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ノンアルとアルコール、同じグラスで乾杯をする意味

先日、吉祥寺のお店でおこなった月イチイベントでは6名中3名がノンアル希望だったんですね。で、それにあわせて結構ノンアルにも気合い入れまして、割と手間のかかる前日夜から仕込むようなのものをお出ししました。

結果、よろこんでいただけて一安心なのですが、その時に参加者さんがおっしゃった言葉がすごく心に残っています。

「ノンアルでもアルコールと同じグラスで乾杯できるって嬉しいんですよね!なんだか仲間に入れた感じがして。」

「みんなビールジョッキなのに自分ひとりだけウーロン茶だったりすると、なんだかやっぱり仲間はずれな感じがして寂しいんです。」

吉祥寺のお店ではグラス類はTIME&STYLEさんの国産型吹きガラスによるクラフトグラスを揃えていまして、薄造りで口当たりがよくとても良い品です。(吉祥寺のお店で販売もしてます)

上記以外にもワイングラスとスパークリングワイン用のグラスがあって、お飲物に合わせて変えているのですが、アルコールでもノンアルでも基本的には最初は同じグラスでお出しします。

それは特にノンアルの人に喜んで欲しいとかではなく、ノンアル=適当でも良いという考えがイヤだったんですね。

むしろノンアルの方が手間はかかるんです。

状態管理の手間はあるものの、仕入れて抜栓して注げば良い完成品のお酒と違って、オリジナルのノンアルの場合は前日や数日前、それこそシロップなら数ヶ月前に仕込んだりする事もあります。

こだわって作られたお酒と同じくらい繊細なぶん、なるべくそれがストレートに伝わるような薄造りのグラスの方がいい。味わいを意識して同じグラスを選んだら、意外なところで喜ばれたことで驚きました。


見過ごしてきた被差別側の目線

「同じグラスで乾杯するのが嬉しい」と言われてみて、思い返してみると...たしかに、宴会の場の最初の乾杯で、ノンアルの人だけタンブラーグラスのウーロン茶で、あとはビールジョッキって事が多かった気がします。

もしくは、雰囲気を壊さないように最初の一杯だけは無理をしてビールを飲むけれど、2杯目以降はウーロン茶とか。

そうか、あれってビールジョッキ側はなんとも思っていなかったんだけれど、無理させちゃってたし、自分だけ違う感じがチクチク刺さったりしてたのかなぁ...と、言われてみて感じました。



ノンアルでも良いグラスを出しましょう!

これは色々な飲食店の方に伝えたいのですが、ノンアルでもきちんとワイングラスやロックグラスなどを使って、ちゃんと味わいが伝わるものをお出しして欲しいと思うのです。

ノンアルなんて儲からないから、食器にコストかけられない!という意見もわかります。

でも、酒屋さんに言われるままに普通に仕入れたオレンジジュースじゃなくて、ちゃんと選んだオレンジジュースをその味がいちばん伝わると思うグラスでお出しして欲しい。仕入値も上がるし、ちょっと値段あげてもいいと思う。

もう一歩言えば、お店のウリになるお料理やお酒を選ぶのと同じくらいの情熱で、美味しいと思う飲み物を開発して欲しい(うちも色々とチャレンジ中です)

お料理やお酒類でやっているはずの当たり前のことを、ノンアルでもちゃんとやる。たぶん、それだけでお店での楽しい時間がもっと良くなる人は多いはずです。(売上もあげられる可能性があります)


体験を誠実に大切につむぐようなお店が増えていけば、お酒の売上ばかりに頼った呑ませて稼ぐ収益構造も変えていけるかもしれないし、レストランで食事を楽しめる人がもっと増えるんじゃないかなぁ...

そういうお店が増えて、レストラン業界がもっと楽しくなったらいいなぁ、と業界の片隅で考えています。

ノンアルの新しい呼び名を考えたい今日この頃...
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