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買い物かごを使いたくない人が増えている?

 スーパーマーケットやコンビニ、ドラッグストアなどで買い物をしていて、あることに気づいた。店の買い物かごを使わずに商品を手にもってレジに向かう人が最近増えているような気がする。

 もちろん、小さな商品を一つか二つ買うだけのときに、わざわざ大きなかごにいれるのは、何か “気が引ける” というか、申し訳ない気がしてかごに入れずにそのままレジにもっていくことはあるだろう。自分でも時々やっていると思う。でも、両手いっぱいに商品を持ってレジに向かう人を見ると、それはそれで結構大変ではないかと思う。たまたま、こちらが気にするようになったからこういう人の姿が気になるようになっただけかもしれないが。しかし、どうもそうとも言えないような気がしだした。

 レジ袋が有料化されたからか?いや、店の買い物かごを使っても使わなくても、結局支払い後は手持ちの袋か有料の袋に入れるわけだから、これは理由にはならない。

 面倒だからか?これはすこし分かるような気がする。買うか買わないかはっきりしないまま店内に入り、目当ての商品が見つかったので手に取る。そうやっているうちに、かごを取りに行く間もなく両手いっぱいになってしまう。近くを見渡しても空きのかごは見当たらない。入口まで戻ってかごを取ってくるのもなんだか面倒くさい。逆に、もし目当ての商品がなければ、そのままかごを返す必要もなく店から出ていけるから、かごを持たずに店に入る方が後のことを考えると楽だ。こういう理由ならありうる。

 単純に買い物かごを使いたくないから?コロナ禍以降、みなの衛生意識が高まったのは間違いないだろう。誰が触ったかわからない買い物かごに自分が買う商品を入れるのに抵抗を感じる人がいるのは想像できる。そのためか、店によっては、かごを頻繁に消毒していることを張り紙でアピールしているし、かご用の消毒液まで横に備え付けてくれている店もある。使ったことはないけど。

 自分が子ども時代、八百屋に行けば野菜や果物は古新聞に包んで渡してくれたし、豆腐屋では店の人が素手で豆腐をすくって容器に入れてくれていた。もちろんキャッシュレスなんて言葉もなかった時代だから、店の人はその手で現金の受け渡しをしていた。今の衛生概念からはなかなか考えられないことをしていたように思う。

 昔のようなやり方でもいいとは思わない。でも、あまりにも過剰に清潔さを求めすぎると、かえって不自由な思いをして精神的なストレスを高めることもあるのではないか。そういったことも含めて一番良い落としどころを目指す、つまりバランスよくできればいいのだが。もちろん、難しいことだとは思うけど。

 といったようなことを考えたのは、たまたま買い物に行った店で、たくさんの商品を手に抱えた客がレジの上でうっかり商品をぶちまけ、そのいくつかが、勢いで床にも落ちてしまうという気の毒な場面を目にしたからだ。あのお客さんは、下に落ちた商品も買って持って帰ることになったのだろうな。

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