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書籍・資料・文献

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原稿を書くにあたり参考にした書籍・資料・文献などを紹介。書評・レビューではありません
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2019年1月の記事一覧

【書籍・資料・文献】『ミルクと日本人(中公新書)武田尚子

朝食に欠かせなくなった牛乳 毎日、牛乳を飲む子供は少なくない。なぜなら、給食で必ずと言っていいほど牛乳が出されるからだ。国籍を問わず、牛乳は食生活に欠かせないモノになっている。

 それは牛乳が栄養を豊富に含んでいるからだが、幕末までの日本では牛乳はさほど飲まれていなかった。牛乳を飲用する習慣は、開国によって外国人からもたらされた。

 当時、牛乳を誰よりも欲したのは、イギリス公使のハリー・パーク

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【書籍・資料・文献】『ウォーター・ビジネス』(岩波新書)中村靖彦

水道法の改正で、日本の飲用水はどう変わる? 先般、国会では水道法の改正が議論されていた。その法改正は、水道民営化とも評されたが、あまり議論されることもなく可決成立した。

 海外に足を運ぶとすぐに気づくが、水道から出てくる水を飲用として用いる国は少ない。

 全土で安心して水道水を飲用できるのは日本だけと言っても過言ではないだろう。

 諸外国で水が飲用に適さないのは、水道技術が未発達ゆえの衛生的

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【書籍・資料・文献】『国道の謎』(祥伝社新書)松波成行

都市にとって重要な道路 都市計画において、道路は重要なインフラに位置付けれる。江戸時代、人の移動は盛んになり、五街道をはじめとしてあちこちに街道が整備された。

 当時、道は人が歩ける幅があれば十分だった。江戸期の街道整備は大名行列や馬がその基準となる。

 明治初年には、開国した影響から外国人が乗りこなす馬車が道幅のスタンダードになっていく。さらに明治後期には、それが電気鉄道、いわば路面電車へと

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【書籍・資料・文献】『革新自治体』(中公新書)岡田一郎

議院内閣制と二元代表制 国と地方で異なる政治システム 安倍一強と言われる国政。対して、地方の構図は単純ではない。今般、地方統一選挙の統一率は低下の一途をたどる。

 統一率が低下すると、各都道府県市区町村がバラバラに選挙を実施することになる。

 各選挙がバラバラに施行されると話題性も薄れ、それは投票率の低下を招くとも言われる。

 しかし、統一率が低下したということは、首長が不祥事を起こしてきち

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