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ひとりで訪れた事を超後悔した大島のハラルレストラン(ハビビ/西大島/インド・パキスタン料理)

取材のために暇さえあれば街ブラを楽しんでいる(取材じゃねえだろそれ)オレ様だが、つい先日は西大島~大島界隈をほっつき歩いてみた。
この一帯は以前書いた商店街の本(よく記事の最後に載せて宣伝してるヤツ)の取材で訪れ、思った以上に奥深い面白い街で気に入ってしまったのだが、実は今住んでいる両国からなら頑張れば自転車圏内。健康のためのトレーニングだと思えば余裕でやって来れる距離である。

東大島には息子がお気に入りの公園があるのでしょっちゅう行っているのだが、西大島駅周辺は取材以来だからちょっと久々。まずは商店街に変わりがないか見て回って~、らかん湯でお湯を貰って~、なんて妄想をしつつママチャリを飛ばしていると、ダイエーの裏手の4丁目団地に差し掛かった。

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目ざとい私はここで 「あれ、前と店が変わってる」 と異変に気付く。確か、この団地にあるカレー屋さんって以前はごく普通のネパールだかインドだかというお店だったはず。それがパキスタン料理のお店になっていたのだ。

後から調べて実はここがその道の方々の間では有名な店だと知ったのだが、この時点ではそんな情報は知らず、何となく「せっかくのスパイスの聖地・大島だし寄ってみっか」と入店。

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店に入ってしばらくして、壁に「牛も豚も酒も出さねえぞゴルァ!」と書いてある事に気付く。 うわ、ここハラルのお店じゃん!

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ランチメニューを眺めてみると、確かにお肉はチキンとマトンしかない。
え~~、じゃあ何かこのダブルカレーセット的な物でチキンとマトンと1個ずつ頼むか。それともマトンとダルとかにしようか……

なんて悩みながらメニューの他のページを見てみると、ランチメニューがどうでもよくなるほど求心力のある文字列がそこかしこに。

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まず粉物の揃えが素晴らしい。ナン以外にロティにパラタにチャパティにとどれにしようか悩んでしまう。
今ここに食べ歩きの相棒である女房がいたら、お肉のグリルの盛り合わせとか平然と頼んだであろうが、残念ながら今は私ひとり。そんなもんを食い切る自信はない。アルコールで満腹中枢を壊そうにもここはハラルレストランである。

カレーコーナーを見てみても、うわなにこれニハリとかハリームとかあんだけど。パキスタンだ、本当にここパキスタン料理のお店だ。

とメニューとにらめっこしながら悩み倒していると、ホールのお兄ちゃんが見るに見かねたのか「ビリヤニ美味しいよ」と謎のアシスト。

ビリヤニ?

そんなもん食べたら絶対に他が食べられなくなるじゃん!

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と思ったのだが、今はひとりなのでどうせカレーを頼んだって後悔が残る。だったら今回はせっかくのパキスタン料理のお店だし、カレーを諦めてビリヤニの味を確かめようじゃないか!

本当はマトンビリヤニが食べたかったのだが、残念ながらチキンしかないそうなので、それで我慢。
ほどなくしてやって来たビリヤニは 「お前なんで1人客にこれを薦めた?」と言いたくなるほど山盛り。

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中には骨付きの鶏肉がゴロゴロっと入っており、これでもかと ”まんが日本昔話のご飯 長米ver” が盛られている。

味付けは塩気に関しては優しいのだが、スパイスの香りと刺激という面では割と強め。カルダモンやクローブなどホールスパイスがコロコロ入っていて、それを噛んだ時の強烈な香りが良いアクセントになって食べ飽きない。
またライタが付いてくるのだが、それをかけなくても充分に酸味を感じた。途中でグニュっとした酸っぱい何かの実?を齧ったのだが、アレってもしかして梅干しか何かだろうか。一瞬で飲み込んでしまったのでよく分からなかった。

お米はパラパラなのだが、ライタがたっぷりあるので食べ辛さはない。来た時は山盛りだったのに、スイスイ食べれてしまって、あっという間に完食。

いやあああああ、なんでここにひとりで来ちゃった?
ここひとり分の胃袋じゃ無理だろ。全然掘り下げられないだろ。ビリヤニは相当美味しくて 「すごいぞイスラム!」って感じだけど、カレーも粉物も気になるに決まってんじゃん!

という訳で、この店は必ず女房を連れて再訪する。ビリヤニを食べた感じ、味付けは上手そうなので息子を連れて来ても大丈夫かも。

[店名] ハビビ ハラル レストラン
[住所] 東京都江東区大島4-1-2 大島四丁目団地2号棟
[TEL] 03-5875-5075
[営業時間] 11:00~23:00(15:00~17:00は中休み)
[定休日] 無休(年末年始のみ?)


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