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苦しかった経験がギフトに変わった「ミチムラ式漢字eブック」

よく、苦労は買ってでもせよといわれていますが、
イマイチその意味がわかりませんでした。

それが今回、自分が苦しんだからこそ提供できる価値があるということに気付くという体験をさせていただいたのです。

そのことを書いてみようと思います。

1.苦痛でしかなかった漢字学習

私は小学校時代をアメリカですごし、
漢字は毎週金曜日、
土曜日の日本語補習校の漢字テストのためだけに
泣く泣くやっていました。

なのに日本帰国後、教科書に出てくる漢字が殆ど読めず、
漢字辞典を引きながら漢字にふりがなをつけ
泣く泣く学習していました。

本当に苦痛で、しんどく、
漢字ときくと灰色で、砂を噛んでいるようにザラザラで
根性と努力だけで乗り越えてきました。

そんな私が今、日本をルートに持つアメリカ在住の子どもたちに
漢字を教えているのです!?!?!?!?

2.ミチムラ式漢字学習法との出会い

そんな私が漢字を教えられているのは、
ミチムラ式漢字学習法との出会いでした。

開発者の道村静江先生の著書のまえがきにはこう書かれています

「漢字はおもしろい。簡単に覚えられるよ。あきらめないで!嫌いにならないで!」
道村静江著『唱えて覚える漢字指導法』より

信じられない。

あんなに難しく、複雑で、大変なものが
おもしろい!? 簡単!?!?!

そんなわけがあるはずない。

と目が飛び出てしまう程驚いてしまいました。

そしてなんと、Learn Japanさんが、
海外で継承語として日本語を教える方たち向けに
ミチムラ式漢字指導法のワークショップを開催してくださり、
道村静江先生から直々に学ばせて頂く機会に恵まれました。

更に、この度、道村先生の解説もふんだんに取り入れられた
「ミチムラ式漢字Eブック」が発売され、


これだったら私も教えられるかもと、
漢字学習が嫌になりかけていた次女と
同じ日本語教室に通う仲間を集め
漢字カフェを始めたのです。

その様子を綴ったブログを
マルチリンガル漢字指導法研究会の堀家香織さんが見つけてくださり、この度、その研究会で発表させていただいたのでした。

3.マルチリンガル漢字指導法研究会での発表で得たみなさんからのコメント

教師経験もなく、
まして漢字への苦手意識の強い私が
「漢字指導法研究会」という
漢字を教えるプロの先生方に向けて
果たして何を提供できるのだろう・・
と正直スライド作りには苦戦しました。

そして、当日蓋を開けてみると
15名もの参加者と、
そして、なんと、当の道村静江先生も参加してくださっていたのです。

正直に、自分の経緯と想いと、それを元にした実践を報告させて頂きました。

こんな話し、どうなんだろう、と
半信半疑でしたが、
笑いあり、時には拍手まで頂き、
更にこんな素敵な感想まで頂いたのです。

安心できる雰囲気づくり」がとても素敵だと思いました。
参加者の方への語りかけからスッと漢字の学習に入っていく流れがいいと思いました。
子供によって、ヒットするポイントが違う。そこを親が自分の子は?と考えられるといいんだな。と思いました。
大人でも漢字苦手を子どもに伝えて、共感から始める。も新しい試みだな。と感じました。
こどもたちの得意な方法でインプット、処理、アウトプットそれが学習になる!楽しいこと間違いなしです。
「つながりを大事にしている」というところで、友だちとのつながり、仲間とのつながり、そして「自分とのつながり」も大事にしているというところが素晴らしいと思いました。

感涙。。

ありがとうございます。

4.苦手が持つギフト

暖かく聞いてくださる皆さんの表情や
感想を拝読しながら思ったことがあります。

それは、苦手って本当にギフトに変えることができるんだということです。

私は漢字への苦手意識が強いので、
きっと面白い本を作ったりすることはできないと思います。

だけど、苦手意識が強いからこそ、
教えることができるのかもしれないと。

それは、
得意だったら見落としてしまうかもしれない大事なことを
大切にし続けられるからかもしれないと、
思いました。

例えば、
苦手だったからこそ「共感」できる。

しんどいけど続けることで
漢字が使える世界の広さと面白さを知っているから
「応援」できる。

学び方っていろんな方法があるし、
諦めることさえしなければ、
本気で学びたくなったときに
必ず学べることを知っているから、
「焦らず付き合える」

そして、漢字の教え方なんて知らない素人だから、
謙虚に、フラットに、
目の前の子どもを見ながら
いろんな学び方を「自由に選択」していける。

真剣に聴いてくださる参加者の方々の表情に
できない自分だからこそ持っている役割のようなものに
気づかせてもらうことが出来ました。

マルチリンガル漢字指導法研究会の仲間という
同じように試行錯誤しながら海外で漢字を教える方々のご経験と御知恵を拝借させていただきながら、
日本にいないからこそできる自由で本質的な漢字学習、
これからも子どもたちと一緒に追求していきたいと思います。

苦手を題材に、日々向き合うのはエネルギーが必要です。
それでも今のところ4ヶ月も続いているのは
苦手と思っていたものの中にある面白さに
毎回出会え、それを興味を持って聞いてくれる子どもたちがいるからなんだと感じています。

それって本当にすごい!

みなさん、本当にありがとうございます💕



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