私がパラレルワーカーになった訳 2
「ありがとうございます。これで踏ん切りがつきました。長い間お世話になりました。」
会社を辞めるように言いに来たお偉いさんたちに私は笑顔でそう言った。
その時私は本当にそういう気持ちだった。
だから、強制的に辞めることになったにも関わらず、何故か気持ちは晴れ晴れとしていた。
お偉いさんたちはきょとんとした顔をしていた。
辞めろと言われてお礼を言われたことはなかったのだろう。
辞める数か月前から難聴に悩まされていた。
会社の同僚との関係もしっくりいかなくなった気がした。
それよりも何よりも、私自身会社に行くことが苦痛だった。
会社員の立場ではコーチをしていることを隠し、
コーチとしては会社員と言う立場でいることを私自身が潔しとしていなかった。
常にジレンマがあり、常に葛藤があったんだと思う。
13年間いた会社を半ば突然に辞めることになったのだから、引き継ぎは大変だろうと思っていたら、会社のトップからこう言われた。
「引き継ぎは一日で終わるだろう?」
厄介な社員はとっとといなくなった方がいいとおもったのだろうか?それとも親会社のトップの意向だったのかは分からない。
13年働いて引き継ぎが1日でいいわけがない。
私の直属の上司と同僚が「それは困る」と言ってくれたので、ちゃんと引き継ぎはできた。
「引き継ぎは一日で終わるだろう?」
その一言を聞いたとき
「あぁ やっぱり辞めて良かった」
そう思った。
自分を棚の上に上げるつもりはないが、自分の事を認めてくれなかった会社に未練はなかったし、「こっちから願い下げなんだよ!」そういう気持ちだった。
辞めることになった二日後、難聴は見事に治った。
身体は正直である。
「さて、年末に向けて見事に無職だなぁ」
コーチという仕事があるにも関わらず、会社員という立場が染みついた私だった。
これが一年前のこと。
あぁ 懐かしい(笑)
・・・続く・・・。
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