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週末工芸 Vol.10 クラフトテックで新しい伝統工芸の未来を考える#1イベント報告(質問集)

イベント参加者の皆様当日はありがとうございます。
主催の株式会社Qrethon(クレソン)の小川です。
イベントのグラレコと時間内に返答できなかったものをこのNOTEにてご報告しております。
また今後の活動の参考にさせていただけますと幸いです。
またイベント参加してないかたでこのNOTEに目を止まった方はまたグラレコをみてただければ「こんなイベントあったんだ」とみていただければ幸いです。
この記事の内容についてのお問合せは小川(オガワソン)までお願いします。一番下にSNSを記載しております。Twitter、InstagramのDMなどで。

イベント

グラレコ

やまぐちようこさまに書いてもらいました。
ありがとうございます。

グラレコ

質問集(イベント内で返答できなかった分)

イベントの時間がなく各ゲストに回答をいただきました。
見えていると職人さんの考えもすごく色々なヒントになるような内容です。
ディスカッションした内容ではないので一つ一つのご意見として読んでいただけると幸いです。

Q:今後、無くなっていく、もしくは手に入らなくなっていく材料、道具、技法、デザインがあると思います。そこをどのようにデジタルで補える、代替できることがありますか?!

松岡さん:なくなっていくものでデジタルに代替えできるものはしていき、
     デジタル以外のもので代替えできるものはそのようにします。

SHOWKOさん:価値とは何かということを、考えなければいけないと思い
       ます。たとえば、手作りということに価値があったのであれ
       ば、3Dで復元できたといても、価値がそのまま残ることはあ
       りません。今後なくなっていく技術に関して、デジタル技術
       であっても「同じ形が文化的財産として残る」ことに価値が
       あるのであれば、デジタルで代替できることはたくさんある
       と思います。 

三浦さん:仏像の形の変遷などは3dデータに残すことにより補えていくと
     思います。

Q:日本と海外とでの伝統工芸・手仕事に対する評価・反応が違うのはどういった理由からでしょうか?

松岡さん:文化など違いと思います

SHOWKOさん:一言では言えないですが、松岡さんのおっしゃってたよう
       に、文化の違いでもあると思います。答えは複数だと思いま
       す。工芸の価格が高い理由をしっかり教わっていない教育の
       問題。そのなかで量産品との価格競争に組み込まれてしま
       い、戦後の輸入品への憧れや、愛国心のなさからくる無理
       解。携わる方の自尊心までなくなってしまうような繰り返し
       がこの文化を育んできてしまったのかもしれません。

Q:インバウンドの対応ですが、通訳士がいなくても対応は可能でしょうか?!解決方法はどのようなものでしょう?!

松岡さん:対応可能です!中学生程度の英語とボディーランゲージ、何より  
     誠意と熱意特に伝えたいと思い思いが有れば大丈夫です!
SHOWKOさん:
通訳士にお願いしたほうが、より細かな表現までつたわり
       ますが、ぜったいに自分の口からつたえるようが伝わる、と
       私は信じていますので、英語が苦手でも、学ぶ姿勢は必要だ
       と思っています。製法などは動画、補完できることもあるの
       で、それこそいろいろデジタルを活用されたらよいかなと思
       います。
三浦さん:
通訳はいたほうが良いと思いますが、聞かれることは大体決まっ
     ているのであらかじめ英語に文章化しておいたら良いのではない
     でしょうか

Q:Web、ドローン、3Dプリンター、VR、等の多様なデジタルの手法でクラフトテックを確立している話がとても興味深く感じました。デジタルの手法を導入後の話・結果についてのお話はありましたが、導入する前の話(手法を決めたきっかけ、苦労した点など)について教えていただ期待です。

松岡さん:どの技法に活用するか、形状をどうするか、 デザインは?作品
     の中にこのデジタルは本当に必要かなどいろいろと自問自答や勉
     強をしました。きっかけは新聞で帯のシャトルが3Dできると掲載
     があったので取り組んでみました

SHOWKOさん:好奇心でいろいろチャレンジしてみたことなので、とくに
       苦労はないです。ただ、本当に時間がないので、睡眠を削る
       しかないのが、難点です。

三浦さん:ドローンに仏像を載せるにあたり、あまり重いものが載せられな
     い、音が結構うるさいということが購入後わかりました。重さに
     ついては仏像を3Dプリントで軽量化することによって解決し、
     音についてはテクノミュージックや雅楽、クリスタルボウルなど
     お坊さんが奏でる音楽と共演させることによって軽減化しまし
     た。

Q:伝統に関わる方で、今回のイベントような取り組みに興味、関心を持たれている方は、どの程度いらっしゃるのでしょうか? また、今後、このような取り組みは広がっていくと思いますか?

松岡さん:ほとんどの皆さんは感心と興味はありますが実行するかしないか
     やる気の問題と思います。

SHOWKOさん:相互に知識を共有できる場は必要だと思います。

三浦さん:私の周りの職人は一人でやってる人が多いので興味はあるけどよ
     くわからないし、デジタルを勉強する時間もないという印象で
     す。ただ3Dスキャナや3Dプリンタを導入してから見せてほしい
     と言ってくる人は増えました。

Q:これからのデジタルって1000年後も残るんでしょうか?デジタルをアナログに変換すると損なわれる部分もあると思います。どう残すか?どう残るか?みなさんのビジョンをお聞きしたいです。

松岡さん:私は個人的にアナログ派です。あえて全てデジタルにする必要は
     なく代替えできる物だけしそれ以外はアナログで工夫していきた
     いと思います。

三浦さん:多分残らないと思います。次世代の育成はアナログにこだわって
     いきたいです。ただデジタルを含めて色々なことに柔軟に対応で
     きる人材を育てていきたいです。

Q:伝統工芸に新しい要素を30%ぐらい取り入れたら新たな可能性が見出せるとおっしゃいましたが、どうしても変えられないもの、絶対守りたいもの、つまり伝統工芸の「真」のところは何でしょうか。

松岡さん:伝統工芸の真は技能 技術そのものです。

SHOWKOさん:昔ろくろは、量産の技法でした。でも今は「手作り」の技
       法だと認識されています。

三浦さん:手業と知識です。

Q:①デジタルだけど↔手作業でやっていることを伝える   
  ②新しすぎると理解できない↔30%新しいくらいがついていける。  
  ③プロダクト(製品)↔1点もの
相反する矛盾と絶妙なバランス感覚があるなかで、クラフトテックの(バランス感覚的な事を)何かわかりやすい定義で表すとどんな感じなのでしょうか

松岡さん:デジタルとアナログは180度違う物それを片方だけでなくアナロ
     グにデジタルを少し加えることで伝統工芸の光が見えていくので
     はと感じてやっています。

Q:もっと横の連携で情報共有ができないのか?伝統工芸の方の事業承継も相談に来られますが、大きな括りでの同業者同士のつながりがあれば、廃業でなく、集約して一つの事業がもっと強化されるのになあと思います。そういう意味で、このような取り組みがどんどん広がればなあと思っています。

松岡さん:そうですね。江戸時代の本阿弥光悦のように伝統工芸をまとめて
     いけるリーダー的な人がいると良いですね
SHOWKOさん:
今は行政がしてくれていることかもしれませんが、そうい
       う立場の人が民間にいるといいなと思います。販促や、人事
       や、広報などの、バックオフィスですね。ただ、その会社が
       存続するための仕組みをどうつくるか、ということかなと。

Q:幼少時からもっと伝統工芸に触れる機会があればなあと思います。せっかくの京都なので、学校のカリキュラムの中に制度として入れられないか。時間はかかりますが、まずは教育面から良さを知ってもらうすそ野を広げることはできないかと思います。

松岡さん:学校で少し体験教室などもあります。ただ子供たちはテレビやゲ
     ームYouTubeなどのほうが興味があるみたいでもう少し生活の中
     で工芸品に触れる機会が有ればもっと興味が出る子が増えるかも
     しれないです。伝統工芸に携わる人の生活が上場企業で務める人
     の収入、かっこ良さ、生活水準が上がると将来の夢の中にプロ野
     球選手やJリーガーYouTuberなどと同じように夢の職業の上位に
     出ると思いますので私は頑張ってます
SHOWKOさん:
教育はとても重要かと思います、上にかいたような民間企
     業がそういったカリキュラムを選択性で提供できるような仕組み
     があればと思います。
三浦さん:
工芸を子供達に伝えていくには、こんなに歴史があってすごいん
     だよみたいな知識ではなく、面白い工作技法としてまず体験して  
     もらいそれから実はこれは工芸ってものなんだよと伝えられると
     いいなと思います

Q:絞美京さんの3dプリンターを使った作品についての質問ですが、現在では従来の作品と3Ðプリンターの道具を使った作品とでラインナップを分けているようですが、この先にこの境をなくなることは考えられるでしょうか。つまり、デジタル技術を使っているのか使っていないのかを問題にしないということです。

松岡さん:あくまで伝統工芸品の中にある一つの商品シリーズであり当社と  
     してはブランディングの一環としてあえてシリーズ分けしており   
     ます。
     今までになかった道具でできた作品で板締めの立体感は存在して  
     なかったのでそこを強調したいため分けています。当社が先進的  
     伝統産業製品を作るその事で古いイメージの伝統工芸に新たな息
     吹を吹き込む事で当社のみならず同業者、その他の伝統工芸に注
     目される、少しでも伝統工芸に寄与できれば業界のイメージがア
     ップすると思うので浸透するまでシリーズ分けはしていきたいと
     思います。
     将来もっと身近に3Dやその道具がありその現状が普通になればシ
     リーズ分けはいらないかもしれないです。

まとめ

上記すべてからの私の感想ですが
この業界からデジタルとアナログは対比したものでないということにもなると思います。
デジタルも基本は道具になります。
これまでも織物機にしてもロクロにしても新しい道具として登場してきてます。
いかにデジタルを道具として活用していくかを職人が考え便利であれば後継者へつながっていくと思います。
またコミュニケーションを作りました。
少しでもデジタルを道具として使ってもらえることが新しく進化になればと思います。
またその点を弊社株式会社Qrethonでフォローできればと思っております。
また気軽にご相談してください。
一緒に考えるパートナーになれればと思っております。
ありがとうございました。

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