育児新兵諸君への家庭内パンデミック防衛論
育児期の家庭にとって、年末年始は戦争だ。
すでに季節は12月。年末年始は育児世帯にとってはイベント盛りだくさんの大繁忙期だ。実家への帰省がある家では民族大移動もあるだろう。
なんで好きこのんで激混みの新幹線自由席で暴れる子供たちを世話しつつ移動しなければいけないのか?かと思って車を使えば今度は渋滞にハマり、渋滞の中で腹が減っただトイレ行きたいだ大合唱が始まりかねない。。。
それなら家で過ごそうとしても、年末年始は恐怖の冬休みの為、育児の手間は一気に増える。なのにシーズン的には財布の紐緩め隊がスキあらば諭吉を奪おうと虎視眈々と狙ってくる。
これはもはや、育児家庭にとって一年の中でのボス戦、クライマックスと言ってもいいだろう。
時間も金も、手間も愛情も、あらゆるリソースをつぎ込まねばこの危機は乗り越えられない。
だが、一つ忘れていないか?
今の季節に元気になるのは、財布の紐緩め隊だけじゃない。そう、憎きあのウイルスどもが元気になる季節なのだ。
今日はクリスマスとお年玉という眼前の敵に気を取られている育児新兵諸君に、背後からいきなり襲ってくるウイルスと家庭内パンデミックを防ぐための防衛術をお伝えしよう。
いいか、合言葉は「やられる前にやれ」だ!
手洗い、うがいは徹底せよ
諸君は外出時の手洗い、うがいはしているか?
当たり前だろうって?親がするのは当たり前だが、こども達にもちゃんとさせているかは自信を持って言えるだろうか?
「手を洗いなさ〜い!」と言って洗うのを水音だけ聞いて良しとしていないか?
はっきり言うが、諸君の息子や娘は手を洗っていない。濡らしているだけだ。
いいか?ウイルスの厄介なところは、目に見えない点だ。濡らしただけでは洗い流せない。そのまま素手で食事をすれば、一発アウトだ。
咳、鼻水、喉の痛みに微熱...その程度で済むならばいいだろう。
しかし、感染性胃腸炎などの嘔吐をともない家族中に回る爆弾を手につけて帰ってきているかもしれない。インフルエンザにノロウイルスにRSウイルス、おたふく風邪に風疹に...ヤバいウイルスは実はそこら中にいるのだ。
手洗いだけは徹底させた方が良い!古今東西、戦場では補給路を断つことは鉄板の戦略の一つだ。絶対に敵を家の中に入れてはいけない。
よく食べよく寝て体を冷やすな
もしもウイルスに家庭内への侵入を許し、あまつさえ体内への侵入を許してしまった・・・
君たちはベッドの上で己の不幸を嘆く前に、やれる事がある。
病院へ行け。
いや、その前にまずはきちんと食事をし、よく寝て、体を温めるようにしろ。
間違ってもこの時期の徹夜や寝不足はNGだ。師走?師匠や上司を走らせておけ。その為の高給だ。
忘年会で二日酔いで薄着で寝るなど論外!納期がやばい?睡眠よりも大事な納期などない!寝てから考えろ。
光熱費をケチってエアコンをギリギリまでつけないのも頂けない。金で買える健康は買うべきだ。その分は旦那の小遣いや自分のヘソクリを減らせばいい。
体調不良で失う数日間の経済価値は計り知れない。
しかも運が悪ければ家庭内で倒れるのは1人ではすまない。最悪の場合、家庭内パンデミックを起こし半月ほど誰かが常に具合が悪い状態になりかねないのだ。
こどもの医療費は無料かもしれないが、親である君たちの医療費は国保で3割負担だ。往復の病院への通院時間、体調不良で集中力を欠いた数日間。その落ちたパフォーマンスは取り戻せない。
それでもダメな時に備えろ
ここまで聞いても、育児新兵諸君は「でもうちの子供は生まれて半年風邪なんて引いてないしなぁ。いたって健康だし、大丈夫っす!」な〜んて、甘ったるいことを考えていやしないか?
そこのおまえだ!!!
甘い、甘すぎてカロリー過多でメタボ健診に引っかかりそうだ。
いいか?こどもの体調不良は特殊部隊並のスピードで強襲してくる。新米の君らを落とすなどウイルスにとっては朝飯前だ。
元気にスヤスヤ寝ていたわが子が、突然ベッドの上でマーライオンになり、仰向けで噴水のように嘔吐をするかもしれない。
その際、適確に感染を防ぐ処置ができるか?
スマホで症状を調べている時間も余裕もおそらくない。思わず素手で吐瀉物を受け止めたが最後、君もジエンド。2日後には感染性胃腸炎で仲良くマーライオンだ。
だから悪いことは言わない。使わずに済むならそれでいいから、これだけは用意しておけ。
【いざという時に備えるリスト】
(1)使い捨てゴム手袋
(2)使い捨てマスク
(3)ハイター
(4)使い捨てシーツ
(5)こども医療電話相談(#8000)登録
(6)最寄りの小児救急外来のある病院チェック
(1)使い捨てゴム手袋
たとえ愛するわが子の吐瀉物でも素手で触ってはいけない。吐瀉物どろこか、本来は鼻水ですらNGだ。鼻水を吸い取る機械もあるが、安いチューブ式の親が口で吸うタイプだと高確率で親も感染する。当たり前だ。なるべく電動を使おう。
とにかく汁っぽいものは素手はNGだ。そして、吐瀉物の場合はゴム手袋ごと密封して捨てること。間違ってもコンビニのゴミ箱とかに捨ててはいけない。(コンビニバイト時代に何度か遭遇した)
(2)使い捨てマスク
人体で守るべきは口だ。正確には喉だ。
飛沫感染のウイルスは、喉に少量の飛沫がくっつけばもう侵入完了。あとはじっくりと体内で培養され、気づけば病魔に侵されている。
マスクは本当に小さなウイルス相手には無力な弱いフィルターの物もあるが、だからと言ってしないよりはした方が良いだろう。プラシーボ効果も期待できる。
(3)ハイター
世の中には、アルコールに耐性のあるウイルスも存在するのだ。例えば感染性胃腸炎の場合、アルコールでは濃度が薄いとほぼ死滅しない。
アルコールで拭いていい気になっていると寝首をかかれるぞ!
奴らを倒すには熱湯かハイターしかない。毎回熱湯は用意できないだろうから、吐瀉物をマスク+ゴム手袋で洗ってからハイターに漬けるんだ。
もちろん、洗濯は他の洗濯とは分けること。
場合によっては洗濯を諦めて燃えるゴミに出すことも検討していいだろう。選択する事が大事だ、洗濯だけに。
.....うん、悪いことは言わないからハイターは買っておきたまえ。
ついでにドアノブや手の触れる場所も薄めたハイターで拭いてから、ウェットティッシュで拭くんだ。めんどくさいという意見は却下だ!感染すればそのめんどくささすら、やっておけばよかったと後悔するぞ。
(4)使い捨てシーツ
100均でも売っている介護用シーツでいい。騙されたと思って数枚買っておけ。
これはおねしょから嘔吐まで全て対応可能な優れものだ。
ただでさえ洗濯物の多い育児期にでかい寝具を洗うのは手間だ。使い捨てのシーツがあれば、その労力を大幅に省略できる。
役立つ日が来ない事が望ましいが、備えあれば憂いなしだ。
(5)こども医療電話相談(#8000)を登録
もしもこどもの症状が何かおかしかったり、嫌な予感がしたら、迷わずに電話しろ。症状の変化と時刻、食べたもの、その時の様子、測れれば熱などもメモしておくべきだ。
世の中には病状が急変したり、突然悪化するタイプのものもある。素人判断は危険だ。
誰かにちょっと迷惑をかける程度で、幼い命を救えるならば安いものだ。運営は厚生労働省、つまりは国だ。遠慮はいらない、その為の税金だ。
そして、もしもこども医療電話相談でとりあえず様子見と言われても、もしも親である君たちが嫌な予感がするならば、アドバイスは無視して次の(6)の小児救急外来へ行け。頼るべきはプロだ。
(6)最寄りの小児救急外来のある病院チェック
最低でも1箇所、できるなら2-3箇所の小児救急外来のある病院をチェックしておけ。もちろん、そこまでの経路と時間もだ。
何かがおきてから調べていては間に合わない。そもそも、事が起きた時には正常な判断などできない。
胃腸炎のマーライオン状態もヤバいが、熱性痙攣や泣き入りひきつけなど突然わがこがエクソシストになるのだ。画面の中ならキャー!ですむが、リアルに遭遇するとビビりすぎてパニックになるぞ。
だからこそ普段から電話番号をチェックしておき、いざとなれば様子をメモりつつ相談して診察を受けよう。ほとんどの病気は早期診断で助かることはあっても悪化することは少ない。
医療機関側からすれば、適切な患者の受け入れにうんぬんという事情はあるだろう。でも、わが子を守るのは自分しかいないという事を忘れてはいけない。
モンスターペアレントと呼ばれようが、子供の健康と安全が第一だ。
頼れるモンは全て頼れ
この際だから言っておこう。まんがいち撃ち漏らしたウイルスに侵入され家庭内パンデミックを迎えたら、頼れるモンは全て頼れ。
親、親戚、兄弟、ご近所さん、勤め先や取引先にも遠慮はするな。
なってしまったものは仕方がない。一度でもパンデミックを経験していれば、おそらくみんな暖かい理解を示してくれるだろう。
もちろん家庭内パンデミックなど、ならないことが一番いい。
育児新兵諸君が無事にこの年末年始を乗り切り、ここを読んで備えることで防げる悲劇が一つでもあれば本望だ。
余談だが、治ったと思ってもまたぶり返したりもする。油断は禁物である。
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