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【目印を見つけるノート】217. 大切なものを守るために……ライブハウスと書店

今日はいくつか、拾ったニュースから思うことを。

私がこのnoteを始めた2020年4月、大きなテーマは『ライブハウス』や『閉店していくお店』でした。ライブハウスについては、クラウドファンディングや支援グッズ販売のURLを載せたりしていました。例えばこのようなこと。

【目印を見つけるノート】15. 今日はライブハウスのことだけです

それから、配信ライブがどんどん開催されるようになって、これからの重要な手段になるといわれていたように思います。私も何度か利用させていただいています。

きのう、このようなアンケート結果を見ました。
『全国のライブハウス/ミュージッククラブ(ライブバーやライブカフェ、DJバー等を含む)を運営する事業者の方々へのアンケート』(SAVE OUR SPACE実施)
http://save-our-space.org/survey-results/

いろいろ、考えさせられる内容でしたが、一般の観客として注目したのは、設問17の「ライブ配信での売上は通常時の売上と比較して何%ぐらいの売上になりましたか」という項目でした。
「10%以下」が回答数の約44%、「40%以下」までで約88.7%を占めています(回答内容から筆者計算)。「100%」はありません。

配信は、観客にとってはありがたいものですが、現状は救世主になっていないということです。

損益分岐点などは店舗によって異なると思いますが、観客を入れられず配信だけ、ごくごく少数と配信の併用という手段を取っても継続するのはかなり厳しい状況ではないかと推察します。

現状だと「1ヶ月~半年持つかわからない」(設問32)と答えているライブハウスが6割にのぼります。

それでは、どうしたらいいのだろうという答えが明確に出せるはずもないのですけれど、現状を知ることはとても大切なのだと思います。そこからです。
そうしたら多少なり知恵を寄せあうこともできると思います。


⚫老舗の書店も

けさのmizuho furuhataさんのnote、
出版業界ニュースまとめ2020/11/06

こちらからこのような記事をたどりました。

『パリの有名書店、経営危機を公表
ヘミングウェイやギンズバーグも常連の店、ネットショップの利用を促す』(Timeout Tokyo)
https://www.timeout.jp/tokyo/ja/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9/%E3%83%91%E3%83%AA%E3%81%AE%E6%9C%89%E5%90%8D%E6%9B%B8%E5%BA%97-%E7%B5%8C%E5%96%B6%E5%8D%B1%E6%A9%9F%E3%82%92%E5%85%AC%E8%A1%A8-110520

引用します。
『オープンからちょうど1世紀が過ぎた今、同店は閉鎖の危機にあるという。売り上げは2020年3月から80%近く減少。現在のオーナーは、10月下旬に発表された声明の中で「多くのインディペンデントなビジネスをしている人たちと同じように赤字が続いているが、私たちは前に進む道を見つけようと奮闘している」と述べている。』

パリの書店、『シェイクスピア・アンド・カンパニー』については以前本項でも取り上げました。
【目印を見つけるノート】138. ストーンズの楽屋とパリの英書専門店

こちらもたいへんなことだと思いました。

この書店だけではありません。
ニューヨークではこのようなことも。
『ニューヨークの独立系書店、山積みの箱で苦境をアピール』

https://www.timeout.jp/tokyo/ja/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%B9/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%A8%E3%83%BC%E3%82%AF%E3%81%AE%E7%8B%AC%E7%AB%8B%E7%B3%BB%E6%9B%B8%E5%BA%97-%E5%B1%B1%E7%A9%8D%E3%81%BF%E3%81%AE%E7%AE%B1%E3%81%A7%E8%8B%A6%E5%A2%83%E3%82%92%E3%82%A2%E3%83%94%E3%83%BC%E3%83%AB-102120

感染症の影響が大半でしょうが、ネット大手にパイを取られているというのが見逃せないポイントです。だからこそ、ニューヨークの書店がこのようなアピールをするのでしょう。
文字通り、「弱り目に祟り目」です。しかも、それは感染症で拍車がかかったにせよ、以前からあったことなのです。

「さあ、問題は表に出た。あとはどうする」という段階なのだろうと思うのです。

日本、パリ、ニューヨークと横断しましたが、いずれも共通の課題があり、まず現実をよく知ることが大切だと私は考えています。そして方策をたぐっていく。

そうですね、文化を守りたいと願うひとりの市民として。

そして、
最近、テレビやネットのヘッダーに、必要だと思う記事がないと思うことが増えました。趣味のビーズや天然石ぐらいでしょうか。
それもどうなのかな、「VRなのかなここ」と思ってみたりもします。

長くなりましたので、他は割愛します。

新しい道をもがきながら探して、大切なものを守るために闘っているすべての方に深甚なる敬意を表して、
note募集のお題を使わせていただきます。

おがたさわ
(尾方佐羽)

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