ化して詳しく説明していきます。
今回は、7回目のテーマとして「理想の学級像と学級通信」に焦点を当ててお伝えします。
(かなり詳しく書きます。拙い文章ですが、最後までお読みいただければ幸いです。)


理想の学級像

 これは、先生の「理想」で問題ありません!
 問題ありませんが、文章化できますか?
 「理想」はイメージしたものであり、言語に表すと…あれ?なかなか難しいです。(と、Mさんは思います。)
 では、具体例を挙げましょう。

 「けんかのない心優しいクラス」とイメージすることはできます。「けんかのない」はまだ文章化もできますし、児童生徒に伝わりやすいです。
では、「心優しい」とはどうすれば良いのでしょう?
 

「心優しい」とは、「どんな姿があれば」「心優しい」と言えるのか?
これを文章で具体化し、明確にします。

 一例ですが、「心優しい」ってどんな姿ですか?考えてみましょう。
 ・友達が物を落としたときに拾って渡した。
 ・友達が忘れ物をしたときに、貸した。
 ・休み時間に、みんなで楽しく遊ぶために鬼ごっこに誘った。
 ・給食をこぼしたときに、率先して片付けを手伝った。
 ・帰りの鞄片付けで、友達がどうしてもトイレに行きたくなった。下校時刻に遅れてはいけないと思い、その子の荷物を片付けた。
 そして、「その姿があれば」先生や児童生徒が「大いに認める」と行動に表して初めて意味があるものとなります。
 これらを、言語化することで「理想」が明確になり、「学級通信」で児童生徒や保護者に伝えられる内容となります。

 ここで、Mさんが20年来こだわってきた「理想の学級像」を言語化した物を下記に示します。基本で小学校1年生の内容ですが、どの学年でも同様であると考えます。

○自ら規律のある生活ができる子

 ・基本的生活習慣(あいさつ、時間、そうじ、せいとん)ができる
 ・学習姿勢を整える(最近は立ち歩かなければよいかな?)
 ①約束やきまりを守る(法令遵守)

○相手のことを思いやる心を持つ子

 ・周りの様子を見て、行動をする(配慮が必要な児童生徒がいる場合は別)
 ②常に感謝の心を持つ(これは、身につけさせたい)
 ・相手がうれしいことを進んで行う(この文言だけでも十分力があります)
 ・友達のよい行いやがんばった姿などをお互いに認め合う
 ③相手がいやなことは絶対にしないさせない(触法行為はダメ!)

○最後までやりきれる子

 ・勉強、掃除などは時間いっぱい最後までやりきる
 ④係活動、学級遊び、約束、ルールなど決めたことは最後までやりきる

○その他

 ⑤話をしっかりと聞き、行動したり、はきはきと話したりできる
 ・外で元気よく遊ぶ
 ・好き嫌いをしないで、何でも食べられるようになる(今はなしかも?)

当たり前っぽいですが、これらを文章化することで、児童生徒、保護者に伝わります。そして、できていない場合には、堂々と指導することができます。
それでは、番号の部分を詳しく説明します。

①約束やきまりを守る(法令遵守、将来困らないため)
③相手がいやなことは絶対にしないさせない(触法行為はダメ!)

 道徳で「約束やきまりを守る」とありますが、具体的に「どんな約束やきまりがあるか」は調べてもなかなか具体的には出てきません。
 以下に「法令」に基づいた約束やきまりの一例を掲載します。
これらは、「児童生徒が将来法令違反をしないためにブレないように指導したい」観点です。

 ・相手の身体を傷つけない。(暴行、傷害)
 ・相手の心を傷つけない。いじめに関わる事をしない。(恐喝、強要、恐喝、いじめ防止対策推進法)
 ・うそをつかない(虚偽、詐欺)
 ・公共施設内では、走り回らない。(安全に関わって、ぶつかれば過失傷害や器物破損)
 ・相手のものを触らない。持って行かない。壊さない。(窃盗、器物破損)

 ただし、「要因」を明確にし、要因如何では「共感」しましょう。
その上で、「先生4月に『こういうことはいけない』と話したでしょ!なので、注意しました!」と伝えます。
 詳しくは、何度も掲載しますが…このnote!


 そして、これら以外ではできるだけ「注意」したり「叱る」ことをしたりしません。
 また一例になりますが、
算数で「前年度学んだはずの計算問題が解けなかった」場合、どのような声をかけますか?
「何故去年勉強した計算ができないの?」「何度言ったらできるようになるの?」なんて言った日には、もう「勉強嫌い」「先生嫌い」の完成です。

その子の「困り感」に共感して「1つずつやってみようか」と声をかけ、「つまずいている部分を見つけ」、「その子にあった学習法」を模索します。

また、「宿題や持ち物を忘れた」場合
 ・どうして忘れたのか
 ・どれだけ忘れているのか
が、ポイントになりそうですが、結局の所「その子が、どのような約束をして、提出できるかどうか」が大切です。
先生が「明日もってきなさい」と言ってもなかなかもって来れないことが多いです。
そこで、児童に「いつもってくるのか」を決めさせます。
「明日」でも「来週」でも良いです。先生は「分かった、約束ね」と返事をします。
そして、約束当日、持ってくることができたら、大いに褒めてあげます。
「できなかった場合」は、「約束が守れなかったことについて注意」をします。そしてまた「約束」をします。さらに、保護者に「こういう約束を本人が決めましたので、ご協力ください。」とお願いをし、「やりきる」方向へ持って行きます。
「法令以外のこと」については、できる限り「叱らない」ことが肝要です。


②常に感謝の心をもつ

 まず「先生」から、どんなことでも「感謝」できるようにしたいです。それを「体現」することで、児童生徒に伝わります。
 まずは、「ありがとう!」
 日直の司会をしっかりこなすことができた。「日直さん、ありがとう!」
 係活動を行うことができた。「生き物係さん、水やりありがとう!」
 給食当番配り終えた。「給食当番さん、てきぱき配れたね、ありがとう!」
 仲間のトラブルを伝えに来た。「○○さん、教えてくれてありがとう!」
 落とし物を拾った。「落とし物、拾ってくれてありがとう!」
 ちょっとしつこいぐらいでも大丈夫です!

 次に、「助かった!」
 仲間のトラブルを伝えに来た後「○○さんが伝えてくれたから助かりました。ありがとうね!」
 児童生徒が集配を手伝った「みんな集配手伝ってくれて早く終わりました。助かりました。ありがとうね!」

 毎日続けることで、児童生徒にも伝わり、誰もが感謝できるようになる物です!


④係活動、学級遊び、約束、ルールなど決めたことは最後までやりきる

 法令では明記されていないきまりやルールがあります。また、学級で約束を決めることがあります。
 大前提として、「約束やルールは、児童生徒が提案し、最終決定する」ことです。
 自分たちで決めたことを、自分たちで守り、やりきります。
「先生が約束やルールを決めて押しつけ」てはいけません。
押しつけると、児童生徒はなかなか守ることはできません。だって「納得いってない」からです。
そして、守らない姿に先生は「イライラ」してしまい、叱ってしまう。そして、児童生徒が少しずつ離れうまくいかなくなる…。
 先生になって、数年は陥りやすいミスです。Mさんも経験しています。

 児童生徒が決めたことに対して、もし守れていない場合、先生が「みなさんが(あなたが)やると決めたことですよね?」と強く前に出ることができます。「難しいのであれば、また話し合って、『守ることができるルール作り』をしましょう!」と話すことで、さらに学級がよりよくなっていきます。


⑤話をしっかりと聞き、行動したり、はきはきと話したりできる

 「話し合い」や「問題解決学習」などが、令和の学習指導要領になり、「主体的に取り組む態度」や「対話的な深い学び」に繋がるようになりました。
 「先生からの1対1の対話的学習」から「1つの問題に対して、仲間と対話をしながら、解決に向かっていく学習」に変わっています。みなさんが小・中学校で学んだ学習形態からかなり変わりました。
 「児童生徒が授業中生き生きと語り合う姿」を目指して、授業を行っていきましょう。
 そのためにも、まずは「話を聞く」ことです。
 Mさんは児童に先生が話した後に、子どもを当てて「今先生が言ったこと同じように話してみて?」とか「先生が話したこと、簡単にまとめて話してみて?」と聞き、「聞くことの大切さ」を確認していました。
 また、質問をした際には「理由を明確にしてしっかり話せるように」指導し続けました。
 以上の2点ですが、できなかったときに「叱る」ことは一切しません。「他の子、助けてあげて」と周りに声をかけます。このようにすることで「聞くことの大切さ」だけでなく「相手を助ける」「相手を思いやる」ことに繋がります。
 後、授業の詳細については後日説明します!


 さて、「理想の学級像」をある程度言語化してみました。
 みなさんの「学級像」はどうでしょうか?このように「言語化」できそうですか?
 「言語化」できたら、それを「学級通信」で「目指す学級の姿」とタイトルを打って、掲載します。
 そして、掲載した以上は「1年間揺るぎなく指導し続け」ます。
 みなさんが作成した「学級通信」は、必ず教務、教頭、校長がチェックをします。
 「学級像」についてどこかで問題があれば訂正してくれます。
 自信をもって出しましょう!

 「指導すること」が明確で「揺るぎないもの」であれば、学級指導が幾分楽になります。


 「言語化」には時間がかかります。
 昨年度の先生が作成した「学級通信」も参考にしましょう。
 もし、3月中にこのnote見つけられたら、今すぐ「言語化」してみましょう!

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