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小さな子どもとお母さんの居場所②

私が小さな子どもと一緒に過ごす居場所として、いちばん楽しかったのは『自主保育』でした。

自主保育というのはその名の通り、保護者が自分たちで子どもたちを保育する活動です。活動する場所は地域によってさまざまなのですが、私が参加していたのは栗東の竹林の中で開催していた「たまてばやし」と、湖南地域の野外で開催していた「みんなで子育てあそび畑」でした。

※たまてばやしは2012年からNPO法人碧いびわ湖が運営、2015年からは保護者の自主運営へ、そして2019年活動終了。
あそび畑は2012年から保護者の自主運営で活動開始、現在も活動中。

ここの自主保育のコンセプトというのが、「大人はお口はチャック、手は後ろ」。大人はあれこれ手出し、口出しせず、子どものやりたいことを見守るというものでした。野外のさまざまな場所で、竹林の中で、焚き火をしている中で、ヒヤッとする場面は多々ありますが、できるだけ見守る。子どもたちは大人が思っている以上に周りを見ていて、本能で危険を回避している姿もあり、自分の力でやりたい遊びを実現しようとする姿に、大人もハッと気づかされることが多かったです。

たまてばやしでの活動。みんな思い思いに自分の時間を過ごします。

また焚き火ではいろいろな食べ物を焼いて食べたり、かまどでごはんを炊いたり、持ち寄った野菜でお味噌汁を作ったり。私はアウトドアの経験があまりなかったのですが、ここでの大人たちの作業姿を見たり、野外で過ごす知恵を教えてもらいながら一緒に作業をすることで、経験値を増やすことができました。
もし万が一、災害が起こったとしても、この経験を活かすことができるし、みんなで助け合えるコミュニティにいるということがとても心強く、野外の自主保育はすごく良い経験ができる活動であると思います。

かまどで炊いたごはんは最高に美味しかったです。火の番をする子どももいました。

そして子どもたちを見守りながら、大人には嬉しい珈琲タイムもあり。。
私はここで初めて「珈琲は淹れるものだ」ということを知ったと思います。
その場で豆を挽いて、丁寧に淹れていく。その仕草がとてもカッコよくて、憧れました。
また珈琲にはおしゃべりも付きもので、教育の話、安心安全な食べ物のこと、さらに原発や政治の話にまで広がり、子どもたちが心から安心して生きられる未来について語り合うこともありました。

珈琲を淹れてもらえるのが楽しみでした。

自然の中に身を置くことで、大人は日頃の育児の大変さから少し解放され、肩の力がフッと抜けるような感じになり、子どもは身体を思いっきり使って全力で遊んで満たされる。お互いにとって居心地のいい居場所。
時には学校を休んで参加する小中学生もいて、そんな彼らにとっても自主保育の場は、心が赴くままに過ごせる大切な居場所でした。

こんなふうに過ごせる竹林や里山が、いま周りを見渡すと少しずつなくなってきています。代わりに増えてきているのが住宅や太陽光パネルだったり。。
今の子どもたちが大人になったとき、さらに未来の子どもたちがのびのびと過ごせる居場所として、この竹林や里山が少しでも多く残っていてほしいと思います。
もし今、どうにもできない状態となっている竹林や里山があって、整備をしたり、問題を解決することで活用できるならば、一緒にその方法を考えていきたいです。

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