田舎に帰る前に考えたこと

東京で編集者をしていた

20年くらい東京で編集者をしていた。新宿駅から歩いて30分くらいの渋谷区に住み、何をするにも便利な場所だった。でも田舎には年老いた両親がいて、いつかは帰らなくてはならなくなると思っていた。それを真剣に考えるタイミングがある日突然やってきました。

田舎に帰るのを決めたきっかけ

ある時、新しい人事の発表があった。私の所属していた編集部の管理職は、部長と分野ごとにわかれたチームに課長が何人かいた。私のチームは顧客を一番多く抱える分野でもあったので、常に結果を出すことを求められ、実際一番業績をあげてもいたと思う。その頃、営業部には副部長がいたのだが、編集部にはいなかった。もしも編集部にも副部長を作るとすれば、私だろうと漠然と思っていた。が、そうではなかった。それが田舎に帰るきっかけとなった。

怒りが止まらない

会社は私を選ばなかったということに怒りが込み上げ、ふとしたタイミングで怒りが顔を出しそうな毎日だった。1ヶ月ほどたって、「会社が私を選ばなかったのなら、私が私の道を選ぼう」と思った。そして田舎に帰ることを決めた。その頃、2020年の東京オリンピックが決まったころだったので、目標は「オリンピックまでに帰る」と定めた。

仕事をどうする

田舎に帰ることを決めたとはいえ、年金で生活するにはまだ早く、蓄えがあるわけではない。働かなくてはならないが、「何をする?」と考えたとき、田舎で確実に仕事があるのは「介護」の分野。そのころ仕事で「スクール・ソーシャルワーカー」のことを耳にすることが多くなっていたのだが、いろいろ調べていくうちに、社会福祉士という資格にたどり着いた。社会福祉士という資格を取れば、当時の編集の仕事にも、将来的には田舎に帰っての仕事にも役立つのではないかと思った。

社会福祉士になるには

社会福祉士になるには国家試験を受けなければならない。国家試験を受けるためには、受験資格を満たさなくてはならない。大学を出ていたとしても福祉系の大学を卒業しているのでなければ、専門学校とかで課程を修了しなくてはならない。専門学校の通信教育で2年弱で修了できることを知り、早速次の年の春から受講した。

仕事ゲット、出版社退職、田舎へ

そして2年後の国家試験に合格し、次の年に実家近くの病院に医療ソーシャルワーカーの仕事を得て、その次の年、2020年2月から働き始めた。ちなみに退職はその前月、2020年1月末だった。東京の部屋を引き払って実家に帰った日は、東京で第一号のコロナ患者が出た日だった。

東京オリンピックは1年延期となったが目標はクリアだ。


引っ越し作業後の東京の部屋

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