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ワクワクできることを“成長”と定義する組織開発

挑戦とは、自分を超えようとすることと言えるかもしれません。つまり、自分を知った上で設定する高みに挑むことです。これに対し、自分を知らず高みに挑むのは無謀と言われるのでしょう。「大谷翔平選手のようになりたい」と言う小学生に、正しいボールの握り方を教えたとします。大抵の場合、そう言われた小学生は素直に従うでしょう。彼らは、自然と自分を知っているのです。だから、成長できるのだと思います。

しかし、成長するにつれ、自分を知ろうとしない傾向が強まってくるように思われます。それは、自分を知る必要性というものを、意識的に理解することが必要になってくるからだと思われます。多くの場合、到達すべきゴールと、そこに到達しなければならない時期が与件されるため、そこから現在までを逆算して計画を立てるのではないでしょうか。つまり、自分を意識的に理解するとは、この計画が成り立たないことを、換言すれば、自分には出来ないことを、自分で認めることもあり得るということです。これは恐ろしいことで、おそらくは、ここで思考停止となり、無為な失敗を繰り返すか、そもそも挑戦すること自体を避けるようになるのではないでしょうか。

今の自分に何が必要なのかは、今の自分を理解せずして見出すことはできません。自分に必要な能力がわからなければ、自らが成長することもできないのです。そこで見直されるべきことは、与件されたゴールと時期を、自らに取り戻すことではないでしょうか。ひょっとしたら、自らに取り戻すと、そればかりではなく、あらゆることに対して解放されるのかもしれません。宇宙物理学者に個性的な人が多いのは、そのためでしょうか?

それはさておき、そもそも、自分は何をやりたいと思っているのか。自分は、どのように在りたいのか。自身の想いをチャンク・アップさせ、より抽象的な概念へと思考を進めることから始めてはどうでしょうか。抽象化は、決して目標を引き下げるという意味ではありません。常に、自身が最も望む最高の姿をイメージしながら行うことが必要です。そして、改めて時期を設定し、そこに向かう現実的なプロセス、そして具体的目標とチャンク・ダウンさせてみるのです。そうすれば、新しい道を見出すことができると考えます。

今、世間が求める“良い人材”とは、自らが欲する目標(何をやりたいのか、あるいは、どのように在りたいのか)をもち、その目標に到達する自分自身にワクワクしている人材と言えるかもしれません。

ここで、目標とは、ある種の具体性を持ちます。しかし“ワクワク”とは、相対的なものです。そこで、思考の起点を“ワクワク”に置けば、それは“楽しい”とイメージしても良いかもしれません。あるいは「苦にならない」という表現になるかもしれません。そして、そのような自分でいられる時を、ある種、永続させることができる姿が、おそらくは“目標”というものになるのでしょう。したがって、そんな時間を1分でも長く続けていくために思考し、それを実現させることが“成長”と呼ばれるものであると思います。

楽しい時間が、自分の力によって長くなっていくことは、楽しい。だから“成長”は、自分のためにあると考えることができるのだと思います。そして”楽しい”を感じられる人材だからこそ、求められるのでしょう。

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