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【第5話】家族の本当の闇

今日は「家族の本当の闇」について、自分の気持ちを書こうと思う。

私が20年以上目にしてきた家族の有り様というのは、家族の一員であったはずの私にすら闇の底が見えなかった。少しでも足を踏み外せば、すぐに普通の1日が崩れ去ってしまう…そんな日々を、家族全員が送っていた。

【読む時のお願い】
このエッセイは「自分の経験・目線・記憶”のみ”」で構成されています。家族のことを恨むとか悲観するのではなく、私なりの情をもって、自分の中で区切りをつけるたに書いています。先にわかって欲しいのは、私は家族の誰も恨んでいないということ。だから、もしも辛いエピソードが出てきても、誰も責めないでください。私を可哀想と思わないでください。もし当人たちが誰か分かっても、流してほしいです。できれば”そういう読み物”として楽しんで読んでください。そうすれば私の体験全部、まるっと報われると思うんです。どうぞよろしくお願いします。

【読む時の注意】
このエッセイには、少々刺激が強かったり、R指定だったり、警察沙汰だったりする内容が含まれる可能性があります。ただし、本内容に、登場人物に責任を追求する意図は全くありません。事実に基づいてはいますが、作者の判断で公表が難しいと思われる事柄については脚色をしたりぼかして表現しています。また、予告なく変更・修正・削除する場合があります。ご了承ください。


両親は私が物心つく前からすでに重度の共依存。

力で押さえつける者と、押さえつけられる者。父は「わが道」以外を一切認めず、歯向かうものは全てなぎ倒して行く。

母は父の怒声を聞けば、体を硬直させるか、ヒステリックに怒り始める。まるで調教された犬のように。反発し合うから、エスカレートしていく。

私は父から、存在価値を否定されるような罵声を浴びせられることもあった。思わず「お前が勝手に生んだんやろ!」と怒鳴り返してしまうようなこと。

それでも、遺伝的なものなのか。子供である私たちは、親を憎みきれない。どうすることもできず、暗い部屋で泣いて「自分がいなければ…」と思うような日々も過ごした。

私たち兄弟は常に両親の顔色を伺い、優しさと理不尽さの間を行き来しながら、彼らに気を許すことも、逆に嫌いになることもできずに混乱していた。

スーツを着た10人くらいの男性に父が取り囲まれて、連れて行かれたこともある。母親は顔をアザだらけにしていたこともある。

自分自身、理由もわからず父にふっ飛ばされたことも。

鬼のような形相で、母を張り倒す父を止めに入ったこともあった。まだ小さかった弟と妹は、顔を真っ青にして震えていたのを覚えている。

挙げだすと20年分、本当にキリがないけれど、そんな調子で4年前。本当に背筋も凍る事件が起きた。怒りをコントロールできない父が暴れ、私と母を守ろうとした弟が巻き込まれて大ケガを負ってしまった。

おびただしい血。慌ただしく家に入ってくる警察官たち。無言で連れて行かれる母親。逃げた父親。弟と一緒に救急車に乗った私…

その場で起きている状況を呆然と眺めるばかりで、実際に何が起きているかを理解したのは病院に着いた後。自分の服や手足についた弟の血をみて、体の奥底の方から「逃げないと殺される…」という叫びを聞いた日だった。本当にあの時は、生きた心地がしなかった。


こんな家族でも、楽しい思い出もたくさんある。だからこそ、こういう悲しい思い出との折り合いを、未だにつけきれずにいる。こういう気持ちを文章にしていくのは、まるでセラピーに通うように、自分の気持を整理する手助けになってくれている。書くのを迷ったり、ためらったりする気持ちと葛藤しつつ、未だ残る家族への愛情と、だからこそ悔しく、悲しい気持ちを書き綴って行きたい。

それが「バッタモン家族」を書く本当の目的。

上に挙げた目を覆いたくなるような事態の数々も、もう少し後で、整理のついたものから文章にしていければと思います。

※上記事件性を含む話の数々は、警察の捜査等々含めてすでに終了しています。書き出しの注意事項にもありますが、現状それを蒸し返したり、私の家族や関係者を責め立てたりする意図・必要は全くありません。ご覧になって頂いている方々もどうか”終わったこと”としてご理解いただけますよう、お願い申し上げます。

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