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【ライブレポ】TOMOO Walk on the Keys@NHKホール

6/28(水)、TOMOO『Walk on the Keys』@NHKホールに行きました。
TOMOOさんは、私がここ数年で最も好きなミュージシャンの1人でもあります。
絶対に行きたかったので有休を取りました。
(ちなみにその前日は、安本彩花生誕ソロライブ「お手製メニュー豊富に取り揃えております。花丸の自信『#安安』店舗拡大中♡」のZepp DiverCity公演に参加。これも絶対に行きたかったので有休を取っていきました。)

TOMOOさんのライブを見るのは、今年の1/15にZepp DiverCityで行われたワンマンライブ以来、通算3回目。最初に見たShibuya WWWの時からメジャーデビューも経て、順調に会場が大きくなっています。
実は昨年の8/7にLINE CUBE SHIBUYAで行われたライブ『Estuary』にも当選していたのですが、別のライブ(エビ中のファミえん2022Day2)と重なり断念していました。

そんなわけで今回は私にとってTOMOOさんのライブをホールで初めて見る機会でした。

私はライブ中の記憶を残しておくのが非常に苦手なので、この記事では見終わった後に感じたことを中心に書きます。
と言ってもライブからもう1ヶ月が経つので見終わった後に感じたことも薄れてしまっているのですが...。


1.セトリ

1.オセロ
2.恋する10秒
3.らしくもなくたっていいでしょう
4.shiosai
5.雨でも花火に行こうよ
6.いってらっしゃい
7.17
8.ベーコンエピ
9.好きっていって
10.ピアス
11.ナイトウォーク
12.Cinderella
13.ロマンスをこえよう
14.夜明けの君へ
15.HONEY BOY
16.夢はさめても
17.Friday
18.金色のかげ

encore
19.I hope,
20.Ginger

セトリを組むときにレーベル?の意向がどれくらい入るのか(あるいは入らないのか)とか全知らないのだけど、メジャーデビュー以降の曲が全部入っているわけでもなく(「酔ひもせす」と「グッドラック」はなし)、そもそもサブスクにない曲が5曲も入ってる(8〜11と18)、それって結構凄いことなのでは?と思ったり。
ちなみに「好きっていって」、「ピアス」、「ナイトウォーク」は恥ずかしながら曲の存在すら知らず、今回初めて聞いた。

昨年末のインスタライブで初めて聴いてからめちゃくちゃ好きになった「ベーコンエピ」 と、2022年に私がほぼ毎朝毎晩聴いていた「ロマンスをこえよう」が入ってたことが本当に嬉しかった。
この2曲についてはここで先に感想を書いておく。

「ベーコンエピ」はキーボードの幡宮さんとの遠隔連弾バージョン。贅沢とはこのこと。
席が後ろの方かつ視力の悪さもあってそんなによく見えなかったので、視覚より聴覚で楽しむことを優先しようと思い、ずっと目を瞑って聴いていた。
連弾になったことで、ともに歩もうとするふたりの距離感や足取りの同じところと違うところが、より立体感をもって音の中に表れているように感じた。
あと、なんとなく「エンタメでもあり、芸術でもあり、人生でもある」という感じを受けた。
もしかすると、これらはどれもその人の実存をそれぞれ別の角度から照射した痕跡なのかもしれない。

※ライブ映像が公開されたのでぜひご覧ください。


「ロマンスをこえよう」は、ステージの手前側の薄い幕が降りてきて、そこに映画のフィルムを回しているときのノイズみたいな映像が終始出ているという演出だった。映画に疎いせいでこの程度の説明しかできない自分を恨む(ナタリーさんが素敵な写真を撮ってくださってたので下にリンクを貼っておきます)。
その演出が始まった瞬間に次曲が「ロマンスをこえよう」であることを確信して小さく右手でガッツポーズ。


この2曲、なんとなく歌詞に共通する部分がある気がする。
肌の温もりを感じるようなとても素敵な歌詞で、それだけでも泣きそうになるけれど、自分にあり得たかもしれない未来がたまに脳裏をよぎり、これまた泣きそうになる。
自分が特別に不幸だとは全く思わないけれど、せめて自分の周りの大切な人たちはみんな幸せに生きてほしいなと思い、さらに泣きそうになる。

大人になるのも 子どもになるのも 君とが良いよ 君とが良いよ

「ベーコンエピ」(作詞:TOMOO)

君だけ 君だけ 私が笑えるのは 君だけ

「ロマンスをこえよう」(作詞:TOMOO)


2.本編

さて、ここからようやく本編の話。

もともと「オセロ」はなんとなく終盤の盛り上げパートで披露される曲のイメージがあった。「オセロ」→「恋する10秒」(or「Friday」)→「POP’N’ROLL MUSIC」みたいな。
しかし今回はド頭。
いや、あんた初っ端でもええ味するんかい...。
このライブのこれからの盛り上がりを予感させる。

そして「恋する10秒」。この流れは鉄板かな。
ちょっとBPMを落として「らしくもなくたっていいでしょう」。サビよりもサビの後の方がビートが速いっていう構成。サビのメッセージもしっかり伝えつつそこから勢いが増す感じが面白い曲だ。

「shiosai」は普段あまり聴かないのだけど、改めて聴くと物凄く良い曲。「あぁ 僕らまだ小魚さ」というサビ頭のフレーズの、シンプルだけど今までに聴いたことない表現も素晴らしい。この曲をライブで聴くのは初めてかも。
「雨でも花火に行こうよ」、「いってらっしゃい」、「17」は安定の良さ。「いってらっしゃい」と「17」で泣きそうになり、その後の「ベーコンエピ」でちょっと泣いたのはここだけの話。

「好きっていって」、「ピアス」、「ナイトウォーク」は前述のとおり初めて聴いた。聴くので精一杯であまり覚えてないけど「ピアス」が特に好みだったかな。
中学生の頃に人生で初めて作った曲が「ピアス」だなんて、さすがに完成度が高すぎて恐ろしいなと思ったことは覚えてる(その後にアレンジとかは変えてるのかもしれないけど)。

「Cinderella」は、メジャーデビュー以降の曲だと「グッドラック」の次に好き。これもガッツポーズ。
「運命線の最後にキスしたかったな」ってどうやったら書けるんだこんな歌詞、と聴くたびに毎回思う。歌詞は当然知ってるけどこの日もやはりそう思った。知ってるのにまたそう思わされるって凄いことだよな。

新曲「夜明けの君へ」はそこまで聴き込めてなかったけど、出だしの歌詞が秀逸シリーズの1つ。
ワンフレーズで「この人の歌詞は普通じゃない。何かあるぞ。」と思わせるのが非常に上手いと思う。
狙ってそうしてるというよりは、TOMOOさんの感性から紡がれる歌詞が自然とそうなる、っていう感じなんじゃないかという気がする。
演出もかっこよかった(語彙力枯渇)。

そして「HONEY BOY」、「夢はさめても」、「Friday」。
「HONEY BOY」はもうド定番なのであまり言うことはないかな。歌詞でグルーヴを作るのが本当に上手いなと感じる1曲。
「夢はさめても」は新しいライブ定番曲になりそうかなと思った。この日は「TOMOOダンサーズ」の皆さんも参加していて、MVを少し再現するかのような演出があったのもとても良かった。
「Friday」はこのあたりの位置で歌われることが多い印象。ノリの良い曲調に注目しがちだけど歌詞がめちゃくちゃ良い。「ため息はほら 街を染めていく」て...。

「金色のかげ」。初めて聴いたけど凄く綺麗な曲だった。
最後の最後、「今 歌うの」の部分で、マイクを通した声からフェードアウトして生声になったところ。ここ5年くらいで1番鳥肌が立ったかもしれない。
フェードアウトなので音量的にはどんどん小さくなるんだけど、その分「歌う」という行為の生々しさが際立っていて、物凄い迫力だった。


本編が終わった瞬間、まさに「割れんばかりの拍手」としか形容できなかった。
全く鳴り止む様子がない。体感では2〜3分、あるいはもっと長く続いていた気さえする。
そのうちに、誰かが始めたアンコールを求める手拍子になだらかに移行していく。

ここ4、5年、月に1〜2本くらいのペースでライブに行っているので、普通の人よりは多くのライブを見ていると思っているけれど、こんな光景は今まで見たことがなかった。
観客の一体感もすごかったし、あんな良いものに立ち会ってしまったらそりゃそうなるよね。

3.アンコール

アンコールは「I hope,」そして「Ginger」。
私は、今の多くのTOMOOさんファンがおそらくそうであるように、「Ginger」でTOMOOさんを知った。最初に聞いたときはポップな曲と面白い視点の歌詞とフックのある歌声にとても惹かれた。
しかし、正直に言えば、その時はここまで良い曲を書く人だなんて全く思っていなかった。
顔も可愛いしMVも可愛い。でも可愛さだけが先行してしまって一時的にMVがバズって終わってしまうかな...と懸念していた。

でも当時出ていた曲を一通り聴いてみて、TOMOOさんの歌詞の素晴らしさ、曲へのこだわり、歌声の魅力を改めて感じ、それと同時に「Ginger」の素晴らしさも再認識した。
しかもライブで聴くたびにまた好きになる。
締めくくりに相応しい曲なんだけど、単に終わるわけじゃなくて、またそこから日々が続いていくっていう感じ。「良いライブだったな」と余韻を感じつつ、非日常から日常へゆるやかに戻っていける感じ。
絶妙なバランスの上に成り立ってる、日常と非日常の結び目のような曲。

本当に素晴らしいライブでした。


実はこの日はTOMOOさんの誕生日。
また、TOMOOさんが人生で初めてライブを見に来た場所で、彼女自身がライブする、という日でもあった。
これらもまた1つの結び目。

その結び目に紡がれた言葉たちと音たちに感動を抑えきれず、こうしてまた私もその1ヶ月後という結び目にその感動を記す。

Write on the Knot.

それでは。

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