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子供の「宿題やりたくない」に向き合う

学年が上がり子供がますます「宿題やりたくない」とゴネるようになった。そもそも私も子供の頃は宿題の学習効果について懐疑的だったし、課せられて勉強が嫌いになるくらいなら、宿題やらなくて良いとさえ思っていた。そんな私からの提案と、いろんな方から頂いたご意見、それに対する所感について記す。

私の提案:宿題やらないことを交渉しよう

宿題やりたくない娘に、こんな攻略法もあるんじゃないかと話した。

  1. 課せられたことを「手段」と見なし、手段に対する「目的」を突き止める

  2. 別の「手段」であっても「目的」が満たせることを示す

  3. もともと課された「手段」はやらなくていいですよね?と交渉する

宿題の例だと、以下の流れで交渉する想定となる。

1. 「なぜ宿題(手段)をやらねばならないのか?」に対する答えは「勉強が出来るようになるため(目的)」だと想定
2. 何とか頑張って「宿題しなくても私は授業中に理解して100点とってますよ」という状態にもってゆく
3. 既に目的は満たしているので「宿題しなくて良いですよね?」と交渉する

「ダメ」と言われるかもしれないけれど、大人と同じ土俵に立って自由を勝ち取る経験は財産になると思うので、そんなに宿題が嫌なら勇気出して交渉してはどうかと話した。

娘は「先生に交渉するのは怖いから嫌だ」「そもそも理解できてないし」と言っていた(なおさら勉強しろよ)。私が思うよりも娘は内弁慶で常識人なのかもしれない。おそらく、ママを困らせて甘えたくて「宿題やりたくない」とか言っていたら、パパが真剣に意味わからんこと熱弁してきたのだからいい迷惑だろう。

ケース紹介:実際に交渉して怒られた人

一癖あるお子さんを持つ職場の先輩ママさんから、実際に「宿題したくないです」交渉をしてみた話を教えていただいた。そのエピソードが興味深かったので紹介する。

「宿題したくないです」とお子さん本人から学校の先生に交渉したところ、「もしかすると学習障害かも」という話にまで発展したらしい。言われた通りにカウンセリングを受け、結果「異常ではなく、ただ退屈しているだけなので、興味持てるように工夫してあげてください」と病院の先生から学校の先生に申し送りがあった。←という内容を、先生がお怒りになりながら伝えてくださったそう。

先生の対応が適切かはさて置き、すごく見所ある子だなぁと思う。大人の受け止め方ってこんなもんだと身をもって学べたのは価値あることかもしれない。

ケース紹介:授業を聞くだけで理解できた人のつまづき

中学までは授業さえ受けていれば理解できていた友人の話。宿題はやってもやらなくても理解度に差がないので無意味と感じていた。そんな彼も、高専に進学して一気に内容が難しくなり、授業聞いているだけでは理解しきれなくなった。でも、家で勉強する習慣が無いので苦労した。

ここから得られる教訓として、宿題の目的は目先の単元で100点をとることではなく、永く続く勉強のスタイルの確立に置くべきかもと思いなおした。そうすると、余裕で出来る人は先の内容にチャレンジするのが本人のためになる。現場では格差が出来てしまうので難しいだろうけれど。

再度、「勉強のスタイル確立」の手段を考えると、プロの先生に従って言われた通りに宿題するのが近道なのだろう。そこに反骨して遠回りしてでも、自分なりの勉強スタイルが確立できたとすれば財産になりそう。

反論:宿題で評価せざるを得ない

先生が評価を付けるにあたって、宿題をはじめとするプロセスで評価するしかないんだという反論をいただいた。勉強ができるけど宿題をしない生徒よりも、勉強ができなくても宿題をする生徒の方に、良い成績を付けるしかない。

それに対して私が思うのは、「勉強が出来るようになること」と、「先生から評価されること」は分けて考えても良いんじゃないかということ。私が大事だと考えるのは前者(勉強)で、極論すると宿題しなくても勉強そのものが好きでい続けたらよい。反対に、受験で燃え尽きて「もう勉強しなくて済む」みたいに思うのは本末転倒だろう。人は一生勉強するもんだ。

子供本人が後者(評価)を求めるなら、素直に宿題するというのが近道ではある。でも、「評価なんて求めないぜ!」という自由もあって良いと思っている。というのも、勉強の理解度を評価するなんて、頭の中を覗くようなもので、誰にも出来ないと考えているから。

書籍「子供の算数、なんでそうなる?」に書かれていたのは、子供が理解を深める過程で自分の仮説を作っては壊すため、それまで正解できていた問題に間違えるようにこともあるという話。理解するための尊い過程であるのに、テストの点数は下がるようなことが起きる。

悪い評価が付くと苦手になって嫌いになってさらに苦手になる悪循環に陥ってしまうので、つい「ええから宿題やれ!」なんて言ってしまう。それでも、勉強が好きでいてくれたらその方が尊いんじゃないかとも思う。

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