削るとは、尖ること

日本ではほぼ全員が小学校の頃に義務教育で加減乗除を習います。足し算、引き算、掛け算、割り算。で、最初に習うのは足し算で、次に習うのが引き算。

これは何も数字に限った話ではなくて、文章でも設計でもデザインでも料理でも同じなんです。最初に技術や知識の足し算、それができてからいらない所を見極めて取捨選択して削除する引き算、無駄を省くことが大切。

でもこれって、足し算よりも難しいんです。


文章の足し算と引き算

例えば文章、短い文章しか書けない人が訓練の末に長い文章が書けるようになる、でもそうなると冗長でまとまりがなくて最後まで読んでもらえなかったりもする。

そこで今度は文章の引き算で、いらない部分を削って、ぼんやりした部分を要約してギュッと詰める。そうするとメリハリが効いて読みやすい文章になる。

これを書いた本人が推敲してやるのって、実は結構難易度が高いのです。なぜなら、客観的に見れないと何が無駄で何を残して何を削るのか判断ができないから。

で、この職能を大ざっぱに分離すると編集者になります。(正確には編集者の職能の一つですが)


尖らないと刺さらない

誰かの心に残る表現をするには、尖らせる必要があります。

ありきたりの表面を撫でるような言葉だと上滑りするし、強すぎる勢いのある言葉をぶつければ反発して避けられちゃう。

圧倒するような文章量は、読まれずにスルーされちゃうかもしれない。

だから無駄を省いて、削って、尖らせないと刺さらない。

ほぼあらゆる人間を対象にした表現は、心を動かすことを目的の一つにしています。そして、心を動かすにはまず心まで届かないといけないんですね。


芯がなきゃ尖らない

もう一個大事なのは、その文章や表現には芯があるのか?ということです。

これはいわゆるコンセプトとかキーフレーズとか言われたり、オチとかパンチラインとか言われたりしますね。

この芯がないと、いくら削って尖らせてもあまり刺さらないんです。芯のない鉛筆をいくら削っても何も書けないように、芯のない表現は刺さるかどうか以前に印象にすら残らない。

ところが、この芯を据えて肉付けして盛ってから削って尖らせるって難しいんですよね。今日もここまでで900文字。1000文字くらいでキッチリまとめるのって、何度練習してもなかなか大変。

デザインも同じで、ついついいろいろな技術や表現を盛りたくなるのだけれど、適度に削って芯の表現を際立たせないと刺さらない。

これはホント、いつまでたっても永遠の課題です。

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