矛盾と前提 Vol.54

色々な意見を書いたりしていると、話が矛盾してるのではないかという状態になることがあります。矛盾は、意見だけに限らず、醸造中にも起こりますし、経営の方針決定でも起こります。
例えば、朝令暮改な方針を見たら、矛盾していると思うでしょう。そして、一般的に矛盾しているというのは良くないことと捉えられます。
しかし矛盾という話は、極めて論理的な観点の話であり、前提の話が抜け落ちていると思っています。先程の経営の話であれば、朝と夜で経営環境は違うわけですから、矛盾するディシジョンがあって然るべきです。言葉だけ取り上げたら矛盾していますが、異なる前提で行った判断ですから、それを比べることに意味はありません。
そう考えると、臨機応変に動いている人は矛盾だらけに見えるでしょうが、それは前提の変化に対して適応している可能性があるのです(もちろん、本当に支離滅裂な場合もあるとは思いますが)。
論理的整合はある前提のもとに意味がありますが、前提がどんどん変わっていく現在では、論理的整合よりも矛盾する行動、意見の方が優れている場合があるのだと思います。矛盾しているから悪いとするのではなく、前提の変化を常に意識すべきだと思います。
こう考えると、じっくりロジカルな戦略を練ることも必ずしも正しいとは言えないのでしょうね。

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