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バズる文章教室は、バズらないけど誠実な文章読本だった

毎月それなりの量の本を読んでいるのだけれど、それに加えて最近はとみこさん主催のコミュニティで月イチで課題図書が出るようになりました。

で、先月の課題図書が「バズる文章教室」という名前のコレ。

もう、名前がすごい。コレを読めばバズる文章が書けるようになるのか!?という期待をビンビンに煽ってくる。

結論から言いましょう。これを読んでも、バズる文章を書けるようにはなりません。

内容自体はとてもよくまとまった文章読本です。現代文ならぬ現在文の研究資料としては、タイムリーでよくまとまっていて、さすが文芸オタクを自称するだけある!という内容でした。

なので、本の値段以上の価値はあります。問題なのはタイトルです。時代に迎合して、売れるように内容と違ったニュアンスのタイトルをつけてしまった感が否めません。

でも、結果的にAmazonでベストセラーで推されているところを見ると、戦略的に売れるタイトルをつけたのもあながち間違いではなかったのかもしれませんが...


現代文から現在文の時代へ

この本の内容は、数々の作家の文章を取り上げつつ、そのスタイルを分析・解説するというものです。

作家リストはAmazonの説明文にズラッと並んでいるのでそちらを見てください。

これだけ種類豊富に色々な人の文体を解説しているので、ほとんど自分では使えない手法もありますが、中にはハマりそうな手法も混ざっています。

1冊読んで、文章表現の引き出しが2-3個増えるなら、悪くないんじゃないでしょうか?


特徴的なのは現代作家や、作家じゃない人(塩谷さん、かっぴーさんetc)も入っている点。

こうした人の文体って、現時点では作家外の枠なので歴史もないし分脈として醸成もしていないんですよね。

ただ、時代性にはとてもマッチしていたりする。

現代文の研究は色々な大学で論文を読めますが、現在文は今まさに日々変わっていく表現なのでまとまった資料ってなかなかないんです。

そういう意味では、この本のように2019年現在の文章コンテンツについて分析している(部分もある)のはとても興味深いところです。


文体観察好きなら買ってOK!

総じて、楽してバズりたい人は買うと納得できないかもしれません。文体表現に興味のある人は色々な着眼点を知れるので、文体観察好きな方にはオススメします。

この本、たぶん自分だと手に取らないやつなので、こうして課題図書として出てくると日頃読まないものも読めて刺激になりますね。

実はこれ7月の課題図書で、8月のがまだ手付かずだったり...

どこかで1週間くらい、ひたすらこもって本だけ読める時間が欲しい今日この頃です。


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