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無機質ディスクレビュー①The 1975『Being Funny in a Foreign Language』

こんにちは。無機質ディスクレビューの時間です。
記念すべき第1回は先週リリースされたThe 1975のニューアルバム『Being Funny in a Foreign Language』です。話題作ですが、言い尽くされたこの言論焦土を無機質にレビューしていきたいと思います。よろしくお願いします。

はじめに:The1975との距離感

イギリスのバンドだそうです。僕は基本的にイギリスのバンドが好きなのでこれは非常に好感度が高いです。ただ、最近軽いファンになりつつあるオロノ(superorganism)が何かのインタビューでイギリスという国そのものかイギリスのバンドかどちらかに対して「こうこうこういう理由でダメ」的なことを言っていたのが少し気になっていますが、まあその辺がイギリスのバンドの良さなんだけどね、と思いつつ、穏便に自分の気持ちに折り合いを付けました。

冒頭からこんな話をしていることからもお分かりいただけるように、僕は残念ながらThe1975の熱心なファンではありません。が、今回のアルバムの先行シングルとして最初にリリースされた「Part Of The Band」をノリで聴いたらあまりにも好きになりすぎて、結果的に過去作を遡って聴きなおして、サマソニのセトリをリプレイしまくって、「全く好きではない」という過去の自分の評価は改めることになりました。勝手に今時のColdplayみたいなシンセポップスタジアムバンドだと思っていました。Coldplayのみなさんにもごめんなさい。

日ごろから、自分は熱が入りすぎると周りが見えなくなるたちです。それ自体はまあ誰しもが持っている側面かと思いますが、一つそれに付随して直したいところというか、まあこれも僕固有のものというわけではないのですが、とりあえず自分の理想との乖離が激しすぎる部分として、僕の言説は「熱が入っているときほど説得力がない」ように感じられてしまうようです。そういう目を背けたくなる事実があります。なので、このレビューはそういう出発点から、ある程度自分が冷静に思考を整理できる距離感で、かつ、このレビューを最後まで書ききる程には熱心に好きな曲が存在するアーティストやそのアルバム作品を取り上げようと発起したわけです。そんな目的にぴったりのニューアルバムがいま眼前に現れています。

それでは本題です。

総合評価:★★★☆☆ (一聴の価値あり)

(星の評価基準はキネ旬Reviewと同じです)

ここまで歌い上げてもザ・歌もの、と感じないのは、歌詞が英語で僕が日本語話者だからなのか、サウンドがのっぺりしていないからなのか。なんか有名なプロデューサーがサポートしているようなので、その影響は少なくとも僕に対しては良い方向に働いているようです。というかジャケットが最高です。今回の先行シングル4つのシングルジャケットもかっこいいし、アルバムジャケットなんてスマホの待ち受けとPCの背景にしてますからね。ファンじゃないやつに限ってしがちなそういうムーヴを大学生以来久々にしてしまっています。

各曲レビュー

The 1975
アルバムの1曲目は全てバンド名のセルフタイトルになってるのは知りませんでした。終盤のエレキギターは最近耳にすることが減った音作りだったのでどことなく懐かしくて、旧時代の遺物として消えていくことなくフックアップされていることに安心しました。

Happiness

先行シングルで出た時から好きでした。この感じなのに歌入りまでの長さとか、かなり演奏がフィジカルなところとか、インスタントさがなくて好みです。ダンサブルなものは好きです。サックスも好きです。

Looking For Somebody (To Love)
速いね。好きです。

Part Of The Band

言うことないです。歌詞見ながら20回は聴きました。流れるような歌詞ですよね。こういう流れる歌詞がかける人は珍しい。

Oh Caroline
この感じで好きになるのも珍しい。と自分で思いました。

I’m In Love With You

らしい感じですね。多分ライブで聴くと踊ってしまうと思います。が、ハピネスと比べてしまうとハピネスのほうが好きが勝ちます。

All I Need To Hear

コメントが難しいですね。

Wintering
冬をテーマに名曲を作るのは非常に難しい。モチーフを入れるならなおさらです。

Human Too
④と⑪のためにほかの曲があるとすれば、それは、素晴らしいことかもしれませんね。

About You
SNSにあふれるレビューからU2、ウォールオブサウンド、シューゲイザー等の言葉をかなり見ましたが、その成分があんまし好きじゃないかもです。個人的に。このヴォーカルでそれをしないのがいいのでは?

When We Are Together
こういうのアシッドフォークというらしいですね。ガチで好きです。結局アシッドフォークが好きなだけなのか?


おわりに

以上です。いかがでしたでしょうか。あまりにむ無機質すぎてどうもこうもなかったでしょうか。
逆に、このくらい軽い気持ちで聴いて、このくらいの思い入れの人間が、このくらいの粒度(最早ソースも曖昧なのに文章にしてもいいのか、という不安と戦う時代)で書いた文章にも、一定層にはそのくらいの気持ちで聴きたいという人がいると思うので、意味はあるんじゃないかと思って文字にしました。見てもらえれば分かる通り全くお耳を啓蒙する内容ではありませんが、許してください。

ちなみに現在時点で4周ぐらいしたんですが、最初は車でJBLスピーカーで聴いてて、中盤~終盤の曲がピンとこず、イヤフォンに変えて聴いてみるととても良かったので、そちらがおすすめです。久々にアルバム曲順に何周もできるわくわく感ののあるアルバムです。皆さんもぜひ感想をおしえてください。

MVのある曲は下にまとめて貼っておきます。


あざます