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給与格差は地雷原である

【課題】
業績が伸びてチームに人が足りなくなってきた時、中途採用や部署異動によって人を採用する事になると思いますが、そのときに発生する罠のひとつに「給与格差」があります。

中途採用でオファー金額を決める際に前職の給与をベンチマークにして
アップ査定によって口説くスタイルで採用していると特に発生しやすくなります。

また、長年運営されているチームでもままあります。

そして、たちの悪い事に「あの人あんなにもらってるだって」という噂は光の速さで広まります。本当に、一瞬です。

マネジメントする側としては「そうやって揉め事になるなら給与額なんて情報交換しないでよ」と思うんですが、悲しいかなそういう人は絶対にいます。この給与格差がもたらす課題は、離職です。

特に、有望、優秀な人が「こいつより俺が下ってなくない?」と辞めていくケースを記憶しています。

【解決方法】(この解決方法は、私が試してうまく言ったものです)
格差を起こさないためにどうするかと既に格差がある場合にどうするかの2種類があるのですが前者について書きます。後者についてはパワーと時間をかけて是正していく必要がありますが、長くなるので別の機会に書きます。

さて、格差を起こさない方法です。

給与格差が地雷原だ、と言ってもみんなの給料を同じにしろとはもちろん言いません。簡単にいえば「説明不可能な給与差を作るな」という事につきます。大幅な給与差があろうとも、説明がつきそこに一貫性があれば深刻に問題視する人は現れません。

具体的にやることですが、実はシンプルです。

1)中途採用時に自社の給与レンジに合わせて査定をする
2)一貫した査定を行う

実はこれだけです。

冒頭で説明した通り、あなたがチームの拡大に伴って採用の必要が出てきたとき、首尾よく候補者の方を見つけてオファーするときに、ほぼ100%初めは採用候補者の方に現職の年収を聞き、それを上回る額を持って年収アップのオファーを行う。という事を機械的に行ってしまうと思います。

これこそが、説明不可能な給与格差の原因です。

考えてみてください。あなたの会社、平均年収いくらでしょうか?
仮に600万円くらいだとして、候補者の方がきました。まさにアベレージの能力なのですが現年収は700万円でした。

機械的にHRの人に相談するとじゃぁ、700万円か、ちょっと色つけますか?みたいな会話をしてオファーをする事があるでしょう。

めでたくその方がオファーを受諾して、入社されてしばらくたった後、メンバーにこう聞かれたらどう答えるといいのでしょうか?

「あの人、なんで年収が700万円で僕よりも100万円多いんですか?」

答えられないはずです。なぜなら、自社の給与テーブルを無視したオファーだからです。これは何もアップだけではなくて、逆のケースも同じです。
逆のケースで現年収が450万円だから500万円でも十分だ、という事はあまりやらないほうがいいです。同じく、今度は新入社員の方に聞かれた時に答えられないからです。

というわけなので、必ず自社の給与テーブルにそって査定しなおす事をおすすめします。当然ダウンオファーを出す事にもなると思いますが、それで入社を断念されてしまっても、致し方なし。

採用は、チーム力を増す為に行うのです。わざわざチーム力が落ちる種を自分から蒔く必要はありません。

実際にやってみていただけると思うのですが、ダウンオファーで必ず断られれるかというと意外とそうでもありません。自社の魅力、人の魅力、可能性を感じてくれて入社してくれる事もあるものです。

次に一貫した査定です。

原則だけ説明してしまうと、自社に用意されている給与レンジに従って、一貫して厳しい査定も大幅UPも行う、というただそれだけです。

査定は納得感が非常に重要で、そしてそれは目標設定とセットなのですが、長くなりましたのでそれについてはまた別の機会に書きます。

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