「なぜ転職したいのに転職しないのか」を読んで考えたこと
こんにちは
イデアレコードの左川です、
リクルートワークス研究所が発行した「なぜ転職したいのに転職しないのか ―転職の“都市伝説”を検証する―」が面白いと同時に興味深かった。また人事だけでなく各部署の採用に関わるメンバーにも理解してもらうためにこのデータをどのように見て考えていくべきなのかということを自分なりに考えてみた。
「転職をしなくても問題がない」が普通
ここ数年、採用の売り手市場が促進されると同時にカジュアル面談の希望が増えているなというのは感じていた。そこで多くの方が口にするのが「今の職場に強い不満があるわけではない。だが、今よりも"良い"職場があるのであれば検討してみたい。スカウトをもらった会社や興味のある会社の話を聞いている。」ということだ。
自分の感じていたこととデータは一致していた。
売り手市場が促進するとともに従業員の離職防止のため、待遇や業務、制度等を改善している企業が多いので、上記のような心情になっていると推測される。
こういうモードになっている方に対しては、何かしらの突破口がないとカジュアル面談から次にステップに持っていくのは難しいし、それなりの時間と労力がかける覚悟が必要だ。そうなるとすべての職種というわけではなく、特定職種やポジションに該当するときに絞るというのが現実的と思われる。もちろん人手とお金に余裕のある会社には関係ない話ではあるが。
「転職迷子」へのアプローチ
「転職迷子」というキーワードは初めて知ったが、その兆候は確かにあった。人材会社やスクール系の会社のプロモーション等の結果もあってか、20代後半~30代前半あたりの職転組は増えている。特にデザインやコーディング、エンジニア等のクリエイティブ/開発系は非常に多い。それらの方々はやりたいことが明確になったわけであるが、それらの年齢になってくると「今の仕事をそのまま続けていいのか」「10年後も続けていく自信がない」と考えてくる人も多く、その一部が「転職迷子」となっていると推測される。
「自分にあった仕事がわからない」を年齢別でみると「25~34歳」が最も多く、20.8%となっているのは驚きを隠せない。
うちの会社の場合は、前職の経験が活かしやすい職種が多い。むしろ飲食店向けのソリューションを提供しているというニッチな業界であるため、ピンポイントで同じような業務で経験を積んでいるというケースが少ない。実際に会社で活躍しているメンバーの多くも他業界から来てこれまでの経験を活かしているのが多い。また、カスタマーサクセスのように近年確立したような職種については経験者自体がまだまだ少ない。そのため面接では「これまでの経験を活かせそうか」というのがスキル観点では重要視される傾向にある。カスタマーサクセスは人気職種となっているが、こういう背景もあるんだろうなとも感じる。
そうすると求人媒体では「自分にあった仕事がわからない」方々に向けたメッセージを強化していくことによってエントリーは拡げられるのではないかと思ったりもする。さっそく試してみるか。
「転職回数」をどう考えるか
面接後に人事と検討する際に必ず挙がるのが「面接回数が多いが、採用しても大丈夫か?」ということ。もちろん「会社が倒産した」「パワハラが酷かった」「給料未払いがあった」等の会社要因によるものもあるが、不安になるのは否めない。個人的にはある程度の長く在籍していた会社があるかどうかで見極めているが、今後はその考えも変えなくてはいけないとも思う。
まず今の採用市場を考えると転職回数で上限を設けるとパイが一気に狭くなってしまう。転職回数の平均値は増加傾向にあるだろうし、それはあくまで考慮事項の一つでしかないとする必要がある。むしろ重要なのは転職後の満足度を上げることで長く在籍してもらうようにすることだ。
「会社の理念やビジョンを重視した人」の80.7%が転職に満足、「仕事内容」は68.0%、「成長機会」は70.8%が満足というのはかなり高い数値だと思う。そうすると必然的に「会社の理念・ビジョン」「仕事内容」「成長機会」を満たせる方を採用していくべきであろう。また同時にそれらがマッチしている人からのエントリーが来るように求人もブラッシュアップが必要だ。
※上記のものは以前より重要視される傾向にあったが、改めてデータで実証されたことで、より一層自信を持って推し進められるという意図である。
おわりに
ざっくりとではあるが、レポートを読みながら考えたことである。
何かの参考になれば幸いである。
リクルートワークス研究所のレポートは面白いので、今後もウォッチしていきたい。
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