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若いころに気づかなかった会社と仕事に関する10の事柄

4月1日、多くの会社で入社式の日だろう。フリーランスの分際だけど、すこし老害っぽいことを書いてみたい、と思う。

社会人になって、10数年してからようやく気がついた事柄を10個ほどまとめてみた。「あひみての のちの心に くらぶれば 昔は物を 思はざりけり」とは百人一首に撰ばれている有名な恋歌だけれど、人生一般に当てはまる名句と思われる。

①会社の仕組みはよくできている

ある程度の歴史のある会社では、会社の仕組みはほぼ完成されている。業務フローであったり書類の運用であったりシステムであったり。一見、非効率であるようでも、調べるとつじつまがあっているし、じっさい効率的だったりする。

だから、既存の仕組みを抜本的に変えることは「労多くして功少なし」になりがちだ。今より効率化することは難しい。先人へのリスペクトは、忘れてはいけない。

②経営陣は機能している

「経営陣や上層部は何もわかっていない!」という従業員の不満は、日本中の居酒屋で日々量産されている。しかしながら、じつは下々が及びもつかない次元で戦い、重要な経営判断を下していたりする。

そして、いたずらに動くのではなく(やった感を出すのではなく)「あえて何もしない」という経営判断も下していたりする。これは目に見える成果ではないので、評価が難しいのだけれど。

③いちどは天狗になる時期が訪れる

ぼくの場合5~8年目くらい、「ある程度仕事をマスターした!」「一人前になったぜよ!」と思いあがる時期が訪れる。この時期がいちばん危険で、トラブルを起こしやすい。

自己評価と周囲の評価が合っていない。天狗になってしまう。「もう仕事マスターしたわー」そう思った時は危険なサインと思って、言動に気をつけた方がいい。

④仕事で余裕があると良からぬことをしだす

余裕が無さすぎてもよくないけれど、余裕がありすぎて時間をもてあますと、人はいじわるになったり、めいわくをかけたり、愚痴をこぼしはじめたり、なにかとよからぬことをしだす。小人閑居して不善を為す、という

適度に仕事に追われて、周囲とうまくやっておかないと仕事が回らない、という環境では、仕事の質・量でしんどい反面、人間関係での悩みが少ない。

⑤出世は実力だけではなくて「時の運」

出世は当人の実力だけで決まるのではなくタイミング。「時の運」の要素が大きい。じっさい、実力のある人はあとで巻き返しをしたり見いだされることもあるけれど。

言い切れることは、社内の肩書きで人を判断してはいけない。たとえ相応の年齢になって平社員であっても、人格者、高度なスキルの持ち主、一芸に秀でた人はおおぜいいる。

⑥働かないオッサンはいない

何も実力がない、いわゆる「働かないオッサン」はいない。少なくとも会社で生き延びている人は、なんらかのスキルを持っていて、誰かに評価されて生き残っている。

たとえば、接待する能力、上司に取り入る能力、社内政治の波を読む能力、リスクヘッジの能力。そういうスキルや能力があこがれるものでなくても、りっぱな能力なのだ。それだけでじゅうぶん、尊敬に値するものである

⑦タスクがきれいさっぱり片付くことはない

あるときから、つねになにかしらのタスクを保持する状態になる。消しても消しても積みあがるテトリスとぷよぷよ。自分の仕事がきれいさっぱりゼロ、そんな瞬間はもはや遠い過去だ。

複数のタスクを抱えながら仕事をしないといけなくなる。人間の脳は決して同時並行のマルチタスク処理はできないので、一点集中するためのスキルが必要になる

⑧無傷ではいられない。苦悩と仲良くなること

仕事を進めるうえで無傷でいることは不可能。じぶんが中心になればなるほど生傷は増える。悩み苦しみは尽きない。仕事とはそういうものだと開き直るときがくる。

苦しい状況を肯定したとき、力が漲ってくる。それは研究でも明らかになっている。じつのところ苦悩というやつは、世間で恐れられているほど悪い奴ではない。仲良くした方がいい。

⑨過労死ラインを超えると心身に異常をきたす

とはいえとはいえ。標準的な労働者は、単月の時間外勤務100時間、複数月の平均80時間を超えると心身に異常をきたす。そして、その異常は長引くことが多い。

だから、無理をしないほうがいい。無理をしないといけない局面でも、過労死ラインを一定の基準に据えた自己管理が大事。会社は労働者への「安全配慮義務」がある。同時に労働者には我が身を守る「自己保健義務」がある

⑩職場の上司や同僚は頼りになる

さいごに。職場の上司や同僚は、あなたのことを全面的に守ってはくれないし、盾になってくれることもない。

しかしながら、助けを求めさえすれば力を貸してくれる。頼りになる。頑張っている人に無関心なひとはいない。心配してくれている。自分からじょうずに助けを求めること。そういう努力の必要な時期が、やがて来るだろう。

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